日,暮らし

明日は明日の風が吹く。

「対岸の彼女」角田光代

2006-02-07 | 日々の読書
友だちから借りていた本,さすがにそろそろ返さないといけないので読んだ。実は,何度も読もうとしていたのだけど,なかなか読み切れなかった。なんというか,女同士の関係とか,仕事に対する姿勢とか,・・・正直読んでいて辛くなったのだ。で,そんな自分に,いつまでたっても甘いなと思ってますます自己嫌悪に陥り,そして哀しくなった。それほどまでの人間関係を,正面からぶつかることなく,なんとなくすり抜けてきたようなところがある自分に・・・。

高校時代も大学時代も,正直,あんまり女同士で固まり合って過ごしてきたということはなかった。なんというか,つかず離れずという感じで,なんとなく自分から距離を置いてきたような気がしているので,女同士の距離の置き方が今になってもよく分からないというところがあるような気がする。適度な距離感というか・・・それが分からないというか。

昔,専業主婦になったばかりのころ,べったりと寄りかかってくる子どもが同じくらいの人に辟易しながら,それでもこれが正しい専業主婦の人間関係なのかと,わけも分からずに付き合っていたころを思い出す。

女同士の友情は成立するか・・・これは永遠のテーマだと思うが,しかしこの本の小夜子と葵の場合,友情というよりも,同志というような感じがしている。肩肘張らずに気楽に行こうよというか,・・・。小夜子が一歩踏み出し,なんとなく窓が開いて光が差してきたような最後に,少しほっとして読み終えた。

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