
巨人の清武英利球団代表は「苦しい決断を迫られた。本人に電話で伝えたら“今後もぜひ野球を続けたい”と言っていた。工藤投手の貢献には深く感謝する」と話した。巨人の原辰徳監督は「FA制度のルールの中で、このようになったことは誠に残念」と球団を通じて談話を発表した。
通算215勝の左腕を獲得することになった横浜は、佐々木邦明球団社長が「優勝経験が豊富で、工藤選手の加入はチームにとって無形の財産になると判断した」と、輝かしい実績が獲得の理由になった点を強調した。
工藤は現在、米アリゾナ州で自主トレ中で今月中旬に帰国の予定。
(Sankei-Web)
原監督のコメント通り、「FA制度のルールの中で、このようになったことは誠に残念」ということである。FAでダイエーから当時の長嶋監督の熱意で巨人を選んだ工藤にとって、そのFA制度で巨人入りした門倉の補償選手として横浜に移籍しなければならないことは誠に皮肉なことだ。
おそらく、巨人のコーチが約束されての巨人入りであっただろうに。落合もそうであったがこの世界は「一寸先は闇」なのである。FA制度自体悪いことではないと思うが、果たして日本人の気質にあった制度であるかどうかを再考する時期が来ているのではないと思う。メジャー流で割り切るのか、それとも東洋、日本の義理人情を加味した制度に変えるのか。
いづれにしても、プロ野球界はもう少し選手の意見が尊重される世界に代わらなければならないと思う。野球界が変わらなければ相撲を除いて他のプロスポーツも変わらないのである。でも何故巨人は工藤をプロテクトしていなかったのであろう。また、横浜は何でそのこと知っていたのであろう。疑問だ!


大矢監督、工藤獲得に満足
巨人の工藤を獲得した横浜の大矢監督は「現場としては計算できる投手がほしかった。チームに一番プラスになると思い、フロントにお願いした」と、希望がかない満足そうだった。
球団としても工藤の実績を考慮して、好待遇で迎え入れるつもりだ。横浜の村上チーム運営統括は、工藤へ背番号47を用意することを明かした上で「条件面でもできるだけ工藤投手の希望を尊重したい」と話した。
(2007年1月9日18時43分 スポーツ報知)