眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『借りぐらしのアリエッティ』

2011-02-28 19:04:28 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その12。 観た後、ラストの感動とは別に、曰く言い難いモヤモヤが残ったアニメーション。(スタジオ・ジブリの作品は今回の米林宏昌監督に限らず、往々にしてこういうモヤモヤが残る気がするけれど。) 若い友人が後から独り言のように言っていた感想をわざわざメモに書き留めてあるのは、私も似たようなことを感じたからだろうか。曰く、「(いろんな要素?)全部が調和してないと感じるのは、結 . . . 本文を読む
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2010年に観た映画 (オフシアター日本映画編)

2011-02-20 19:12:08 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
【2010年オフシアターで観た日本映画】 『不灯港』 ホンの一瞬、主人公の万造サンを「2010年のベスト・キャラ」に選ぼうか・・・とも(笑)。 http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/b08fc8c7e6db7c96f098d7c894a758eb 『日本列島』1965 「戦後のアメリカ・日本間の"スパイ合戦"も、凄かったんだなあ。」というのが正直な感想。そう . . . 本文を読む
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束の間の休息=タイムリミットの待合所? ・・・・・ 『パレード』

2011-02-20 14:19:54 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その11。 (多少ネタバレです。ご注意下さい。) 同じ頃に観た『告白』と並べて、メモには「寓話的?なエンタテインメントとしては、私は『告白』よりこちらの方が好きかも。どちらもリアルじゃない感じがするけど、『告白』の方がより"マスコミ"的な物見高さ?を感じるからかなあ」などと書いてあった。 都会でルームシェアをしている4人の若い人たちと、さらに若い(闖入者)サトル。モ . . . 本文を読む
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『春との旅』

2011-02-19 14:15:01 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その10。 失職した孫娘(春)は、上京して仕事を探そうと決意する。そのためには、足の不自由な祖父の面倒を誰かに頼まなければならない。娘は他に手立てがないために、祖父は本気で腹を立てながらも、ともかくも二人で、疎遠になっている祖父の姉弟たちを尋ねる旅に出る・・・というストーリー。 私がちょっと苦手な仲代達也も含めて、俳優さん達もその他のスタッフの方たちも、皆「きちんと仕事 . . . 本文を読む
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豪雪・多病・貧困 ・・・・・ 『いのちの山河~日本の青空II~』

2011-02-17 13:00:04 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その9。 「岩手県の沢内村」というのは、(少なくとも個人的に私の周囲では)とても有名な地名だ。戦後、まだ人々が貧しかった時代に、「全国でも最悪の乳児死亡率が、全国でも最初にゼロになった村」、「当時は法律違反だった、老人と乳児の医療費無料化を実現した村」としてだけれど、その筆頭に立った村長さんがこの映画の主人公だった。 映画としてどうこうという前に、私はスクリーンに映る風 . . . 本文を読む
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男とオンナ(と男の子)~ ・・・・・ 『不灯港』

2011-02-17 00:12:23 | 映画・本
「ひとこと感想」その8。 「38歳。職業、漁師。嫁、募集中。」という主人公(その名も万造!)のキャラクターに呆気に取られた。口にするセリフもその振る舞いも妙に「ダンディズム~」なのだけれど、一体どこまでが作り手の作為で、どこからが「たまたま偶然」なのかもヨクワカラナイ(笑)。 所謂「ペーソス」を感じるには、本人があっけらかんとして見える(そんなもの「感じられ」てたまるか!なのかな?)。でも、「 . . . 本文を読む
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2010年に観た映画 (オフシアター外国映画編) の続き

2011-02-14 15:50:55 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
『カティンの森』 「カティンの森」で父親を失い、その後はレジスタンスにも参加。好きな絵を学びたいと、戦後は美術学校を目指す若者・・・自分とよく似た経歴の彼を登場させた監督は、自分にもあり得たかもしれないもう一つの「その後」を描いていたのだろうか。 http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/70115e6c147a9031156427259f0c5404 『キャピタリズ . . . 本文を読む
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ジェルソミーナの記憶 ・・・・・ 『道』

2011-02-14 10:53:48 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その7。 中学生の頃、家族みんなで『道』のテレビ放映を観たことがある。 その時は、私にはそれほどいい映画には思えなかった。若い頃に映画館で観て「もうほんとに感動して、あのメロディーをずっと口笛で吹きながら家に帰った」という父も、独り言のように「なんであんなに感動したんだろう・・・」。その落差があまりに大きくて、私はオカシイような、気の毒なような、でも「面白くなかったのは . . . 本文を読む
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凍河を渡る ・・・・・ 『フローズン・リバー』

