lemonの日記

音楽、トールペイント、パン、猫のみかん

ウォルトン・「スピットファイア」前奏曲とフーガ

2013年05月20日 | 音楽

William Walton's Spitfire Prelude and Fugue

この季節になると、庭のエゴノキの花が咲いて、緑の葉とともに風にゆれ、

レッスン室のピアノに映るのを見るのが好きです。

 

 ウィリアム・ウォルトン作曲

     「スピットファイア」前奏曲とフーガ 

作曲者のウィリアム・ウォルトン(1902-1983)は1900年代のイギリスを代表的する作曲家の一人です。

(と言いながら、すみません、私は7、8年前まで知らなかったのですが

すでに音楽史の流れには新しい動きもありましたが、この時代に作られたにもかかわらず、

前衛的でなく、だれにも親しみやすいメロディーで、機能和声に新しい響きやリズムがとり合わさり、

「新古典主義」に分けられることもあります。

このあたりは、絵画もそうかもしれないけど、どういう表現をするのかってむずかしいなと思います

 

この「前奏曲とフーガ」は、映画「スピットファイア」(1947年)からまとめ上げられた曲で、

日本未公開のその映画は、イギリスの戦闘機「スピットファイア」の生みの親、R.J.ミッチェルの生涯を描いた作品で、

作品公開の際にも、数々のドラマがあったようです。

  

曲は、まず前奏曲の勇壮で輝かしい金管楽器のオープニングが、なだらかにオーケストラに迎えられ、

明るく堂々としたスケールの大きな曲想は、エルガーの「威風堂々」や

ワーグナーの「マイスタージンガー」のプレリュードも思い起こします

続くフーガは、八分音符と十六分音符による小さなモティーフが、

緻密でリズミカルに編み上げられていくように、緊張感を持ってすすんでいき、

中間部では、ヴァイオリンの美しく悲しい歌が聞こえてきますが、

最後は再び、フーガのモティーフに、先の前奏曲で出てきたテーマが重なり、

輝かしい響きとともに幕をとじます。

 

風薫る5月も後半、

大空を翔るような曲を聴きながら、元気に明るい季節を