水戸での出張はホテルとクライアントの行き来で終わってしまった。土地の雰囲気を味わえたのは駅前にある水戸黄門ご一行像と納豆屋くらい。日本三公園の偕楽園は横目でちらりと見た程度。納豆を食うこともなく終了してしまったけれど、そこはしっかりとキオスクで和菓子を購入。これから仕事の関係で地方に行く機会が増えそうなので、和菓子について掘り下げていこうと思う。
さて、出張和菓子第一弾は水戸の銘菓「吉原殿中」
忠臣蔵の「殿中でござる」のセリフから、勝手に硬派かつ物騒なイメージをもっていたけれど、全然そんなことはない。膨らませたあられ餅を水あめで混ぜ固め丸い棒上に伸ばし、まわりにきな粉をまぶしてある米のお菓子だ。水あめで固めてあるものの噛むとふんわりとしており、きな粉の味と柔らな食感が昔懐かしい駄菓子を思い起こさせてくれる。
このお菓子、埼玉県熊谷市の「五家宝(ごかぼう)」に良く似ている。調べてみるとこちらが元祖らしい。和菓子に付いていた説明書きによると、九代水戸藩主徳川斉昭の奥女中「吉原」が創案したらしい。「おやつが食べたい」と言った斉昭の意に応え、殿中にいる吉原が残飯を蒸し炒ってきな粉をまぶして出したところ、倹約を推奨していた斉昭がいたく気に入ったという。そして、このお菓子が熊谷に伝わったようだ。
干菓子なので日持ちもするし、その土地の歴史にちなんだものなのでお土産用としては手ごろな和菓子といえるかな。
◇亀印製菓◇
茨城県水戸市見川町2139-5
営業時間:9:00~20:00
食べた物 「吉原殿中」★★☆☆☆
箱詰め9本入り 525円