眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

楽しい夢

2007-11-05 19:11:34 | 人の記憶
私の父は大正15年の春、男ばかり3人の兄弟の、歳の離れた末っ子として生まれた。8ヶ月の未熟児だった彼がそれでも何とか育ったのは、当時としては相当幸運な部類に入ることだったらしい。 色白に大きな目、8か月で生まれた華奢さもあって、「女の子が欲しくてたまらんかったお袋が、ほんとに頭もオカッパにして、女の子の格好をずーっとさせた。」と、父は憮然として言っていた。目の前の四十男の父と、「ほんとに女の子に . . . 本文を読む
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「父親」?の出現 (『楽しい夢』の長い前置き)

2007-11-05 19:11:12 | 人の記憶
前回、伯父のことを書いていて(『飛行機嫌い』)、一番強く感じたのは「歳月の力」とでもいうようなものだった。思い出せないことが増えていくという「風化作用」も痛感したけれど、それとは別に、なるほど記憶というものは思い出す度に編集し直されていくんだな・・・という実感があった。 大体、長年にわたって私は、あの「口の悪い」伯父が本当に苦手だったので、伯父の記憶を自分が、これほど大事に抱えてきたのだとは気が . . . 本文を読む
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