坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

彫刻家・保井智貴氏との出会い

2010年04月19日 | アーティスト
伝統的仏像彫刻の技法である乾漆による女性像にレトロタッチの洋服、彩色や螺鈿などこまやかな装飾とシンプルなデザイン、琳派を思わせたり、正面性を重視する立ち姿にプリミティヴな詩情が・・・。MEGUMI OGITA GALLERYでの作品との出合いは、作家に会いたいと思わせた。インタビュー記事を申込み、Okを頂きアトリエへ。昨年の夏であった。そこは一軒家にアーティストが数人アトリエとして部屋を借りている。「物静かな好青年という感じ」これが第一印象だが、やはりどこか作品と共通する神秘的な雰囲気が。気鋭のアーティスト(30代半ばが多い)の年代より(少し)上の(世代が違うでしょう)私はすでに年上女性の目線で初対面。ほとんどシナリオを頭に描きながら聞くことが多いのだが、保井さんは話してくれるかなとちょっと不安も覗いた。でもその語り口調は丁寧で優しく本当に実直そのものだった。(こういうときジャーナリスト冥利に尽きるのだ)今年の2月には"calm"という展覧会をファッションデザイナーとサウンドデザイナーとのコラボで東京・青山のBOOK GALLERY WALLでにおいて開催した。今後の動向を見守りたいアーティストの一人だ。