リチャード・レッドグレイヴ作「可哀想な先生」
ここでいう先生とはカヴァネス、つまり没落した家の元・淑女が生きるために身を落とす住込みの家庭教師のコト。実家の破産等の運命の悪戯で生活が激変してしまった彼女達。彼女達は淑女ではないし、まただからと言って中流階級の女でもありません。
そんな彼女達を西洋文化史家の中野京子氏は、鳥でもないケモノでもない、まるでコウモリだと形容しました。
さて、そんなどっちつかずのカヴァネスの話をしましたらこちらのお店を紹介いたしましょう。
極味や
コロナウイルス騒ぎで閑散とした渋谷のパルコで唯一行列を成しているこちらのお店。福岡から出店してきたお店のコトです。
並んでいる間にメニューを渡され、注文を聞かれます。やはりここはこちらの看板メニューでいきましょうか。
こちらを付けて注文いたします。
30分程並んで席に通されます。全席カウンターで鉄板焼屋仕様です。
お料理がくるまで席に置かれた「楽しい食べ方」でお勉強します。
まず出てきたのはこちらの6種類のタレ。色々試せて良いけど、そんな大きさあるのかしらん。
などとぼんやり思っていましたらサラダが登場。
続いてオニオンスープときまして、お待ちかね
極味やハンバーグステーキ(160g)
料理人の方がその場でタネを丸めて鉄板の上で焼いてくれます。
ある程度焼いたら裏返してくださいまして
はい、出来上がり!ってまだまだ中は真っ赤っか。しかし、こんなん食えるか!と短気を起こしてはなりません。
そう、ここからは鉄箸を使って好みの大きさに千切り
鉄板でチビリチビリ焼いていくスタイル
結構衝撃的というか、画期的というか、せせこましいというか、面倒臭いうか、なこのシステム。取り敢えずソレっぽく焼いていただいてみますと
ハンバーグじゃないし、焼肉じゃないし、ステーキじゃないし、何なのさ!!?★★★★☆
これでもかってくらい粗々に挽かれた牛肉はミンチというより、小さなお肉の群体。
お口に入れるとお肉達はばらけてハンバーグ?というよりもステーキ?焼肉?を食べている感覚になります。何とも不思議な感覚ですがお味は上々。スパイスなど悪凝りせずに素直にお肉自体の旨さを出してきます。
さぁ、慣れてくればこっちのもの。量産体制に入ります。
確かに色々な焼き加減に調節できるのは楽しいかも♪と簡単に術中です。
ご飯に乗せて食べるのもよし
塩でいただくのもよし
ポン酢でいただくのもよし
山葵でいただくのもよしです。
最後はソフトクリームで終わり。ひっさしぶりに食べましたがたまには甘いもんもいいもんです。
なるほど、お味もさるコトながら、自分で焼けるというスタイルも人気の理由なんでしょうな。気になる方はハンバーグを食べに行くとは思わずに、肉料理を食べに行くくらいのアローワンスを持って行かれるのがいいと思われます。
ちなみに、カヴァネスを辞めてパリに出て単身猛勉強して二度のノーベル賞に輝いたのは
マリー・キュリー
その人。カヴァネスとしては唯一無二の大出世。
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