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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

『東京人』9月号

2011年08月08日 | 
 最近出版された雑誌『東京人』9月号の特集は「フォークの季節」である。若者はこれを見て、「夏は、箸よりもフォークで食べるスパゲティが旬」なんて思ったりもするんだろうが、1960年代後半に思春期を過ごした世代の人々にはかなり刺激的な特集である。しかも表紙がいい。60年代であろう集会で小室等がギターを弾きながら絶叫している。
 今日はほとんど一日、部屋で過ごして、この雑誌の特集記事(なんと80頁近くある)を読破した。インタヴュー記事を含めてひじょうに充実した内容である。正直、私のポピュラー音楽の授業で「フォーク」について学ぶより、この雑誌を読んだ方がずっと勉強になる。
 大学で教えている芸術大学の学生たちは、フォークについてほとんど何も知らない。ほとんど死語になりかけているのかもしれない。「お父さんとお母さんがカラオケで歌う曲」という学生がいたが、まさにこの表現は「自分とは無関係な音楽」であることを意味している。
 『東京人』の購読層はたぶん大学生ではないだろう。そんな雑誌にこんなディープな特集が組まれるわけはない。しかし、ぼくはぜひ、今の若い世代にこの特集を読んでもらいたいと思う。日本ポピュラー音楽の歴史の片鱗に触れてもらいたい。そしてなぜ今のポピュラー音楽が存在しているのか考えてもらいたい。

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