2011-02-13 15:00:22 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その6。 上映当日、珍しくも歩いて出かけたのが悪かったのか、途中から文字通りの土砂降り!になり、ズブ濡れで、冷房に震えながら観るハメに。それでも、噂を聞いてからずっと観たいと思っていた作品だったので、観られるのがただ嬉しくて、もう一生懸命に?シングルマザー2人の物語を見つめていたのを思い出す。 そして・・・観た後には、凍てついた河の氷点下の風景やそこでの2人の生活の厳し . . . 本文を読む
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『シャネル&ストラヴィンスキー』

2011-02-13 08:41:22 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その5。 美しいシャネル邸で共に暮らすことになったシャネル、ストラヴィンスキー、そしてその妻。当然、妻とシャネルの間には滑らかな水面下の確執が、繊細なストラヴィンスキーには罪悪感や葛藤が始まる。三者三様の矜恃に支えられて(私にはそう見えた)共同生活は続き、有名なバレエ音楽「春の祭典」も香水「シャネルの五番」もその中から生まれてくるのだが・・・というストーリー。 私はこの . . . 本文を読む
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『カティンの森』

2011-02-12 22:53:47 | 映画・本
上映会場でのアンケートに、「私がこれまでに観たこの監督の映画の中で、最も生々しく、しかも冷静。何より、その描き方の"辛抱強さ"?のようなものが、強く印象に残りました。」などと書いた記憶がある。帰宅してから書いたメモには、「2時間、全く(自分の)現実を忘れていた。」とも。 感想を書く気になれず(私にとってはそういう種類の映画じゃないのだと思う)、歴史的な背景の知識を補うために買ったパンフレットも、 . . . 本文を読む
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2010年に観た映画 (オフシアター外国映画編)

2011-02-11 10:02:25 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
2010年にスクリーンで観た映画は全部で141本だった。オフシアターで60本(外国映画39本・日本映画21本)、映画館で81本(外国64・日本映17)。珍しくオフシアターの方が少なくて、映画館での外国映画がとても多い。 理由は簡単。TOHOシネマズの「午前十時の映画祭」シリーズにハマってしまったから。 最初の頃は、でもクラシックな名作映画を観る企画は、高知では以前から自主上映グループの方でもや . . . 本文を読む
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正直にしか生きられない ・・・・・ 『サンシャイン・クリーニング』

2011-02-10 19:34:08 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その4。(多少ネタバレです。) 生活のために「事件現場の清掃業」を「軽~い気持ち」?で始める姉。お菓子だのエビ(ロブスターだったかな?)の訪問販売で「一攫千金」を狙う父親。バイト先で喧嘩を売って?クビ・・・を繰り返す妹。そして、なんでも「ナメる」癖がエスカレートして小学校を退学?になる(姉の)息子・・・。 チラシを見ないとあらすじも満足に思い出せない自分のい~加減さはさ . . . 本文を読む
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『キャピタリズム マネーは踊る』

2011-02-10 15:24:21 | 映画・本
「長すぎるひとこと感想」その3。 ムーア監督の作るドキュメンタリーの魅力は、私にとっては「え~~~っ!(驚愕)ホ、ホントにそーなの~?」という驚きを、本人の「突撃インタビュー」でもって「目の前に」見せてもらえることだ。 『ボーリング・フォア・コロンバイン』では「(一般人が)銃が買える社会」の、『シッコ』では「国民皆保険じゃない社会」の、日々の「現実」を見せてもらっている気がした。私の知らないア . . . 本文を読む
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Mr.エアーズ ・・・・・ 『路上のソリスト』

2011-02-08 16:15:32 | 映画・本
(以下の感想は映画の結末に直接触れています。未見の方はご注意下さい。) 設定に精神的な障碍のある登場人物がいると、私は観に行く前からなんとなく警戒してしまうようなところがある。私自身は統合失調症と診断されたことが無いけれど、若い頃に似た症状を経験した時期があるので、映画というフィクションの世界での扱われ方に、ともすると過敏になりやすいのかもしれない。 この映画についても予告編を観た段階で、「 . . . 本文を読む
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