
「金正男(キム・ジョンナム)は酒に強い方ではないが、最近はしばしば深酒をし、爆弾酒(ウイスキーのビール割り)は10杯ぐらい平気で飲む。以前は爆弾酒が飲めなかったのに、神経に何か異変が生じたかのようだ。政治、理念、南北問題に関する話は絶対にしないが、酒に酔うとひとしきり身の上話をする。“北朝鮮の39号室(金正日(キム・ジョンイル)総書記の秘密資金の調達、管理組織)で自分の側近だった人たちが皆粛清されたり自分のもとを離れたので寂しい、とよく嘆いている」(マカオのある消息筋)
北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男(キム・ジョンナム)(36)が、マカオで家族と共に10年余りにわたって隠とん生活を送っていることが判明した。マカオで正男氏に会ったという、現地の複数の人々は「金正男は偽名を使ってドミニカ共和国とポルトガルのパスポートを作り、毎年少なくとも7、8回マカオに出入りし、ここを拠点として北京、バンコク、ウィーン、モスクワなどへ行き来している」と証言している。
正男氏は2番目の妻のチャン・ギルソンさん(33)と長男(12)とともに、10年ほど前からマカオのコロアネ島にある高級別荘地「竹湾豪園」に住んでいた。ここはマカオの中心地から車で15分ほどの所で、3階建ての高級別荘が80軒ほど軒を連ねている。南シナ海に面した風光明媚な景観を誇り、またプールや太陽光採光システム、衛星放送受信アンテナなどを備えており、マカオでも指折りの富裕層の街として知られている。1軒あたりの価格は1500万香港ドル(約2億3200万円)を超える。正男氏の一家は、窓にヒマワリの花をかたどったマークがついている「361号」と、通路でつながっている「371号」の 2軒の建物に住んでいる。3階建ての建物の1階は車庫で、2、3階が住居スペースになっている。各階の広さは約50坪で、建坪は100坪を超える。
匿名を条件に取材に応じたある消息筋は「チャン・ギルソン夫人は北朝鮮の“喜び組”出身の美人で、長男は近くのインターナショナルスクールの小学部6年生に在学中だ」と話した。また、別荘の警備員のリャン某さん(55)は「361号と371号はほとんど一日中カーテンが閉まっている上、近所の人たちとの交流も全くない」という。記者が数回にわたってインターホンを鳴らしたが、全く応答はなかった。だが、彼をよく知る現地の人たちは、この日彼はマカオにとどまり、知人らと連絡を取っていたと証言した。
正男氏はまた、マカオの中心地である雅廉房の大通り沿いにある、「芬香閣」という16階建てのマンションにも生活の拠点を置いている。現地の消息筋らは「ここには金正日のプライベート・ガード3人がいることが多く、金正男がナイトクラブやカジノ、バーなどで夜遊びした後、コロアネ島の自宅に帰らずここで寝泊まりすることがたびたびある」と証言した。ある韓国料理店のオーナーは「車はたいがい家族が乗っていて、金正男は主にタクシーやバスで移動している。昨年の中盤まではシャツにGパンや短パンなどの軽装で、韓国料理店や日本料理店によく行って、焼酎を飲んでいた」と話した。
夜には主にリスボアホテル、マンダリン・オリエンタルホテル、ゴールデン・ドラゴンホテルなどが林立するマカオ半島一帯で過ごしているという。このエリアはマカオを代表する歓楽街だ。匿名を条件に取材に応じたある消息筋は「彼はマンダリンホテルなどでブランド品を買い漁ったり、ホテルのナイトクラブやスナックで酒を飲んで、寂しさを紛らわせている。カジノにも時々行くが、香港ドルで数千ドルしか賭けず、あまり興味はないようだ」と話した。
また、ある知人は「金正男は“中国にいるよりも、身元が分かりにくいマカオにいる方がずっと気が楽だ。マカオがおれの新しい家だ”と言っている」とも話した。
朝鮮日報
北朝鮮の国民の多くは飢えて痩せ細っているというのに、
金の子豚はよく肥えて食えば美味そうだ。