もちつきうさぎ

ぺったんぺったん、もっちもち!
ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

花の江戸子、なにわをゆく 11

2007-03-10 | 旅のおはなし(花の江戸子)
~憧れの焼却炉~

広い敷地の社宅はいろいろな過去の産物が
あちこちに散っていた。

そのひとつがでっかい「焼却炉」。

夕方になると小学生たちがその上によじ登り、
それを足がかりにして、さらに物置きの上によじ登り、
まあ、危険な遊びをしていた。

その他にもカードを見せ合ったり、漫画を読んだり・・・

当時は「携帯ゲーム機」などまだなかった時代なので
(テレビ接続型はあったが・・・)
ほんの1平方メートルくらいしかない「焼却炉」の上は
なぜか子どもたちの“いこいのスペース”だった。


3歳児たちにとって
そこは“憧れの聖地”だった。

なんてったって、よじ登ることができないのだから

挑戦をはじめたのは
ごんたたちだった。(花の江戸子~5、記事参照)

わが息子はその姿をジーっと眺めるばかりで
登ろうとする素振りもみせない。

・・・ん~どうするんだ?


ある日、息子は焼却炉のドアを開けることに成功した。
そして、なんと!そのドアを足がかりにして
“憧れの聖地”へと一番乗りしてしまった

殊勝にも彼はその後、
よじ登ろうとする子に手を貸してあげていた。

・・・そうだ、えらいゾ!

わが息子も成長したな~と母、感激。


その傍らで、ごんたくんがつぶやく。
「わし、一人で登るんじゃ!一人で登ってナンボのモンじゃ~!」

・・・ん~そのとおーり!

忘れられない三歳児のバトルであった。












Comments (2)
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