熱帯果樹写真館ブログ

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2010年 マンゴー食べ初めは珍品種から

2010年06月21日 | マンゴー
 2010年6月19日に沖縄県は梅雨明けしました。
 梅雨が明けると一気に夏です。
 マンゴーの季節が到来します。

 国内で栽培されているマンゴーの品種は「アーウィン」が主ですが、私が今年最初に食べたマンゴーは「アーウィン」ではなく「ゴールデンリペンス(Golden Lippens)」でした。



 「ゴールデンリペンス」に関する国内の情報は少ないですが、伊藝らが1998年に「A Guide To Mango in Florida」という資料を翻訳し刊行した「マンゴーの品種」という冊子(現在 在庫はなく入手困難)に品種特性等の記載が見られます。
 それによると、「ゴールデンリペンス」は、「アーウィン」と同じく「リペンス」という品種の実生から得られたとされています。
 また、「ゴールデンリペンス」は、果形は長円形で、果皮色は明るい黄色でときどきピンク色の紅がのる、果肉の繊維とヤニ臭さが少なく、味は濃厚と記されています。
 この資料では、各品種の食味を5段階評価しており、「ゴールデンリペンス」の食味評価は最高の「優(excellent)」です。

 この他にも、米本(2000?)は、「ゴールデンリペンス」は「アーウィン」より収穫期が遅く、糖度が高いことを報告しています(表1、2)。





 これらの事前情報から、私も期待して食したのですが、甘味が薄く「「淡い味だなぁ・・・」という感想をもちました。
 それ以外は、繊維は少なく、ヤニ臭さも気にならず(アーウィンよりは有る)、ジューシーと申し分ないのですが、味が淡いと「美味しいマンゴー」なイメージと結びつきません。
 表3に私が食した「ゴールデンリペンス」のデータを記します。



 既存のデータと比べると、収穫時期が早く、果実サイズが小さく、糖度が低いことがわかります。
 つまり、私は品種本来の特性を十分に発揮できていない果実を食べたのだと思います。
 珍しい品種が食べられたので良かったのですが、8月以降に品種特性を発揮した「ゴールデンリペンス」を食べなおしたいものです。


○参考文献
 ・「マンゴーの品種(原著:A Guide To Mango in Florida)」.(訳)1998.(訳)伊藝安正・井上裕嗣.宮古農業改良普及センター.
 ・「マンゴーの品種特性について」.米本 仁巳.2000?.農林水産総合技術センター山村産業試験場(平成11年度成果発表).

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