Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ジャワ人の家族旅行

2011年01月08日 | バリ

 クリスマスからインドネシアの学校は、日本の冬休みと似ていて、新年の休みに入る。この時期、バリ島はジャワ島からやってくる観光客で賑わい、ドメスティック中心のホテルの値段は、特別価格になり、道路はバリ以外のプレートの車で渋滞する。

 私の宿泊している国内のビジネスや観光客中心のホテルの値段も二割程度値段があがっている。人が来るとホテルが一杯になって儲かるのだから、値段を安くしたっていいのに、と思うのは素人考えで、商売というのは、たくさん利用する時期に値段を上げ、人が少ないときに下げる。日本のホテルも鉄道も同じ。

 ジャワからの家族ずれの観光客は、車でやってくる。もちろん往復とも飛行機を使う家族もいるが、やはり車の方が確実に安いからだろう。だいたい45人家族が飛行機で来られるようなら、もっと大きな国際的なホテルにだって泊まれるだろう。この車での旅行、お父さんが運転する家族が多いのだが、たいてい「運転手」がついてくる。そして、時には、運転手はホテルでなく車で寝て、朝早く家族が起きる前に車の掃除をする。なんだかちょっとかわいそうな気がするが、それが仕事なのだろう。家族によっては、運転手が最後、家族を空港に送り、家族だけが飛行機でジャワに戻り、運転手だけが一人寂しくジャワに帰るなんてこともあるそうだ。でも運転手にとっては「寂しい」のではなく、ちょっと間、雇用主から解放され、羽を伸ばしてマイペースで帰るかもしれないが。(12月29日に記す)


サッカーにおけるインドネシアの声援のリズム

2011年01月08日 | バリ

  日本のナショナルチームのサッカーの声援の一つに、「ニッポン・チャチャチャ」がある。リズムは二拍子で、ニッポンの部分が、1拍目、チャチャチャは16分音符の手拍子で、最後に16分休符が入る。

  インドネシアにもこの手の声援がある。インドネシアの場合は、1フレーズが日本の2倍で4拍子になっている。まず、国名を叫ぶ。このリズムは、インドとネシアがそれぞれ1拍。手拍子は、すべて16分音符で、チャチャ・チャチャ・チャ・となっていて(・は16分休符)、合わせて四拍子である。でも西洋音楽とは、五線譜がないとなんて説明しにくいのだろう……。

  さあ、皆さん、日本の応援を2回とインドネシアの応援1回を交互にやってみましょう。(こんなソルフェージュの問題があったら面白いと思う)(12月29日に記す)


20キロ

2011年01月08日 | バリ

 「20キロ以上はだめです」といわれてピンとくるのは、エコノミークラスに乗る海外旅行経験者である。JLならば、一応、私はお得意様なのでエコノミークラスでも30キロまでは大丈夫なのだが、チャイナエアーラインでは厳しく20キロなので、帰国が近くなると荷物のことを考えなくてはならない。

特に重いのは本である。今回は10日間の滞在なので本はたくさん買うまい、と思いきや結局、厚さ10センチはありそうなワヤンの事典だとか、文化関係の新刊書をごっそり買い込んでしまった。

  そうなると重要なのは、手荷物とのバランスだ。ただ、やたらと手荷物が大きくて重いのも問題である。帰国日の最後の1時間はこのバランスで頭を悩ます。でも、まだ買っていないお土産もあるし……。ビジネスクラスだとこんなこと悩まなくていいのだけど。(12月29日に記す)


ドメスティック・ホテルの諸特徴

2011年01月08日 | バリ

 日本で購入するバリの観光ガイドに掲載されているホテルは、基本的にインターナショナルなホテルである。もちろんインドネシアの国内の人も宿泊するが、外国人も宿泊する。ホテルによっては圧倒的に外国人の多い高級ホテルもたくさんある。

 ドメスティック・ホテルというのは基本的に国内のビジネスマンや観光客をメインにしたホテルで、日本の観光ガイドには掲載されないホテルが、インドネシアにはたくさんある。私が宿泊するホテルはデンパサール市内のホテルだが、基本はビジネスマン、観光シーズンはジャワからの家族連れの観光客で賑わう。ドメスティックなホテルとしては高級なレベルであろう。

 昨晩、外国人に紹介されるホテルや民宿とドメスティックなホテルの違いは何だろうと考えてみた。いくつかの項目で分けてみた。

・朝食にフルーツジュース、あるいはフルーツ・サラダがない。

 外国人向けのホテル、民宿の朝食は、フルーツと切ってもきれない関係にあるが、ドメスティックの多くの人々は朝から、フルーツジュースを飲み、果物を食べないのである。

・インドネシア語が公用語である。

 ドメスティックなのだから、スタッフも含め、すべてインドネシア語であり、英語がしゃべれるスタッフは基本的にいなくても問題ない。宿泊するなら、インドネシア語を話さなければならないのである。

