1月に母が亡くなった、その前後に観た映画は、「遠く離れていて何も出来ない」気持ちを紛らわすための、まさに気晴らし・時間潰しだったのが、今になってよくわかるというか・・・こうしてタイトルを見ていても、「覚えているけど覚えてない」という作品が多い。以下、鑑賞順に。『友だちのうちはどこ?』(監督・脚本:アッバス・キアロスタミ)1987
前年のTOHOシネマズ「午前十時の映画祭(シリーズ2)」最後の作品 . . . 本文を読む
長くなった「ひとこと感想」その12。 今メモを見たら、なんとタイトルだけしか書いてなかった。確か、時間を置いてもう一度観に行ったくらい気にかかった?映画だったのに。仕方ないので、今覚えていることだけちょっと書いてみる。私はダニエル・クレイグのボンドが好きで、3作目のこの映画も楽しみにしていた。でも、いざ観に行ってみたら、冒頭から「仕事に疲れた」つまり「クタビレ~た」中年スパイの風情という . . . 本文を読む
ちょっと長い「ひとこと感想」その11。前作『ダークナイト』があまりに印象的な作品だったせいで、この『ダークナイト・ライジング』はちょっと散漫というか、作品としての完成度がやや低く見えてしまうのは、仕方ないんだろうと思った。でも、私はこの監督さんが創り出したこのシリーズの世界が、やっぱり好きなんだとも思う。この暗さ、冷たい色調、抑制された表現の仕方・・・「ユーモアの欠如が好きになれない」という感想も . . . 本文を読む
映画とあまり関係のない「ひとこと感想」その10。メモにあった断片的な言葉を、膨らませて書いてみる。ちょっとヤヤコシイ「感覚」の話になりそうだけど。
私は子どもの頃から、サーカスはあまり好きじゃなかった。生身の人間や動物の生々しさが、もともと好みに合わなかったのかもしれない。TVで観る外国のサーカスは大好きだったのに。シルク・ドゥ・ソレイユの公演をTVで観たときも、「生き物としての人間 . . . 本文を読む
ちょっとだけ長い「ひとこと感想」その9。 メモには、「介護人役のアフリカ系の俳優さん(オマール・シー)が、とてもとても魅力的な瞳の持ち主。これって心底フランスの映画やなあ。アメリカ的にハジケて見せてるのは表面だけで・・・なんて思いながら、介護する者とされる者のその後を、自分の現実を忘れて観ていた」一番記憶に残っていること・・・本人の誕生日、楽団を招いて舞踏会が催され、家族や招待客が皆楽し . . . 本文を読む
ちょっとだけ長い「ひとこと感想」その8。メモには、「かなりの血みどろだけど、日の光の当らない場所での話なので、色調がダークで、ショッキングな赤じゃあなかった。これほど怖がらずに観たホラー映画(と呼んでいいのかどうか)も、私としては珍しい。ストーリーはほとんど知らなかったけれど、なんとなく予想がついて、実際その通りに話は進む・・・でも、全然退屈じゃあなかった。これほど“寂しさ&rdquo . . . 本文を読む
長くなった「ひとこと感想」その7。(ややネタバレかも。)観た直後のメモには、短く、「“間借り人”(マックス・フォン・シドー)の表情が、見ていて飽きなかった。少年の母親の行動は、(リアルというより)フィクションの良さかも」。この監督の作品には、いつも多くの要素(テーマ?)が盛り込まれていると感じる。だから、感想を・・・と思っても、アタマが満杯になってしまって、整理して書くこと . . . 本文を読む
イリヤ・レーピンの名前を、数年前まで私は知らなかった。
たまたま知人のサイトで、レーピンの絵を何枚か見せてもらう機会があって、初めてあの(子どもの頃にギョッとした)「怖い絵」を何枚も描いた人と知った。それまでは、「真面目」で「暗い」ヴォルガの船曳の絵を描いた人と、ああいった「怖い絵」の作者が、同じ人とは思っていなかった。それくらい、ほんとに何も知らなかったのだ。
載せてある絵と添えられた知人の . . . 本文を読む
『家族X』(監督・脚本:吉田光希) 第20回PFFスカラシップ作品去年観た最初の映画なのだけれど、とにかく観ている間ずっと忍耐力を必要とした作品で、物語も何も思い出せない。メモには「なぜあの妻があそこまでになるのか、私にはちょっと理解出来ない」とだけ。(たまにはこういう映画にも出会う。)『ひろしま』(監督:関川秀雄 原作:長田新編「原爆の子」)1953
私が生まれる前の年に作られた映 . . . 本文を読む
ちょっと早いけれど、2012年に観た映画を振り返る作業を始めることにした(2012年10月14日 )。この記事が仕上がるまでに何日(何ヶ月?)かかるかワカラナイけれど、こうでもしないと、映画の感想がなかなか書けそうにないので。今年は観た本数が少なめな分、上質・上出来な映画ばかりだった気がしている・・・と、ここまで書いて、既に半年経ってしまった。こうなったらもうほんのひとこと感想にして、さ . . . 本文を読む
長くなった「ひとこと感想」その6。上映日に『メランコリア』と2本立てで観たときは、私はどちらかというと冗長な、スペインへの「巡礼」のPVみたいな作品?だと思ったらしい。メモにはそんな短い感想に続いて、「エンディング・ロールに『祖父フランコ・エステベスに捧ぐ』とあるのを見て、なんとなく納得・・・」とだけ。ところが、その後時間が経つにつれて、この映画のいくつかのシーンを時々思い出している自分に気がつい . . . 本文を読む
長くなった「ひとこと感想」その5。いつもに増して個人的な感想になってます。(Coccoさんや塚本監督のファンの方はスルーして下さった方がいいかも。)Coccoさんについては、以前観た『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-』(監督:是枝裕和)というドキュメンタリー映画での、この人しか知らない。その時に感じたモノと、今回この映画で感じたモノとは、驚くほどよく似ている。(この人と一緒に創造活動 . . . 本文を読む
長くなった「ひとこと感想」その4。 その昔、知人の医師から「イタリアは精神病院への"入院"は、もう違法で出来なくなってるよ。随分前からだけど、現実にはどんな風に回ってるのか・・・」と聞いたとき、私は心底驚いた。アメリカで似たようなこと?をやった際、帰る場所のない患者さんたちは路上生活をするしかなかった・・・などと聞いていたのに、イタリアではそれがなんとか軌道に乗って、現在も継続されている . . . 本文を読む