脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

花は散るから美しい。

2014年10月13日 20時09分18秒 | 近況
庭でキンモクセイが香りを放ち始めた。秋を感じる瞬間だ。
そんな頃になると、決まって雨が降り、花弁が散ってしまう。
散るからこそ、花は美しく芳しく、またそう記憶に残るものなのか。

先週父が、白内障の手術で二泊三日の入院をした。今回は右眼の手術で
下旬にまた入院して左眼を手術する。白内障の手術は、レーザーで眼の
白濁を砕いて除去し、人工レンズを装着するというものである。入院手
術費用は、両眼で6万円弱である。

まだ右眼しか終えていないが、父は、TVがとても綺麗に観えるという。
鏡に映る自分の顔は、こんなに汚いヒゲ面だったのかとも言っていた。
眼のことは良いのだが、最近父はどうもボケ始めてきているようだ。

眼の手術は二泊三日の入院が2回だよと説明するのだが、どうも首を傾
げて判らなそうにする。最初右眼を手術して退院し、二週間置いてから
左眼をやるために再度二泊三日の入院をすると説明しているのに、イン
ターバルの二週間の間も、引き続き入院しているという思い込みが強い
らしく、日を替えて5,6回説明し、ようやく腑に落ちたようである。


右眼を手術して退院した翌日の土曜日、朝から父の姿が見えない。
どうも自転車で何処かへ出掛けた様子である。病院に行く時に持ってい
く手提げバッグがないので、どうも何処かの病院へ行ったらしい。

父は10時半頃自宅に帰ってきた。間違えた、間違えたとボヤいている。
何処に行ってたの? J大病院の眼科だという。昨日そこを退院したば
かりなのに、何の用? 先生に書類を出しに行ったという。書類とは次
回の左眼手術の同意書らしい。

来週の火曜日、眼科へ術後の診察に行くことになっており、同意書なら
そのときに手渡せば良いだろうに、どうしてか病院に行ってしまった。
眼科でも何用で来たのかと笑われて、でもせっかく来たのだからと医師
は、火曜日予定の診察を先にしてくれて、術後の右眼用目薬の追加と、
左眼に差す術前の目薬を処方してくれたようである。

父の眼は、加齢黄斑変性症もあるせいか、術後に差す目薬は4種類あり、
3種類は一日4回(朝・昼・夕・寝る前)、一種類は寝る前に一回差すの
だが、これの用法を何度も私に訊いてくる。同じ説明を何度したことか。
どうも短期記憶力ではなく、物事の理解能力そのものが低下しているか
にも見える。

母は精神病で入院中だが、父の方は認知症になり始めているのだろうか。
或いはこの症状は、眼を手術したことによる一過性のものなのだろうか?
父は既に心臓病と前立腺ガンの加療・治療中であるが、どうやら眼の次
は、脳を診て貰う必要がありそうだ。

花は散るから美しいのだ。人間は長寿になってから、散らずに枯れるよ
うに、美しくもない時間を生きることが長くなった訳だ。そんな老いに
付き合い、もう花も咲かない枯木に水を遣りお世話することが、次世代
の務めとなる。そんな負担を他に強いるのなら、自分ひとり短く老いて、
いくらかでも花のうちに、ひとり静か世間の遠くでハラリと散りたいも
のである。

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