今日は私が最近読んで面白いと思ったバナナに関する書籍の紹介をしたいと思います。
書籍のタイトルは「バナナ・ペーパー―持続する地球環境への提案」です。
皆様は「バナナペーパー」というものをご存知でしょうか?
バナナペーパーとは、皆様もよくご存知のバナナの「茎」(バナナは草本植物ですので、木の幹に見えるところを仮茎と呼びますが、今回は便宜上「仮茎=茎」と表現します)を原料して作成された紙のことです。
バナナは熱帯・亜熱帯地域で食糧として輸出産物として栽培されている重要な作物ですが、果実を収穫した後の茎の部分は産業廃棄物として扱われていることがほとんどです。
しかし、バナナの茎には強靭な繊維が含まれているそうで、それを利用して紙を作った人がいて、それが世界規模で注目されているのだとか。
何故バナナの茎で紙が作れたら注目に値するのか?ですが、それには私たちの生活で当たり前の様に使っている「紙」の原料について考えるとわかりやすいと思います。
私たちが通常使用している紙の91%は森林木材を利用した木質紙です。それ以外に草本を原料とする非木質紙が9%あるわけですが、非木質紙の原料の60%は藁なんだそうです。
「バナナを原料にした紙って珍しいんだ!凄い!!」
と言うもの確かに凄いのですが、バナナペーパーを作るに至ったのはバナナの生産国の多くが経済的に貧しい発展途上国であることと深い関係があります。
現在、バナナを生産している熱帯・亜熱帯地域の国は紙を輸入しています。
これは、熱帯・亜熱帯の国々が自国に製紙工場を整備しようとしても、既に熱帯森林の50%は消失しているため原料となる木材の調達ができないことに加え、製紙プラント建設には少なくとも3,000万ドル(34.5億円:1$=115円で計算)以上を要するからなんだそうです。
発展途上国には3,000万ドル以上の設備投資を行う余裕はありませんし、原料確保が困難な国に投資して製紙プラントを整備する先進国もありません。
そこで、登場するのがバナナペーパーです。
バナナペーパーの製紙工場は、規模を小さくすれば300㎡程度の建物で作業が可能で、そこに設備備品で6.5万ドル、技術研修費で2.5万ドルの合計9万ドル(1,035万円:1$=115円で計算)程度の初期費用で運営が開始できるそうです。
しかも、バナナペーパーは環境汚染のない「無薬品の製紙技術」で作ることができる上に紙としての品質は木質紙よりも強靱で高品質なんだそうです。
つまり、熱帯・亜熱帯の国々で産業廃棄物として扱われていたバナナの茎からバナナペーパーを作れる様になれば、
1.少額の初期投資で製紙工場が整備できる。
2.産業廃棄物の処理と新産業確立(新たな雇用先)が同時にできる。
3.自国産の上質な紙が得られる様になり便利な生活と経済的自立が図られる。
4.天然林伐採に歯止めをかけることが期待できる。
5.環境に優しい製紙技術である上にバナナの葉による優れた二酸化炭素吸収が期待でき地球環境の再編循環システムの起点にもなるかも。
と良いことずくめ。
特に原料を新たに栽培するのではなく、既存の産業の廃棄物を利用できるところが素敵だと思います。
このバナナペーパー作りを熱帯・亜熱帯の国々に広めようとしているプロジェクト「バナナ・グリーンゴールド・プロジェクト(Banana Green-Gold Project)」が国連主催の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(World Summit on Sustainable Development, Johannesburg Republic of South Africa/通称;環境開発サミット)」で注目を集めたり、「愛・地球博」で関連パビリオンが出展される等、話題になるのも頷けます。
また関連情報として、大使館派遣員としてハイチ共和国に赴任した女性職員が、貧困にあえぐハイチで、バナナの木から紙を作るプロジェクトをスタートさせる映画「ミラクルバナナ」も気になります(音楽は角松敏生さんが担当)。
そして一番気になるのは、沖縄で栽培されているバナナの茎を使って遊びで良いからバナナペーパーが作れないかということです。
実際に自分でバナナペーパーを作ってみれば、どの位の労力とコストが必要なのか?バナナペーパーの品質は木質紙を本当に上回るのか?等が体験できて楽しそうです。
もしバナナペーパーを自作するときは、バナナの繊維で草履も編みたいものです。
○参考資料
・「バナナ・ペーパー―持続する地球環境への提案」.森島紘史.2005.鹿島出版会.
