ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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大江健三郎さん、死去

2023-03-13 21:05:38 | 日記



大江健三郎さんが亡くなったというニュースがありました。

また、大きな訃報です。

今年は、年初からこういう話をしていて……まあ、訃報があるたびにフォローしていれば毎年こんな感じなのかとも思ってましたが、しかしこうなってくると、やはり今年は特にショッキングな話が多いという気になってきます。


大江健三郎さんといえば、ノーベル文学賞を受賞したということでも知られており、我が国の文壇において大物中の大物といえるでしょう。「見るまえに跳べ」という作品のタイトルは、岡林信康さんのセカンドアルバムのタイトルがここから来ているなんていう話もちょっと前にしていました。(これについては異説もあるようですが)

特にここでひとつ何か作品を挙げるとしたら、『個人的な体験』でしょうか。
タイトルどおり「個人的な体験」に基づいていることはたしかでしょう。どこまでが事実でどのあたりが脚色なのかはわかりませんが、この作品の中にはなかなかショッキングな内容も書かれていました。そしてその結末――海外の出版社から、翻訳の際に「この結末は変えたほうがいいのではないか」といわれたそうですが、大江健三郎さんはそれに応じませんでした。このエピソードに、案外大江健三郎という作家の根幹にあるものが表れているのではないかと思います。そしてそれが、大江さんを社会的な活動に駆り立てていたのではないだろうか、と。
大江健三郎さんは社会的な活動にも積極的でした。核実験や戦争には明確に反対の姿勢を示し、「9条の会」などでも活動。
そういった部分でも、この国にとって重要な存在でした。謹んで、冥福をお祈りしたいと思います。


掌編「うれしいひなまつり」(1)

2023-03-03 23:31:13 | 山田湯


今日は3月3日。
雛祭りです。

ということで、ひさびさに山田湯シリーズの短編小説を書いてみました。

銭湯・山田湯の自称看板娘、山田聖美を主人公とする短編です。

前回までやっていたやり方だと面倒なうえに、読みづらいということで、今回はフォトチャンネルを使ってみました。何回かに分けていくというところは変わらずですが……興味がある方は、お読みになってください。

うれしいひなまつり(1)