脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

口唇期老人。

2017年08月27日 14時01分29秒 | 精神障害
夏の甲子園大会が終わり、8月もあと数日となると、毎年夏の終わりを
予感する。今夏の東京は、雨が長々と降り続いたので、猛暑日が少なく
少しは過ごし易かったが、洗濯物が乾かなかった。主婦のようなことを言
ってるが、家事と介護をしてると、自然そんな感想が口をつく。

食事や下の世話、投薬管理の介護なら、ルーティンを作り易いが、徘徊し
たり騒いだりする手の掛かるタイプの老人介護は、介護者に予期しない負
担とストレスが多い。私の母親は認知症というよりは、重度の精神病者な
ので、時折自殺企図や訳の分からないカラ騒ぎをするので、くたびれる。

今週医師からセファドールという薬を処方され、これはめまいの薬らしい
が脳の血流改善薬の一種で、何だか効いている気がする。態度が少し落ち
着いて大人しくなった。が、やや脚にふらつきが出るようだ。母は何かと
いうと、口の中(上唇の裏側当たり)を大袈裟に痛がり大声で騒ぎだす。

そんなときどうするかと言うと、歯槽膿漏の塗り薬を指に取って、歯茎に
塗りつけマッサージしてやるのである。もしかしたら、そうして貰うこと
が快感なんではなかろうか。フロイド的に言えば、リビドー(性エネルギ
ー)が口唇期に退行しているのだ。私が母の口に指を入れる行為は、疑似
性行為なのかもしれないと思うと、すこぶる気色悪いが。

口唇期に退行した年寄りをどう治すか、なんて誰も分からないだろう。年
を取るということは、幼児返りをすることをも含むのかしれない。還暦と
いう言葉があるが、年を取ると誰もが、人生の暦は過去に戻るものだとい
う意味だろうか、よくは知らぬが、脳の働きが老化で著しく鈍ると、大昔
のまどろみの時間へ還って行くのかもしれない。


曇った夏空の日曜日である。季節の移ろい。
 セミの声。
  コップの水滴。 
    扇風機。 
     ピアノ音楽。
      今日の、時計の、針の音の中で、
          スヤスヤ眠る老いたる母‥。

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