坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ヨコハマトリエンナーレ 魔法のように世界は開けるか

2011年03月30日 | 展覧会
昨晩開催された東日本巨大地震の復興支援チャリティーマッチ、サッカー日本代表とJリーグ選抜の試合は、被災地の方々への熱い思いが伝わるいい試合でした。みんながサポーター、絆という思いが震災以後ではより大きな意味をもつものとなりました。
余震が続く中、国内で最大のアートフェアである〈アートフェア東京〉も中止となり、美術界の動向もかなり影響を受けています。
〈ヨコハマトリエンナーレ2011〉の概要は固まり、今年で4回目となる国際展は、「OUR MAGIC HOUR 世界はどこまで知ることができるか?」をテーマに、世界や日常の不思議、魔法のような力、超自然現象や、伝説、アニミズムなど、これまでのアートの枠組みを広げた従来のカテゴリーにとらわれない内容の展示となりそうです。
・掲載作品は、出品作家であるクリスチャン・マークレー(1955年~、ロンドン、ニューヨーク在住)の「The Clock」(2010)。
彼は、自ら「レコード・プレーヤー」と称して、70年代後半から、ターンテーブルを使ったパフォーマンスを行ってきました。今回出品される掲載の映像作品は、1分ごとに時刻を示すシーンを古今東西の映画作品から抽出し編集した大作。
本展の作品群は、自然や地球、原初性に立ち戻った人間存在を改めて考えていく方向性に期待されます。
シガリット・ランダウ、カールステン・ニコライ、ウーゴ・ロンディノーネ、森靖、杉本博司、八木良太、横尾忠則ほか計60組ほどのアーティストが参加予定です。

◆ヨコハマトリエンナーレ2011/8月6日~11月6日/主会場 横浜美術館 日本郵船海岸通倉庫
 www.yokohamatoriennale.jp