眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

2018年に観た映画(劇場での外国映画編)

2019-05-05 15:45:52 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~

☆『ローサは密告された』(監督:ブリランテ・メンドーサ 脚本:トロイ・エスピリトゥ 2016 フィリピン 原題:MA'ROSA )

これも「家族の風景」なんだなあ・・・と。(アジアの映画に見る「家族」の距離の近さ・親密さ?に、私はいつも圧倒・困惑?させられる)

https://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/b1303bd124fe6fc09cbe5a672560d370

『カンフー・ヨガ』(監督:スタンリー・トン 2017 中国=インド)

ジャッキー・チェンも、次はインド(の観客人口)を相手にしなきゃいけなくなったのかあ・・・と、とどまるところを知らない?カンフー映画(というか映画製作というもの自体)の貪欲さ??に感心した。あっけらかんと明るくて、JCの筋トレ風景?も見られて、出てくる女性たちはとんでもなく「強い」美人たち~というわけで、エンタメとしてはこれはこれで正解なのかも(^^;

☆『午後8時の訪問者』(監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 2016 ベルギー=フランス)

ダルデンヌ兄弟の作る映画も親切になったなあ・・・と、最近観るたび思う。(実際は別に「親切」になったわけじゃなくて、カメラが揺れなくなっただけ?(^^;)

https://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/4ef5de63fbc769eed0e4c2ae1940a772

☆『スリー・ビルボード』(監督・脚本:マーティン・マクドナー 2017 アメリカ=イギリス)

「感情移入できる」人が(主要な登場人物の中では)なかなか見つからない?という、観ていてなんだか居心地が良くなかった映画。(しかも、物語は一転また一転。とにかく観客の予想を裏切る方へばかり進んでいって、そのたびに各人物のヘンテコリンさが暴露されていく感じ(^^;) 
なのに、観た後味がそこまで悪くはなかったのは、ラストの二人の「殴りこみ」風景が西部劇みたいでいっそ爽快?だったせいか、はたまた大怪我させられた人のオレンジ・ジュースの力なのか・・・なんにせよ、こんな設定を考えついて、笑うしかない?みたいな映画に仕立て上げた人はスゴイ~と。(フランシス・マクドーマンドがアカデミー賞授賞式で、貰ったオスカーを床に置いて、口にした言葉とそのときの態度も、役柄に相応しいというか・・・素直にカッコ良かった~(^^))

『パディントン2』(監督:ポール・キング 2017 イギリス=フランス)

前作はニコール・キッドマンの悪役ぶりが見たくて、今回はそれがヒュー・グラントだというので、やっぱり観にいったんたと思う(記憶はとっくに霧の中~)。敵役も含めて「悪い人」は一人も出てこない!という、とにかく温かくぼんやり~と、安心して観ていられる映画の1本。(ヒューは刑務所の中のミュージカルが似合ってた~♪ サリー・ホーキンスの守備範囲の広さにも感嘆!(^^))

『シェイプ・オブ・ウォーター』(監督・共同脚本:ギレルモ・デル・トロ 2017 アメリカ)

観始めてすぐ、この映画は「人魚姫が故郷に帰る話」になるのかなあ・・・などと、勝手に思っていた。だからヒロインが「彼」を怖がらず、むしろ惹かれていくのも当然。ラストに至っても、これはこれでハッピー・エンドなのだろうと。「彼」は神サマに近い所もあるし、そういう特別な存在と巡り会って、人魚姫は「おうちに帰った」のだ。
(ディズニー・アニメの『美女と野獣』(1991)をその頃たまたま家で観て、「野獣」のあまりの可愛らしさ~♪ に「ツマラナイ王子なんかに戻らずに、このままの姿でハッピー・エンドにしたらいいのに~」と、残念でならなかった。ギレルモ・デル・トロ監督も同じようなコトを感じたことがあり、だからこそこの映画を作ったのだと知って、監督に俄然親近感が沸いた(^^))

『エル ELLE 』(監督:ポール・ヴァーホーヴェン 2016 フランス=ベルギー=ドイツ)

映画の中の「物語」よりも、ヒロインの造形と女優イザベル・ユペールについてあれこれ考えたことが、今も記憶に残る。(女性にとっては本当に怖い、だけど男性にとっても怖い(もしかして不本意な)?映画かも~とか思ったことも)

http://blog.livedoor.jp/hayasinonene/archives/51765912.html

『グレイテスト・ショーマン』(監督:マイケル・グレイシー 脚本:ジェニー・ビックス ビル・コンドン 2017 アメリカ)

「サーカス」 はこうして生まれた・・・という頃の話なので、「少数者」として差別される側だった者にとっては残酷なエピソード・表現も多かったと思う。それでもこの映画が「エンタテインメント」として仕上がっているように見えるのは、「舞台(でのパフォーマンス)」が素晴らしく、余計なモノはすべて吹き飛ばしてしまうから。最後のステージでの歌のシーンには、それほどの迫力があって、人間の強さ(と弱さ)を考えさせられた。(ヒュー・ジャックマンはこういうミュージカルで観るときが一番輝いてる気がする(^^))

『リメンバー・ミー』(監督:リー・アンクリッチ 共同監督・脚本:エイドリアン・モリーナ 2017 ピクサー・アニメーション・スタジオ制作)