・水シャワーのみ、インドネシア式のトイレの部屋がある

 水シャワーの部屋は外国人向けの民宿にもあるが、たいていトイレは洋式である。しかしドメスティックなホテルには、インドネシア式(いわゆる和式)トイレの部屋がある。

・一部屋に何人寝ても文句を言わない

 一人の部屋に寝袋や毛布を持ち込み、3人寝ても文句をいわれないのが、ドメスティック・ホテルである。一人用というのは、ベットが一人用で枕が一つなのであって、床に何人寝ようが「それはどうぞご自由に」ということなのである。

 

 まだまだあるのだろうが、基本的に上記の項目にすべて当てはまれば、ドメスティックなホテルである。一つでも当てはまらないものがあれば、ちょっとインターナショナルな臭いのするホテルかもしれない。ちなみに今、私の宿泊しているホテルは完全にこの項目に当てはまっている。(12月27日に記す)


発熱

2011年01月08日 | バリ

 最近、バリに来ると一度は発熱する。日本ではほとんど熱なんで出さないのだが、やはりこちらでは日本以上に無理をしたり、バイクの移動で体が冷えたり、雨にあたったりするなど、日本とは異なる状況から体が驚いてしまうのだろう。

 昨日、デンパサールから車で3時間程度のバリ北部山村で悪寒を感じて発熱。しかしやるべきことがあるので、とりあえず持ち合わせている解熱剤を飲んで、なんとか体を騙しながら仕事を終えて、車でデンパサールに向かう。しかし帰りの車が結構きつい。急激に熱が上がったせいか、体の節々が痛くて同じ姿勢を維持するのがたいへん。

 ホテルに戻って、コンビニで売っているPanadolという風邪薬の錠剤と、日本から持ってきた解熱剤を飲んで、就寝。インドネシアで熱が出たら、最近はインドネシアの薬を飲むことにしているのである。インドネシアの風邪には、インドネシアの薬が効くような気がする(科学的な根拠なし)。たぶんそのせいで、翌日の朝には熱が下がった。それにしても、暑いインドネシアにもかかわらず、持っている長袖の服を数枚着て、毛布にくるまるのはごめんである。(12月29日に記す)

クリスマス・ツリー

2011年01月08日 | バリ

 ショッピングセンターに「雪が降る(本当に電動で白い粉が舞うのです)クリスマスツリー」を見つけた。これは販売用のディスプレーで、購入することもできる。でかいクリスマスツリーだな、なんて思いながらも、雪を知らない大半のバリ人々にとって、白い粉がどんな風にうつるのかちょっぴり興味がある。

 そんなことを思いながらツリーを見ていると、いかにも金持ちらしい二人の女性が店員に私が見ているツリーを指して「これ買いたいんだけど」と話かけた。「へえ、買う人いるんだなあ」と一人で感心。しかしこの先が面白かった。

店員「こちらにセットが入っています。」と大きな箱を指差した。当たり前だが、クリスマスツリーというのは「季節物」なので、時期が終われば箱に入れて一年、寝かせるのである。まさか一年中クリスマスツリーを飾る家はあるまい。ところが、二人連れの女性はこう言ったのだ。

女性「箱のものじゃなくて、これが欲しいのよ。この木になって雪が降っているこれ」

店員「でも、これは展示用だし、同じものが箱に入っているんです。」

女性「じゃあ、あなた。私にこのクリスマスツリーを作れっていうの?」

店員「作るんじゃなくて、組み立てるんです。すぐできるんですよ。」

女性「それがやりたくないから、これが欲しいって言っているんじゃない? 売れないの?」

困り果てた店員が何というか興味津々で、もうぼくの耳は巨大なダンボの耳と化している。

しばらく考え込んでいた店員は多少焼けになって、非論理的であるが、こう言ったのだった。

「もしお買いになるのであれば、箱のものを買ってください。片づけるためには、組み立てる必要があるのです。とにかくこれは店のディスプレイです。お客さんにはお売りできません。」

えらい!サンタの帽子を被ったお嬢さん、よく言った!その後、この店員と客の会話がどのように展開したのかはわからない。客は怒り、店長にこのことを伝えて店員を首にするように進言したか、あるいはあきらめて箱に入ったクリスマスツリーを買ったのか。意気地なしの僕は、なんだか会話の続きが怖くなって、この場を離れてしまったのだもの。(12月23日に記す)


