シャープは27日、2009年にも欧州に薄膜型太陽電池の新工場を建設する方針を明らかにした。国内で建設中の新工場などと合わせ、10年4月に薄膜型太陽電池の生産能力を年間1ギガ(ギガは10億)ワット体制にする。現在の世界需要の4割に相当する生産能力を確保し、シェア首位の奪回を目指す。
シャープは堺市の液晶パネルの新工場と同じ敷地内で太陽電池工場を建設中。シリコン使用量が従来の100分の1で済む薄膜型の工場で、約720億円を投じて10年3月までに年間480メガ(メガは100万)ワットの生産能力を持たせる。欧州の工場は堺市の工場と同規模になる見通しだが、具体的な投資額や建設地は明らかにしていない。
太陽電池は07年で2.5ギガワットだった世界需要が12年に15ギガワットに拡大するとの予測もある。一方で材料のシリコンの争奪戦が激化し、06年まで7年連続で世界生産量トップだったシャープは、07年は独Qセルズに抜かれ2位に転落した。シリコンを節約できる薄膜型の増産体制を築き首位返り咲きを狙う。
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