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ムジカ公式ブログ MUSICA Official weblog

オーディオと音楽とすこしマニアック。 MUSICA are a new Hi-Fi brand from Japan.

小出力アンプは何ワット必要? vol.5

2019-02-23 | スピーカー

『小出力アンプは何ワット必要? vol.4』の続きです。

次の小出力アンプに関する都市伝説は

『真空管アンプの2wはトランジスターアンプの20wに相当する』です。

この都市伝説には2つの解釈が可能です。

ひとつは『2wの真空管アンプは20wのトランジスターアンプと同等の大音量再生に耐えうる』

もうひとつは『2wの真空管アンプの音の馬力は20wのトランジスターアンプにも負けない』

まずは『2wの真空管アンプは20wのトランジスターアンプと同等の大音量再生に耐えうる』かどうかを

考えてみます。

50年ほど前、LeakというメーカーがTL-12という画期的な真空管アンプを発売しました。



このアンプの出力は12wなのですが、

12W出力時の歪率は0.1%しかなく「ポイント・ワン」と呼ばれていました。

現在では0.1%の歪率は珍しくもありませんが

当時人気があった真空管2A3(PP)の10W出力時の歪率が規格表では5%だったことを考えると

超低歪アンプであったことがわかります。

当時歪率を計測した資料がありました。



これによると、12W出力時は0.1%なのでしょうが、

18w出力時でも10%程の歪率だったことがわかります。

人間の耳は瞬間的な歪や、低音の歪は感じ難いという特徴があります。

つまり人間はバスドラやベースの音が多少歪んでいたとしても

歪として認識しにくいのです。

ピアノトリオの場合、ピアノの歪はすぐバレますが、

バスドラやベースは多少の歪はバレません!

