熱帯果樹写真館ブログ

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マンゴーの取り木

2009年09月08日 | マンゴー
 2009年8月下旬某日に知人から「マンゴーを取り木したんだけど、根が出ていない」と報告を受け、「一緒に取り木の状況を確認して、問題点等を考えて欲しい」と依頼されました。
 マンゴーを増やすときは、通常は接木繁殖を行うのですが、取り木繁殖とは珍しいです。
 早速、現場へ駆けつけ、取り木の状況を確認しました。

 取り木を行っていたのは、樹齢10年以上のマンゴー(品種:アーウィン)で、施設内で栽培されていました。
 話によると、取り木は6月上旬に行ったとのこと(写真1)。

 私が呼ばれる前に「2つの取り木を開けたが発根していなかった」から不安になったそうです。



写真1:取り木の状況


 私が見た限り、取り木が行われている枝の太さ及び角度、位置は様々でした。
 しかも、ミズゴケの乾燥防止のビニールは黒マルチを用いている・・・。

 「とりあえず、太さが500円玉程度で、立ち枝、日陰の取り木を開けてみましょう」

 私の提案に従って1つ開けてみると・・・、



写真2:取り木成功(発根していた)



 しっかり発根していました(写真2)。

 恐らく、

 1.地面と平行な枝や下垂した枝では発根しにくい。
 2.細すぎる(若すぎる)枝では発根しにくい。
 3.黒マルチを用いているので、日当たりが良い枝では暑くなり過ぎる。

 等といった原因で発根しづらかったのではないでしょうか?

 とにかく、マンゴーの取り木繁殖という珍しいものが見られたので、私は大満足でした。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
取り木 (AYA)
2009-09-15 21:06:51
取り木は6月下旬頃に行うのがいいのですね。
成功おめでとうございます。
我が家では8月下旬に接木位置が高い台湾産マンゴー苗があるのですが、それらの接木の位置を低くするために何本か取り木を行いました。
病害虫に強い土マンゴーが台木になっていますが、ねこがためさんの記事を読んで作業の時期が少し遅いかったかな、と思いました。
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取り木の時期 (ねこがため)
2009-09-19 07:02:29
 春先に取り木をかけて、初夏に苗を切り取り、夏場は日陰で養生して苗を育成が沖縄では良いのかと思っています。

 今回の様な初夏からの取り木は、施設内で行わないと台風で傷んでしまうかもしれません。

 あと、秋からの取り木は、苗を切り離す時期が寒いと、発根が遅かったり、切り離した後の苗の育ちが悪いかもしれませんね。
 以前、9月からグアバの取り木をやったことがありましたが、そのときは5月以降に苗を切り離しました。とても良い苗が沢山とれました。
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