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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

供物

2011年05月13日 | 台湾
 台湾からの帰国日、先方の芸術大学のコーディネーターは、仕事ずくめの私たちに気を使ってか、空港への帰途、台北市内の観光スポットの一つ、行天宮とよばれる関帝廟へ案内してくれた。
 観光スポットとはいえ、ここは現地の人々の信仰の場。土曜日のせいか、多くの人々が廟を訪れて賑わっている。なんとなく信仰の場を異教徒の私が、興味本位で覗くことに抵抗を感じてしまう。そそくさと手を合わせてなるべく邪魔にならない場所に移動した。
 ちょうどそこに並んでいたのが供物の数々。バリで供物は見慣れているが、台湾の供物も独特である。よく見てみると、供物を置いて祈りを捧げた後、再び自分が置いた供物の場所に戻って、それを持ち帰っている。これまたバリと同じである。
 こういう光景を見てしまうと好奇心が爆発。コーディネーターに供物の種類や意味について事細かに質問してしまうが、相手も困って廟の人々に一つ一つ聞いている。廟・供物、祈りの場は、文化人類学を学んできた私にとっては、観光地ではなく、すでにフィールドワークの場になってしまうのだ。結局、撮影した写真を見てみると、廟の写真ではなく供物の写真ばかりなのであった。

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