京都八幡高校レスリング部・京都八幡ジュニアレスリングクラブを指導する監督・浅井 努の日記

剛毅果敢(ごうきかかん)をキャッチフレーズに全国優勝を目指す。

えこひいき

2014-03-21 | 教訓
マラソン女子の金メダリスト、高橋尚子選手を育てた小出監督のお話。
「笑顔で生きる魔法の言葉」高橋尚子 著より

あるとき、小出監督のもとに「監督はみんなを平等に指導してくれない」と訴えに行った選手がいたとか。
監督はこう言ったそうです。
「えこひいき?そんなの当たり前だよ。みんなもう学生じゃないんだからね」
「どんな職場でも、社会人というのは自分のことを見てもらえるように努力をするものだよ。努力しなければ、見てはもらえない。こっちが指導したいなと思うような選手になりなさい。鐘だってそうだ。打って響かなければ、もう鳴らしたくなくなってしまう。打ったら響く、そういう人にならなくてはいけないよ。そうでなかったら、俺だってえこひいきするよ。社会人なんだから」

なるほど…小出さんの「こっちが指導したいなと思うような選手になりなさい」。確かにそう思います。
社会人だけでなく、高校生、学生も同じですよ。
スパーリングで目立つ選手には、やはり声をかけたくなります。
お互い激しい、熱の入った、見ていて面白いスパーリングに、声をかけたくなります。
マットサイドで、目立たないところでやっているような選手には、声をかける気はしません。
朝練習のランで、トップ集団を走り、息を上げながら激しくトップを狙う選手の走りに、声をかけたくなります。
補強で苦しくなっても、自分で気合いを入れて声をあげながら頑張っている選手に、声をかけたくなります。
やはり、先頭に立って目立つ選手に、声をかけたくなります。
選手は、練習では目立たないといけません。やはり、目立つ選手が強いです。目立つ選手が結果を出します。




身銭を切るということ

2014-02-04 | 教訓
「将棋で強くなりたければ、高価な将棋盤と駒を買う。」故・大山康晴名人
「身を食う芸が、身を助く。」作家・中谷彰宏 『大学時代しなければならない50のこと』( PHP文庫)
「凡人の場合、身銭を切るということが、判断力を確実に向上させるよい方法になる。」学者・渡部昇一『知的生活の方法』(講談社現代新書)

何事も同じで、その道で上達しようと思えば、多少無理をしてでもいい物を買った方がいい。何より気分が違う。
その物に相応しくなろうと努力もするし、いい物を持っていれば、気持ちも高揚する。
極端なことを言えば、使っている物を見るだけで、その選手が強いのか?弱いのか?だいたい想像がつく。
確実に言えることは、人は、身銭を切ったものに対して、より真剣になれるものであると思う。
ようは、一番大事なものは「気持ち」である。そして、もちろん気持ちだけでは駄目で、「行動」に移さないと意味がない。
その行動の中でも、まず大事な事が「身銭を切る」ということではないか?と感じています。

学習でも一緒だと思います。
もちろんタダでも勉強はできます。本は図書館で借りれば済むかもしれません。
でも、身銭を切った人にはかないません。前にも書いたとおり、身銭を切ったものに対してより真剣になるからです。
そもそも、勉強とはお金がかかります。
勉強をしようと思えば、たくさんの本や資料を手元におかなければなりません。
学習塾に行くためには、資金を用意しなければいけません。
これらは浪費とは異なります。身銭を切って真剣に学んだことは、将来、投資した以上の利益をもたらすと思います。

レスリングでいえば、最近うちの選手にはいませんが、現役の選手が、破れたシューズで練習しているようではダメです。
破れたシューズにテーピングを巻いて練習しているのもダメです。練習着が破れているのもダメです。
遠征・合宿では費用がかかります。でも、遠征・合宿での成果は、すぐに結果には結びつかなくても、後々必ず活きてきます。
「身銭を切る」これは強くなるための一つだと思います。

