タイのエイズ対策に油断？

気になるニュースが目に入りました。

先月にスリランカで開催されたアジア太平洋国際エイズ会議で「タイでは主婦のHIV感染が
増加しており緊急に対策を講ずる必要がある」と警告されたそうです。
えっ！　ホントかよ、って感じです。

タイでは、年間18,000人の新規感染者のうち約40％が既婚女性が占めているそうで、要因は
買春などで感染した夫に移されるケースが多いと聞きます。まぁ～　これもタイらしいと言えば
タイらしいのですが・・・女性側からしたら、堪ったものではありません。夫婦で一生を悔やむ
ことになるでしょう。

タイでは最初の感染者が確認されてから1991年に14万人と急拡大しましたが、国を上げての
エイズ対策が展開され、2003年にはコンドーム使用の徹底した普及活動などによって、2.1万人
へと減少させた実績があり、世界保健機構でも高い評価を貰った経緯があります。

世界エイズデー（12月1日）のキャンペーンでは恥ずかしいぐらいに、コンドームをフルに活用します。

昨年の世界エイズデーでは、ルンピニ公園で「コンドーム・チェーン」の世界最長記録に挑戦する
イベントが行なわれ、2万3千個のコンドームをつなぎ合わせたり、その年のミス・タイランドや
前ミス・ユニバースがコンドームを配ったりと・・・しかし そのつなぎ合わせた「ダラー」とした、
使用済みのようなコンドームを、ミス・タイランドが手に持って、ニコニコしている光景は・・ ・・
異様です。なんと、つなぎ合わせたコンドームの全長は2736ｍに達し、近く正式にギネス記録に
認定されるそうですよ。ギネス記録って、何でも有りですね。

でも こうした大胆な対策が効果をあげ、HIV感染が流行した先進国として、感染者の増加を全体的
には押さえているタイ国なのにどうしたのでしょう？世界的な高い評価に慢心したのでしょうか？

或いは、エイズが新薬の開発などで必ずしも死に至る病気では無くなったことから、警戒心が薄れて
しまったのでしょうか？タイに係わる者としては非常に心配です。

しかし日本も他人事ではありません。日本ではタイより感染者が少ないとは言え、2006年1月までの
日本のエイズ患者数は3,623人、HIV感染者数は7,338人で、新規患者数、感染者数ともここ5年で
倍増しており、増加傾向にあるのは先進国では日本だけだそうです。しかも感染するのは若年層が多い
ようですので、効果的な対策が急務です！　これって、たいへんなことですよね。日本政府、マスコミは
もっと真剣に大きく問題にしないといけないと思います。とんでもないことになりますよね。

因みに、エイズ(AIDS)とは=後天性免疫不全症候群の英語読みの頭文字をとった病気の名前で、エイズ
患者とは病気を発症している人のことです。HIVとは=エイズウィルスのことで、HIV感染者とは、
ウィルスには感染しているが、まだ病気を発症していない人のことを言います。

日本もタイ政府のコンドーム施策を研究してはどうでしょうかね。
この問題はタイ政府から多いに学習できそうです。


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