坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

アートのある生活の楽しみ

2010年04月25日 | 展覧会
アートのある生活を楽しんで頂きたい。これは私のブログでの大事なメッセージだ。今は銀ブラと言っても超高級ブランドのビルが建ち並び、日動画廊は特別として、同時代の作家を扱う現代アート系ギャラリーは、銀座1丁目、8丁目、京橋へとその拠点を移しつつある。私が学生の頃は、東京画廊やギャラリー山口などで芸大の先生方が発表する作品を見によく出かけた。ポストもの派世代、榎倉康二、高松次郎が活躍した時代だ。芸大に前衛作家として講師に招かれた榎倉氏との出会い、その鮮明な印象は私の中にいつも残っている。私がその後も現代アート系のギャラリー巡りを続け、細々ともライターとして続けてきたのは、榎倉氏の作品のインパクト、その先生のお人柄に触れ本物のアーティストとしての姿勢を教わったことが大きい。本題に入る前の前置きが長くなったが、世代を超えて、現代アートに触れる機会をたくさん作って頂きたい。江東区の清澄には世界に発信する小山登美夫ギャラリーがあり、その倉庫を改造した巨大なキャラリー空間のビルは、複数のギャラリーが入って現代アートの一拠点になっている。
もちろん無料で観覧できるし、各ギャラリーには他のギャラリーの展示案内も置いてあるので、点が線となって、自分なりのお気に入りのアートスポットが見つけられるはず。ちなみに、府中市美術館で、7月まで長谷川繁氏の公開制作が開催されている。GWでは、5月2日、3日、8日もビビッドなライブに立ち会える。緑潤う季節の中、出掛けてみてはいかがだろうか。