前途多難

2013-11-09 | 教訓
本日、新人大会の団体戦が行われました。私の予想どおり負けました。今回は試合前から、負ける予感っていうか、これで勝てるほど甘い世界ではないので、まぁ、こういう結果になることは読めていました。こんなもんでしょう。
インターハイ後から酷いもんです。考査前に必死に学習しないので点が取れず補習で練習を休むわ、自己管理ができず風邪だの発熱だので休むわ、怪我も多いわ、怪我でまともに練習できないやつが陰でSNSで調子に乗るわ、本日試合のない高1・2年生以外は朝練習なのに寝坊で来られないやつはいるわ、指導しても浸透せず…勝つチームの姿になっていません。高校生も中学生も酷いもので、これが8月からずっと続いているのですから…結果を出そうなんて到底無理な話しですね。明日も苦戦すると思いますし、今月末の中学生の全中選抜も6月の全中と一緒で惨敗するでしょう。京都八幡の実力なんてこんなもんです。

もう、まもなく1年が経とうとしていますが、本年1月の正月の箱根駅伝で、私の母校である日体大が前年19位という惨敗から優勝しました。その時のヤフーニュースで「生活習慣から見直し、規則正しい生活を徹底。以前は夜更かしする選手が多かったが、午後10時半には消灯。練習前にはグラウンドを清掃し、食事も残さず食べるようになった。と当たり前のことを当たり前にできるようにしたことで、日常の積み重ねの成果が徐々に結果として表れ、最後の箱根で最高の形で表われた…」と掲載されてました。

負けた原因は技術的なことではなく、根本的な原因は、自己管理能力不足と当たり前のことを当たり前にできない甘さがあることに気づかない選手たち…来シーズンと地元インターハイを迎える27年度とこれから頑張らねばならないのに、前途多難です。


最後のブザーまでベストをつくす

2013-04-10 | 教訓
徒然草に「高名(こうみょう)の木登り」という有名な話があります。
これは、木登りの名人が、若手の部下に木を切らせていたが、高いところに登っているときは何も言わなかったが、安全そうな高さにまで降りてきたときに、「用心して降りよ」と声を掛けたという。
人は誰も、高いところにいるうちは、自分でも危険を感じて用心するが、飛び降りても大丈夫なような距離まで降りてくると、つい気を抜いてしまい、そこで怪我をする。
詰めが甘い人間は、最後の最後に大失態をしやすい。
全国選抜大会の個人戦の浅井翼の試合といい、団体戦の根本怜の逆転された試合なんかは、気が緩んでいたわけではないが、勝っている状況で、ラスト数秒の残り時間を考えたら、相手はどういう攻撃を仕掛けてくるか?相手のレスリングスタイル・特徴を考えたら、最後の攻撃は想像できる。それに対しての対応ができずに、土壇場で逆転を許した。私の指示・指導不足と「最後のブザー・瞬間まで全力尽くす」このことを痛いほど味わいました。この経験を必ずプラスにし、夏のインターハイでは何が何でも最高の結果に導かなくてはならない。頑張ります。


悔しさは過去ではなく未来へぶつける

2013-03-31 | 教訓
昨日、金沢経由で帰ってきました。
何気なく帰りに「松井秀喜ベースボールミュージアム」を見学しましたが、とても勉強になりました。
超一流選手は、大変な努力を積み重ねています。高校時代の松井の手を見れば、どれほど努力しているかは想像できます。天才は努力の積み重ねで生まれるものだということをつくづく感じました。
選抜優勝できなかったことは、もっともっと強くなるきっかけを相手に与えてもらいました。あのまま優勝していたら、今こんな気持ちになっていません。3ピリオド…ローシングルから一気に3ポイント奪ったものの、ラスト数秒で逆転されたのも悔やまれますが、その前の1ピリオド…ハイクラッチを決めながらテイクダウンまで奪えなかったことや、2ピリオド…ローシングル仕掛けるものの踵を捉えられず、両ピリオドともクリンチになってしまったことが悔やまれます。この屈辱はしっかり胸に刻み、必ずインターハイで、今度こそ文句無しの優勝をさせます。
また、団体も不本意な結果で終わってしまいました。個々のレベルアップをして、京都府予選を勝ち抜き、必ずリベンジします。明日から新学年に新学期…気分一新、全力尽くします。やるしかないです。