Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

久しぶりの特急列車

2009年03月16日 | 
 小松空港から那覇空港行きの便が満席でとれなかったために仕方なく金沢から大阪まで電車で移動することにした。どこに行くのにも空港から空港へ移動している私は、このところ時間をかけて電車で移動するのがおっくうになっていることに気づく。だいたい金沢から大阪までの2時間半あったら、小松空港から那覇空港に到着してしまうではないか。
 先週、東京に行ったときそんな話を父にすると「たまには空ばかりではなく、車窓をゆっくり眺めるのもいいじゃないか」と笑われた。確かにそうである。車窓をのんびり眺めるなんてこと自体、ほとんど私の頭の中にはなくなっている。飛行機の中では寝ているか、仕事をしているかどちらだし、飛行機の窓も電車の窓も今の私には存在していないようだ。
 不思議と父の言葉を聞いてから、電車に乗るのが楽しみになってきた。子どものころにもどったようだ。あの頃はいつも乗る西武線や中央線以外の電車に乗って、見知らぬ車窓の風景を眺めることがすでに「旅」だった。そして始終出張で家を空ける父を羨ましくも思ったものだった。
 車窓から山頂に雪をかぶった山脈が連なっている。この水田のずっと向こうには日本海が広がっているんだと考えるだけでワクワクする。オレンジ色の花粉をいっぱいにためこんだ杉山に列車が入るとなんだかそれだけで鼻がムズムズした。そんな風景を見ながら、青春18きっぷで息子と日本を旅してみたいなあ、なんてはかない夢を描いてしまう。時間は自分で作らないとできないとわかっているのだけれど・・・。