・「バナナ」.大林宏.2000.国際農林業協力協会(AICAF).
・「平成16年産 園芸・工芸農作物市町村別統計書」.2005.沖縄総合事務局農林水産部統計調査課.
書籍のタイトルは「バナナ・ペーパー―持続する地球環境への提案」です。
皆様は「バナナペーパー」というものをご存知でしょうか?
バナナペーパーとは、皆様もよくご存知のバナナの「茎」(バナナは草本植物ですので、木の幹に見えるところを仮茎と呼びますが、今回は便宜上「仮茎=茎」と表現します)を原料して作成された紙のことです。
バナナは熱帯・亜熱帯地域で食糧として輸出産物として栽培されている重要な作物ですが、果実を収穫した後の茎の部分は産業廃棄物として扱われていることがほとんどです。
しかし、バナナの茎には強靭な繊維が含まれているそうで、それを利用して紙を作った人がいて、それが世界規模で注目されているのだとか。
何故バナナの茎で紙が作れたら注目に値するのか?ですが、それには私たちの生活で当たり前の様に使っている「紙」の原料について考えるとわかりやすいと思います。
私たちが通常使用している紙の91%は森林木材を利用した木質紙です。それ以外に草本を原料とする非木質紙が9%あるわけですが、非木質紙の原料の60%は藁なんだそうです。
「バナナを原料にした紙って珍しいんだ!凄い!!」
と言うもの確かに凄いのですが、バナナペーパーを作るに至ったのはバナナの生産国の多くが経済的に貧しい発展途上国であることと深い関係があります。
現在、バナナを生産している熱帯・亜熱帯地域の国は紙を輸入しています。
これは、熱帯・亜熱帯の国々が自国に製紙工場を整備しようとしても、既に熱帯森林の50%は消失しているため原料となる木材の調達ができないことに加え、製紙プラント建設には少なくとも3,000万ドル(34.5億円:1$=115円で計算)以上を要するからなんだそうです。
発展途上国には3,000万ドル以上の設備投資を行う余裕はありませんし、原料確保が困難な国に投資して製紙プラントを整備する先進国もありません。
そこで、登場するのがバナナペーパーです。
バナナペーパーの製紙工場は、規模を小さくすれば300㎡程度の建物で作業が可能で、そこに設備備品で6.5万ドル、技術研修費で2.5万ドルの合計9万ドル(1,035万円:1$=115円で計算)程度の初期費用で運営が開始できるそうです。
しかも、バナナペーパーは環境汚染のない「無薬品の製紙技術」で作ることができる上に紙としての品質は木質紙よりも強靱で高品質なんだそうです。
つまり、熱帯・亜熱帯の国々で産業廃棄物として扱われていたバナナの茎からバナナペーパーを作れる様になれば、
1.少額の初期投資で製紙工場が整備できる。
2.産業廃棄物の処理と新産業確立(新たな雇用先)が同時にできる。
3.自国産の上質な紙が得られる様になり便利な生活と経済的自立が図られる。
4.天然林伐採に歯止めをかけることが期待できる。
5.環境に優しい製紙技術である上にバナナの葉による優れた二酸化炭素吸収が期待でき地球環境の再編循環システムの起点にもなるかも。
と良いことずくめ。
特に原料を新たに栽培するのではなく、既存の産業の廃棄物を利用できるところが素敵だと思います。
このバナナペーパー作りを熱帯・亜熱帯の国々に広めようとしているプロジェクト「バナナ・グリーンゴールド・プロジェクト(Banana Green-Gold Project)」が国連主催の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(World Summit on Sustainable Development, Johannesburg Republic of South Africa/通称;環境開発サミット)」で注目を集めたり、「愛・地球博」で関連パビリオンが出展される等、話題になるのも頷けます。
また関連情報として、大使館派遣員としてハイチ共和国に赴任した女性職員が、貧困にあえぐハイチで、バナナの木から紙を作るプロジェクトをスタートさせる映画「ミラクルバナナ」も気になります(音楽は角松敏生さんが担当)。
そして一番気になるのは、沖縄で栽培されているバナナの茎を使って遊びで良いからバナナペーパーが作れないかということです。
実際に自分でバナナペーパーを作ってみれば、どの位の労力とコストが必要なのか?バナナペーパーの品質は木質紙を本当に上回るのか?等が体験できて楽しそうです。
もしバナナペーパーを自作するときは、バナナの繊維で草履も編みたいものです。
○参考資料
・「バナナ・ペーパー―持続する地球環境への提案」.森島紘史.2005.鹿島出版会.