そのため、ベースがブンブン、バスドラがドンドンという音源を再生すると

定格出力以上のパワーが出るような気になるのです。

それに対して、トランジスターアンプは定格出力までは低歪ですが

定格を超えると一気に歪が増えてしまい、

さすがにバスドラやベースでも『歪んでいる』と聴こえます。

『2wの真空管アンプは20wのトランジスターアンプと同等の大音量再生に耐えうる』はオーバーですが、

『2wの真空管アンプでも5w位ならだましだまし聴けるかも!?』ということは言えると思います。

次回に続きます。






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小出力アンプは何ワット必要? vol.4

2019-02-22 | スピーカー

『小出力アンプは何ワット必要? vol.3』の続きです。

小出力アンプに関する都市伝説はいくつかあります。

『実はパワーアンプは1wもあればOK』というもそのひとつです。

前回のJBL社4344用のパワーアンプのパワーを計算したときは0.9wという結果がでました。

やっぱり本当なんだ!・・・と一瞬思いますが、

実は前回の計算時の条件に

『人の話し声くらいの音量で音楽を再生する』というのがありました。

これが『人が大声で話すくらいの音量で音楽を再生する』という条件にすると

10dB程度音量を上げなくてななりません。

10dBは3倍に相当しますので 0.9w×3=2.7w必要になります。

さらに『走行中の電車の社内くらいの音量で音楽を再生する』という条件にすると

20dB程度音量を上げなくてななりません。

20dBは10倍に相当しますので 0.9w×10=9w必要になります。

さらにさらに『カラオケ店くらいの音量で音楽を再生する』という条件にすると

30dB程度音量を上げなくてななりません。

30dBは30倍に相当しますので 0.9w×30=27w必要になります。

スピーカーを変えてJBL社A120にした場合では

A120は4344より能率が7dB低いため

27w×7dB=27w×2.2=59.4w必要になります。

『実はパワーアンプは1wもあればOK』というわけではなく

スピーカーや聴く音量によって大幅に変わるのです。

こういった条件を考慮せずに『実はパワーアンプは1wもあればOK』といって

小出力のパワーアンプを推奨する方がありますが、

低能率スピーカーを大きな音で再生すると絶対に歪みますので気を付けてください。

次回に続きます。






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小出力アンプは何ワット必要? vol.3

2019-02-21 | スピーカー

『小出力アンプは何ワット必要? vol.2』の続きです。

小出力アンプを製作するための前段階として小出力アンプの嘘・本当を検証し、

小出力アンプは本当は何ワット必要?かを考えてみたいと思います。

条件は、

(1)スピーカーとリスナーとの距離は2m

(2)人の話し声くらいの音量で音楽を再生する   



(B)大型スピーカー その1 JBL社4344

次に1980年代に流行したJBL社の4344で計算してみましょう。



JBL 4344の能率は93dB/mです。

前回同様の条件ですのでスピーカーのすぐ前の場所で発生する音圧は72dB必要です。

72dB-93dB=-21dB=1/11.2=0.09

アンプの出力は0.09w必要です。

音楽のピーク値を10倍考慮しても

0.09×10=0.9w

なんとJBL 4344は1W以下のアンプでもOKということになります!

前回計算した小型スピーカーJBL A120



は2w必要でしたので

『小型スピーカーは小出力アンプでOK、大型スピーカーは大出力アンプが必要』

という説は怪しくなってきました。

そもそも、大型スピーカーには大出力アンプが必要というのは

見た目だけのお話で、電気的な事象をまったく考慮していません。

よくよく考えれば、小さなスピーカーよりも大きなスピーカーの方が

たくさんの空気を動かすことができるのですから

音圧も高くなって当然です。

この説の背景には、

大型スピーカー=高価。大出力アンプ=高価。

高価なスピーカーには高価なアンプを組み合わせて売りましょう!という

オーディオ業界のおとなの事情が見え隠れします・・・次回に続きます。






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小出力アンプは何ワット必要? vol.2

2019-02-20 | スピーカー

『小出力アンプは何ワット必要? vol.1』の続きです。

小出力アンプを製作するための前段階として小出力アンプの嘘・本当を検証し、

小出力アンプは本当は何ワット必要?かを考えてみたいと思います。

条件は、

(1)スピーカーとリスナーとの距離は2m

(2)人の話し声くらいの音量で音楽を再生する   



(A)小型スピーカー その1 JBL社A120

人の話し声くらいの音量は60dBと言われています。

これを2mの距離で再生するのですが、

音は距離の2乗に比例して減衰しますので

4倍(12dB)加算しなくてはなりません。

そのためスピーカーのすぐ前で発生する音圧は72dB必要になります。

JBL A120の能率は86dB/mです。

つまり、1w入力したとき86dBの音圧の音を発生します。

72-86=-14dB=1/5

アンプは1wの1/2で0.2wの出力が必要です。

これは平均出力です。

音楽のピーク値は平均値の10倍と言われていますので

0.2×10=2w

パワーアンプの出力は2wあればOkということになります。

意外と小さな値だと感じられるかもしれませんが

スピーカーとリスナーの距離が近く、

小音量で再生すれば、必要なパワーはこの程度なのです。

次に1990年代に流行した同じJBL社の4344で計算してみましょう・・・次回に続きます。






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小出力アンプは何ワット必要? vol.1

2019-02-18 | スピーカー

昨日『オーディオアンプ製作教室』が開催されましたが

10Wまでの小出力アンプを・・・という方が多いことに驚きました。

机の上に小さなブックシェルフスピーカーをのせてという需要は意外に多いようです。

小出力アンプに関する都市伝説もいくつかあります。

『実はパワーアンプは1wもあればOK』

『真空管アンプの2wはトランジスターアンプの20wに相当する』

『小出力アンプの方がクオリティは高い』等々。

今回は小出力アンプを製作するための前段階として

小出力アンプの嘘・本当を検証し、

『小出力アンプは何ワット必要?』を考えてみたいと思います。

まず、最初にどんなスピーカーを使うかを考えてみましょう。

『小型スピーカーは小出力アンプでOK、大型スピーカーは大出力アンプが必要』という方がみえますが

これは本当でしょうか?

計算してみましょう。

条件は、

(1)スピーカーとリスナーとの距離は2m

(2)人の話し声くらいの音量で音楽を再生する

です。

この条件で小型スピーカー2種、大型スピーカー2種の合計4種について

どの位の出力のパワーアンプが必要か計算してみます。

(A)小型スピーカー その1 JBL社A120

このスピーカーの能率は86dB/mです・・・次回に続きます。






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