Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

街で

2011年05月11日 | 台湾
 1980年代、インドネシアには華人が山のようにいたはずなのに、漢字で書かれた看板が一枚もないのが不思議だった。後になって、「漢字」の公的な使用が禁止されていたことを知った。すべては共産党とのつながりを絶つための手段だった。
今のインドネシアに漢字は珍しくない。それまで自らのアイデンティティを表出できなかった華人はスハルト政権以降の改革の中で、自文化を表現することが許された。インドネシア語には不自由しないのだが、それでも不思議とバリの街中で漢字を見ると安心する。
 当たり前だが、台湾は漢字文化圏である。しかも漢字は中国大陸の極限まで省略した簡体字と違って、日本の旧字体の漢字が用いられる。私自身は戦後世代であるにせよ。そんな文字を見ると、ある種の懐かしさすら感じるものだ。だからなのだろうか、不思議と外国に来たという実感がいつまでたってもわかないのは……。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。