「守・破・離」という言葉をご存知ですか?
これは、武道や茶道などの修業において成し遂げていく段階の理想の順序を表す言葉です。
「守」…教えや型を忠実に守り、それを身につける段階
「破」…身につけた型の良い部分は残しつつ、既存の型を打ち破り自分に合ったやり方をつくる段階
「離」…型から離れて新しいものを生み出す段階
どんなことであっても、「我流」では身につくものも身につかないどころかむしろ負の側面が大きいです。
現在、25日から始まる国公立大学入試(前期日程)に向けて各科目とも最後の追い込みに入っています。
今年度、私は小論文講座を担当していますが生徒たちに最初に教えるのは「型」です。
小論文の場合には、作文と異なり感情的な部分を文章に出してはいけません。
少し難しく言えば、「主観」ではなく「客観的事実・根拠」をもとに
自分の意見に対して説得力をもたせる必要があります。
最初の1回だけ、あえて何も教えずに書かせてみますがたいていの場合は「作文」です。
そして、小論文とはこういうものだ、と教えたり学習してもうまくは書けません。
そこで、小論文の「型」を徹底的に教え込みます。
メモの取り方はもちろん段落構成から段落冒頭の言葉、そして各段落の文章割合まで
「型」にはめこんでその「型」に自分の書くべき文章を流し込む。
当然、課題文や資料・テーマに対する着眼や洞察などについても1つ1つ丁寧に指導します。
そうしていくと、添削指導を重ねていくうちに少なくとも「守」の段階はクリアしていくのです。
実際に、今年度担当している高3生もセンター試験が終わり2次試験までの短期間ですが
小論文の型はしっかりと身につけ、文章に説得力も増し始めました。
残された時間で「破」や「離」の段階に無理やり進んでいく必要はありません。
採点講評などを読んでいても、多くの受験生がいかに大学側が求めるレベルの小論文を
書けていないかわかります。
つまり、「小論文」がきちんと書ければそれだけで合格がグッと近づくのです!
以前、小論文を指導していた生徒が大学生になって私のもとを訪ねて来た時に
「大学入試対策で小論文の勉強をしていたおかげで、大学のレポートや論文が
他の友達よりも苦労せず書けてます」と言われたことがあります。
私も高校生の時に小論文の指導を受けていて同じような感想をもっていたので、
その気持ちはよくわかります。
いまの勉強は大学に行ってからもきっと役に立つものです。
本番までに教えられることは出し惜しみなく全て教えます、ついてきてくださいね!
中島