・「バナナ」.大林宏.2000.国際農林業協力協会(AICAF).
・「平成16年産 園芸・工芸農作物市町村別統計書」.2005.沖縄総合事務局農林水産部統計調査課.
http://www.1101.com/news/
http://www.1101.com/news/2006-01-24.html
そうです。
この映画です。
早く全国劇場公開されれば(もしくはレンタルビデオで見られる様になれば)良いのですが、まだ準備中の様です。
沖縄は梅雨が明け、一気に夏!!
デージ、暑~い!
外に出ると、日焼けというより、燃えそ~う!!溶けそ~う!
私の家の庭にもバナナが植えてあります。
もちろんシマバナナ。
3年前に1本だけ植えたのが、土が良いせいか今では
20本以上あって、ちゃんと実も付いています。
少し、気が早いのですが、夏休みの自由研究にバナナペーパーを作ってみようかと考えています。
検索すると「ミラクルバナナ紙作りキット」というのが売られているみたいです。
はじめまして。
バナナペーパー作りって楽しそうですよね。
私も知人でバナナを作っている方が数名いるので、そのうちバナナペーパーかバナナ草履を作りたいと思います。
バナナの柔らかい茎を使って、シチューを作って食べたことはありますが、バナナペーパーは知りませんでした。
私はバナナの花序のおひたしを作ってドレッシングで食べたことはありますが、渋味を抜くのに苦労しました。
茎はさらに渋そうなんですが、どんな味だったのでしょうか?
ふとした弾みでこのブログにたどり着きました。 パナマ病について検索していたのです。
私は自分の農園で廃棄するバナナの仮茎などの再利用の為にもう15年程和紙をバナナの繊維で漉いています。
沖縄の那覇にも芭蕉紙を漉く作家がいらっしゃいます。
興味お有りでしたらご連絡下さい。
はじめまして。
書き込みありがとうございます。
そして、返信が遅れて申し訳ありませんでした。
オーストラリアで27年間もバナナ農場を切り盛りしていたとは凄いですね。
沖縄県では、台風やゾウムシ、盗人の影響でバナナ栽培を経営の軸として10年以上栽培されている方は ほとんどいないと思われます。
オーストラリアのバナナの栽培やバナナ繊維の紙に関心があります、情報交換ができれば嬉しく思います。
事の始まり
今では屋敷や畑のいろんな芭蕉に
芭蕉の木だらけ
最初はアクセサリーの紐を作れないかと
思いました。結局何もできず繁る芭蕉を
伐採し運んで捨てるたびに植えたことを
後悔します。
次第に年も重ねて・・・
奮起して何かに挑戦するのは今!
とインターネットで情報を集めている
うちにたどり着きました。
大宜味出身
今はそこに住んでいませんが
何か貢献できないか模索中です。
紙? 糸? 他に何か
アイディアがありましたら
アドバイスをお願いします。
書き込みありがとうございます。
返答が遅れ申し訳ありません。
芭蕉繊維の使い方ですが、本記事にもある「わらじ」が魅力的です。
つまり、日本の稲わら細工は、バナナでも代用可能ってことですよね?
となると、アクセサリー的な小物から実用品まで作れるものの幅は広がりますよ!
あとは実際に作ってみて、バナナ繊維が稲わらより優れている点を見つけられれば、差別化商品も作れるかもです。