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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

使われなくなったコインの行方

2009年01月07日 | バリ
 インドネシアでは500ルピア以下のコインがほとんど流通しなくなってしまった。もちろん貨幣価値がないわけではなく、単に流通していないだけなのである。たとえば、800ルピアのものを買おうと、1000ルピア札を出したとしよう。当然200ルピアがお釣りとして渡されると思いきや、コインが流通していないために結果的には飴玉をもらって終わりである。これに対して怒りをあらわにするインドネシア人を私はこれまで一人も見たことがない。にもかかわらずである。スーパーにいくと450ルピアなんて価格がつけられていたりする。これはどうみても500ルピアといっているのと同じである。値札に騙されてはいけない。
 少額コインが流通するのは、バイクの駐車料金である。たいていどこでも一回につき500ルピアなので、常にポケットに小銭を持っておかなければならない。大きい紙幣を出してもお釣りなんて持っていないからである。バイク乗りには必要なコイン、しかし流通が少なくなかなか手に入らないなんておかしいんでないかい?
 ところである楽器の調査で、カランガセム県にある工房を訪ねたとき、コインが楽器に使われているのに驚いた。通常、貨幣に手を加えたり、それ以外の用途に使っていけないものだからである。しかしこのコインは50ルピアコイン。100パーセントとは言い切れないが、このコインはもはや流通していないといっても過言ではない。流通しなくなったコインはこんなところに流用されていたわけだ。
 楽器製作者は「最近、50ルピアコインが手にはいらないから、それに似せた形を自分で作らなくてはならないんだよ」とぼやいていたが、まあ、あと数年もすれば100ルピアコインが流用されるようになるさ。100ルピアコインが死滅するのは時間の問題だもの。


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