Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

きんぎょーや、きんぎょ

2015年01月02日 | バリ
 昭和のある時代まで、日本にも金魚屋なる物売りがいて、「きんぎょーや、きんぎょ」と美しい声を出して売り歩いていたという。今や、金魚や熱帯魚はペットショップで買う時代だ。昔の名残は、金魚すくいだろうか?縁日ですくった金魚を紐のついたビニール袋に入れて渡してくれる。涼しな浴衣、国会で話題になったうちわ、そして小さな袋の中で踊る金魚、夏の風物詩だ。
 デンパサールの街を歩いていたら、ちょっとした路地で金魚屋を見つける。写真からイスラムの人が商売しているのがわかる。それよりもこの金魚屋の魚に見入る子供たちの姿!買うわけでもなく一心に金魚のような熱帯魚を見つめているのだ。こんな光景、今の日本にあるだろうか?
 写真撮っていい?ときくと、皆頷いてくれる。
 「日本では金魚は売っているの?」
 ジルバッブをかぶった女性が僕に話しかけてきた。
 ぼくも微笑んでこう答えた。
 「もちろん売っているよ。今はお店で買うけど、昔は、きっとこうして売ってたと思うよ。」