Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

のらくろ

2010年08月14日 | 
 「今どきの若者」なんて言い方をすると自分がいかにも「おやじ」の感があるのだが、その「若者」たちは「のらくろ」という漫画をを知っているだろうか?少なくても私の教えた学生たちで「のらくろ」を知っている学生は数えるほどしかいなかった。当然である。「のらくろ」は昭和6年から16年までの10年間『少年倶楽部』に連載された漫画なのだから。
 私は子どもの頃からこの「のらくろ」が好きだった。父の実家には、戦後復刻された『のらくろ全集』があり、正月、お盆と世田谷の父の実家に行き、自分の祖父母とのあいさつもそこそこにこの全集を読みふけった。行くたびに読んだので、いったい何回読んだかわからない。そのせいか、今も話の大半を記憶してしまっている。
 実は、私の父が10年くらい前だろうか、その全集を古書店で買ってきて、自分の本棚に並べた。私はもう40歳に近い頃でこの全集と以前のように接することはなかったが、今度は、私の息子が同じように、私の東京の実家に戻るたびにこの『のらくろ全集』を読むようになった。彼も私と同様、数十回、『のらくろ』を読み続けているわけだ。
 実家には、この全集とは別に、講談社が少年倶楽部文庫として出版していた三冊になった『のらくろ漫画集』もある。中学2年にもなる息子は、あいもかわらず、実家に戻ると今度はこの三分冊の「のらくろ」を熟読していた。私の実家=「のらくろ」講読、という図式が彼の東京での生活様式に組み込まれてしまっているらしい。残念なことにこの三冊本には、全集にある「のらくろ探検隊」が収録されていないのだが……。

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