絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

営業時間:14時~20時
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電話/FAX:03-5378-2204

あれこれ①

2020-08-15 | ●思うこと


お店って自分がやめようと思わない限りなんとなく続いていくものだと思っていたけど
2011年の地震のとき、そんな意志なんて関係なく突然終わりがやってくることもあるということを知った。
あのとき、この感覚はずーっと忘れないでおこうって思ったはずなのに、
あれから9年が経ち、いつの間にか忘れて過ごしてしまってました。

なんで忘れちゃうんだろう。
忘れた方がいいこともいっぱいあるけど、よりによって、なんでこんな大事なことを忘れちゃうんだろう。
そもそも「忘れる」ってすごく厄介で忘れたことに気付かない。
気付くことができてたら、忘れてないし。

考えられるのはたぶん、日々、目の前にやらなければならないことがいっぱいあると思い込んでいて
いつのまにかそれに手一杯になっていたり、世の中を見渡してみても、
刺激的な言葉や出来事が溢れていて それに一喜一憂したりして、
目の前にある今という刺激や生々しさに、引っ張られてしまうからだと思う。
今に対して反射的な対応や反応をしているあいだにも、大量の今、今、今が押し寄せてきて
過去になっていく今は、今の今よりも刺激が弱く感じてしまって、
大事なことまでどんどん忘れてしまうんだと思う。
そして気付いたときには、手遅れになってることだってあるかもしれない。
今を見て今を作り過ぎてしまう。

お店だってそう。
新商品、新入荷、新作、新しい展示、珍しいもの、見たことないもの、
そういう鮮度に頼ってやってきたところがある。
もちろん、これらにはいいことだっていっぱいあるし、
やってきて本当によかったと思っているし、気が向いたらそのうちまたやりたいとも思っている。
けれど、今のうちの店には、自分が鮮度を感じなくても
それでもどうしようもなく惹かれてしまうものたちが必要で
できるだけそういうものたちに目を向けていたい。
きっと、時間は思っているより動いていなくて、でも止まっているわけでもなく
速度っていうものがないというかなんというか、ぼんやりととどまっているだけのような気がする。

もうちょっとだけ突っ込んで考えるてみると
「忘れる」というのは自分の性質の問題であると同時に、
外的要因(仕組みや環境や状況など)の問題でもあると思う。
自分の場合、きっとこれも大きい原因のはず。
自分で決めたルールや仕組みが、忘れちゃう装置になってしまっている。
これを解除しないと、たぶんまた忘れそうな気がするので
これまでの営業のやり方を全て見直して試行錯誤している真っ最中です。

4カ月ぶりの営業は、なかなかしっくりきていて調子がいい。
8/18(火)までの期間限定営業ですが、もしよかったら。