IC9700にリニアアンプを接続してスプリアスを測定してみました。IC9700の出力設定を5%にするとTAJFUN(リニアアンプ)の読みが202Wになりました。この時、Bird43の読みもほぼ200Wでした。この時の30MHzから530MHzのスプリアスと400MHzから3GHzのスプリアスを示します。
法令の基準を超えるスプリアスが低域側に2つ、高域側に4つ存在します。リニアアンプの電源をOFFにして、20dBアッテネータを取り外して測定した時の画像を以下に示します。
リニアアンプをOFFにした時でも、法令の基準を超えるスプリアスが低域側に2つと高域側に2つあることが分かります。
これらの測定結果から、リニアアンプを接続することによって生じているのは、1.3GHzの第3次高調波だけであるということがわかりました。リニアアンプの仕様書にスプリアス発射強度は-70dBc以下と記載されていますので、少し残念です。
スプリアスが何に起因するのか、送信周波数を1MHzつづ変化させて、その時に生じるスプリアスの周波数がどのように変化するのかを調べてみました。
その結果、453.75MHzのスプリアスは周波数が変化せず、211.25MHzのスプリアスはヘテロダイン、165MHzのスプリアスは逆ヘテロダインの関係にあることが分かりました。
IC9700の送信機系統図を見ると、ダイレクトサンプリング方式と謳われているいるだけあって、ミキサーのようなものは見当たりませんでした。なので、これらのスプリアスがどのような原因で生じているのか不明です。いずれにしても、50W以下のアマチュア局としては法令を満たしているので、問題はありません。それを500W設備のエキサイターとして使用しようとするから問題なのです。
エキサイターとリニアアンプの間に問題の周波数ごとにノッチフィルターを設置し、リニアアンプの後段にローパスフィルターを設置してスプリアスを除去するという方法で問題解決していきたいと思います。いつになったら落成検査が受けられるでしょうか?(;´д`)トホホです。