Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

バビ・グリン

2017年08月29日 | 家・わたくしごと

  バリのご馳走の一つが豚の丸焼き料理のバビ・グリンである。街のあちこちに豚の絵の書いてある看板が掲げられているが、まさにそれがバビ・グリン屋であり、しっかりBABI GULINGと書かれている。しかしこれはインドネシアの人口の9割以上をしめるイスラムの人からすればとんでもない料理なのであるが、そこは多様性の認めている国だから、イスラムの人々がこの看板を外せ、とか豚肉食うな、なんて言わない。バリはなんと9割以上がヒンドゥー教徒であるわけだし。
 お金を払えばいつでも食べられるのだが、基本的にはハレの日の食べ物であり、儀礼やお盆では必須である。今回は、ある家族の子供のバリ暦に基づいた誕生日のハレの料理としてふるまわれたのがこのバビ・グリン。実は、ラワールというバビ・グリンの大切な一品が写っていないのは、作ってから半日以上時間が経っているからで、ラワールは新しくないと美味しくないのである。
 実はそのラワール。私は正直得意とはいえない。時には豚の生血が混ぜられていることもあるし、しかも一度、「大当たり」したことがあるせいもあるかもしれない。生ガキに当たった人がトラウマになり、カキが食べられなくなったあの状態か?それにしてもバリの人も沖縄の人も豚をすべて食べつくす。まさに豚の命をあますところなく「いただきます」という感謝を込めているのだろう。