メキシコで盛大に祝われるという「死者の日」の様子を、初めてこと細かに見せてもらったことが、私にとっては一番印象的だったかもしれない。ミュージシャンを夢見る少年が「死者の国」に迷い込んで、ユーモラスな骸骨たちの間を右往左往する間も明るい音楽と歌が溢れて・・・という、日本の「お盆」とはまた違うラテン系ミュージカルの風合いが面白かった。それでも・・・
「生死を越える家族の絆」というテーマは、思った以上に深く訴えかける力があったらしく、「死者の国」の美しい夜景に見とれ、軽~い気持ちで楽しんで観ていたのに、最後は涙が込み上げてきた。「死」そのものより「忘れ去られる」のはもっと辛い。そういう気持ちは洋の東西を問わないのかもしれないな・・・と、さっさと忘れられたい?私にさえ思わせるような映画だったと思う。
(死者に従う怪物?ぺピータの色彩が凄い!! もうモノノハズミで年間ベスト・キャラに選びそうになったくらい。現世での、そ知らぬ風情の「猫」の姿にも呆気~(^^;)

『ゴッホ 最期の手紙』(監督・脚本:ドロタ・コビエラ ヒュー・ウェルチマン 2017 イギリス=ポーランド)

これほどの手間(予算)を費やして、全編「ゴッホの絵」を動かすようなアニメーションで表現する意味があったのかどうか・・・それでも、そうしたいと思わせる何かが、ゴッホの絵にはあるのかも・・・などなど、物語それ自体より「絵」と映像について、思い巡らした作品。

 http://blog.livedoor.jp/hayasinonene/archives/51964126.html

『犬ヶ島』(監督・脚本:ウェス・アンダーソン 2018 アメリカ=ドイツ)

多大なエネルギー(と予算?)をつぎ込んで作った、アンダーソン監督の「趣味的」アニメーション(にしか私には見えない)。そのこと自体は全然構わないのだけれど、困るのは私と監督との「好み」がやっぱり一致しないこと。
この監督の作品を観る度、私はいつも、自分には消化酵素のない「極上の美味」を必死で口に詰め込んでいるような気がする。美しく盛り付けられたそれらは、ゆっくり「目で味わう」ような時間もないくらい、次々と運ばれてきて、さっさと下げられてしまう。なんだか自分がネコかブタさんになったみたいで、観てても時間の無駄?みたいな気もちょっとする。(でも、ついつい「次こそは」って観にいっちゃうんだよね~ 食い意地が張ってるだけなんだろうけど、それくらい「盛り付けが上手~」なのも本当(^^;)

『ラッキー』(監督;ジョン・キャロル・リンチ 2017 アメリカ)

外国映画のオジイサンってやっぱりいいな~なんて思ってる間に、自分はとっくにオバアサンに(^^; (でも映画を観てる間は、昔と同じ自分なのよね。時間がきっと止まってるんだ~)

https://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/a01959606b531403651fdc7bd24b2775

☆『ボヘミアン・ラプソディー』(監督;ブライアン・シンガー 音楽プロデューサー;ブライアン・メイ ロジャー・テイラー 2018 イギリス=アメリカ)

ラミ・マレックのアカデミー主演男優賞受賞は嬉しかった。(彼のスピーチを聞きながら、フレディも喜んでくれてるような気がしたのを思い出す)

https://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/47081d25d9a2b93630b7cb7db6249ba5

『くるみ割り人形と秘密の王国』(監督;ラッセ・ハルストレム ジョー・ジョンストン 原作;E.T.A.ホフマン「くるみ割り人形とねずみの王様」2018 アメリカ)

作り手が(この監督さんらしく?)変化球??を投げてる雰囲気があって、そこも私は気に入ったのかも。(公明正大な「表通り」を大手を振って歩くより、裏通りを探検する方が童心に還るというか(^^;)

http://blog.livedoor.jp/hayasinonene/archives/52798356.html

『アリー/ スター誕生』(監督;ブラッドリー・クーパー 2018 アメリカ)

レディー・ガガという人をほとんど初めて?見た私にとっては、この映画で観たモノが彼女のイメージとして定着してしまうだろうと。それくらい、素顔に近いメイクで真っ直ぐ見つめてくるこの人には、圧倒的な存在感があった。(「歌のほんとに上手い人なのね~」と家に帰ってつい口にしたら「当たり前だよ。あの人はプロだ」と家族に笑われた。それくらいはワカッテルんだけど(^^;) なので・・・
映画の前半は彼女の、後半はパートナー(ブラッドリー・クーパー)の物語に分けられてしまうのがちょっと残念。後半のカントリー歌手の人生模様も、物語として十分見応えがあるのだけれど、それでも私は彼女の方をメインに、ずっと観ていたかった。ミュージシャンとしての彼女だけじゃなく、俳優としての彼女も(私には彼女の従来のイメージが欠けているせいもあって?)強く訴えかけてくるものがあり、それは役柄が彼女自身を反映しているように見えるから・・・という理由だけじゃなかったと思う。(クーパーも良かったんだけど、兄貴役のサム・エリオットも印象的で、後半の物語は別の独立した映画として作れたら良かったのかも・・・なあんてコトまで、ちょっと考えた(^^;)





(15本)

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