まとまりのある演奏グループとは

2011年01月08日 | バリ

 久しぶりにすごい演奏を聴いた。ちょっと気恥ずかしい言葉だが、「感動」「感嘆」「感激」の「ベタな3K表現」がぴったりである。カランガッセム県の県庁所在地の街中でひっそり演奏を続けるグループなのだが、とにかく皆、演奏が大好きで、毎週金曜日の夜、バリ各地で働く人たちが故郷に一時戻って演奏を楽しむのだ。

 練習前からトゥワッ(酒)を飲んでいるので、演奏をするおじさんの何人かはすでに「ベロベロ」な状態なのだが、そういう人たちの演奏はまたすごい。そしてそんなおじさんたちに、アルコールが入っていない素のおじさん達が引っ張られていく。もうノリノリなのである。

 休憩中のいわゆる「馬鹿っぽい」会話と絶えない笑いもグループの人間関係の緊密さを物語る。本番がいつあるかわからないし、もしかしたら一年間ないかももしれないが、それでもおじさん達は一週間に一度、儀礼がない限りここに集まり、演奏する。聞いていて、見ていて楽しくなる演奏。演奏は理屈じゃないんだよ。どこを早くするとか、どこを強くするとか、そんな理屈ではなくて、ノリノリのおじさん達が体で、演奏で、グループを引っ張っていくすごさ。格好がいいっていうのは、こういうことなのよね。ガムランはオーケストラの指揮者が、指揮台の上から「指導」するのとは、基本的に違うんです。あーあ、こんな素敵なおじさんに僕はなれるかしら。

(ちなみに感動が尾を引きすぎて興奮したせいで眠れず、1時過ぎに眠りについて、5時には目が覚めてしまったのだった。)(12月27日に記す)

お気に入りモニュメント

2011年01月08日 | バリ

 たぶんできたばかりのモニュメントだと思います。実にリアルで大きなワヤンのカヨナンを三枚重ねたモニュメント。一番下にDenpasarの文字が入っているので、バドゥン県からデンパサール区に入った境界に建てられたものだと思います。

 いったいこの材質は何でできているのかひじょうに気になります。外見上は、牛の皮で作られたワヤンとなんら変わりがないからです。スンドラタリ(フラグメン)とよばれる舞踊劇で使われる紙でできたカヨナンというのはよく見るのですが、それとは見た目にも材質的に違ってみえます。

 触りたい衝動にかられるのですが、交通用の多いバイパスの真ん中に立っているため近寄ることは不可能です。それにしてもよくできていると感心する次第です。でも観光客はこれが何だがわからないでしょうね。(12月25日に記す)


1枚の雑誌の記事から

2011年01月08日 | バリ

 ぼくはいつも本や雑誌をたくさん買って帰る。インドネシアでは読む時間がないので、日本に戻ると時間をみつけてはそんな資料を見て、興味があるところにポストイットを貼ってメモをする。そんな資料の一つの中に、自分の興味のある楽器の記事を見つけた。夏にインドネシアに来た時買ったタブロイド紙の一頁であるが、こんなマイナーな楽器の記事を書く人がいること自体に感心してしまう。たぶんその地域の出身の記者が投稿で、郷土愛に満ち溢れているんだろうと思う。

 私は、そのコピー一枚を持って、書かれた場所を訪れた。といっても地域名だけで他には何もわからない。「悩むより行ってみる」が私のモットーである。だいたい研究している人がいないのだし、資料は「ない」のだから、自分の足で行くしかない。

 しかし、世の中、まだまだ捨てたもんじゃない。次から次に歩いて人々に聞いてまわるのだが、最初は「知らない」「聞いたことがない」から始まり、「そんなのあったな」にかわり、「演奏する人を知っている」、「上手な人の家はあそこだ」、「リーダーに電話をしてやろう」となり、最後はリーダーの家へ辿り着くのである。だいたい昨日は、最初に訪ねてから3時間かかって、最終地点に辿り着いたのだった。

 この地域、待っている間にトゥアという酒を勧めてくるのである。だいたい皆、午後仕事から戻ると、サテをつまみに酒を飲むことが多い。最後は明るいうちから宴会状態だったメンバーの家で1時間以上話をしながら待たされたのだが、飲まないわけにはいかず、コップ数杯の酒を飲まされたのだった。そのおかげかどうかはわからないが、本日も、アンサンブルの練習があり、このおじさんたちと飲むことになって夜にこの集落を訪れる。ぼくはそれほど酒好きではないが、酒が飲めて、音楽好きな人は歓迎されるようである。一枚の記事からあっという間に人の輪が人がる面白さ。(12月25日に記す)