眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

2009年に観た映画 (劇場での日本映画編)と2009年マイ・ベストテン

2010-02-28 01:36:30 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
その年に観た映画について、「ひとことだけでも感想を・・・」ということで始めたことなのに、振り返ってみると頭に浮かんでくるものを全部書き留めておきたくなって、とうとう書くのに1ヶ月もかかってしまった。 それでも、この記事で最後の予定。やっと、私の2009年が終わる(笑)。 この1ヶ月、PCの前に座っている時間が長かった。劇場にもあまり行かず、以前のように録画もせず。人から借りている本も積ん読・・ . . . 本文を読む
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『サマーウォーズ』

2010-02-26 13:08:46 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その13。 メモには「その昔"男の子"だった人が作ったアニメーションだと、つくづく思った。『時をかける少女』と同じ監督さんらしいけど、主人公が女の子よりも、"元"(或いは"現"?)男の子集団の方が、私には好感が持てるのかもしれない。」などと書いてある。 以前『時をかける少女』を観た際、「面白いんだけど、どうしてこんなに"オジサン感覚"なんだろう・・・」と、不思議に思っ . . . 本文を読む
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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

2010-02-25 20:03:21 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その12。 観た後、劇場で10代に遭遇。とにかく「今の日本アニメの技術力と、(好き嫌いはともあれ)内容の質?とが釣り合った作品」という点で意見が一致したのを思い出す。(私は日本のアニメーションをスクリーンで見る度、技術の高さの方に眼を奪われて、物語としてはそれに追いついていないように見えるのが、いつも残念な気がしていた。)10代曰く「現時点での日本のアニメとしては、最高 . . . 本文を読む
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『闇の子供たち』

2010-02-23 17:13:51 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その11。 観ている間ずっと、「どれほどきちんと説明して、どう工夫して撮っているにせよ、子どもにこういう演技(幼児売買春)をさせたくない。」という気持ちに駆られた。ペドファイル役の俳優さんたちが演技としてやっていることだと判っていても、その場の醜悪さ(大人の俳優さん達も気の毒になるくらいだ)が見るに堪えず、私としては珍しくも非常に醒めた気持ちで観るハメになった映画だけれど . . . 本文を読む
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『誰も守ってくれない』

2010-02-23 15:41:24 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その10。 現実はそこまではいかないんじゃないか・・・というような、やや極端な?エピソードも目に付くけれど、それは私が今の日本の現実に疎いのだと言われれば、そうかもしれないとも思いそうだ。とにかくこの物語が荒唐無稽に感じられない・・・ということ自体に、私などは寒々とした気持ちになる。 刑事が浜辺で女の子に言った言葉(「今度はキミが家族を守るんだ」)にも、私は複雑な感情を . . . 本文を読む
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2009年に観た映画 (劇場での外国映画編)の続き

2010-02-20 16:31:41 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 ジャクソン5の頃の、可愛く達者な男の子の瞳。「スリラー」が発表された当時、偶々私はダンスを習っていたので、その頃の曲はレッスン用に振り付けされたメロディーとして耳に馴染んでいたこと・・・などを思い出した。(そういったこと以外では、マイケル・ジャクソンは私には殆ど無縁の人だ。) 観た直後のメモが珍しく長い。「ドキュメンタリーで、"ダンス"で、なのにど . . . 本文を読む
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2009年に観た映画 (劇場での外国映画編)

2010-02-20 01:00:31 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
去年1年の間に、気にかかることが2つあった。 1つは、古くからある映画館が近々閉館するという噂を聞いたこと。その後館主さんが続ける気持ちになられたと聞いてホッとしたものの、続ければ続けるほど赤字が膨らんでいくとも言われているので、気がかりなのは変わらない。 私は去年、外国映画34本中8本をその映画館で観ている。(『そして、私たちは愛に帰る』『DON 過去を消された男』『幸せはシャンソニア劇場か . . . 本文を読む
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『チェンジリング』

2010-02-19 15:42:10 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その9。 イーストウッド監督の映画は、作りのきめ細やかさに打たれる。好きな作品もそれほど好きじゃないものもあるけれど、その視線が隅々にまで行き届いているように感じられるのは変わりがない。 誘拐された子どもの代わりに、まったくの別人を「あなたの息子だ」と言い張る権力側の怖ろしさ。自分たちのメンツのために、これで泣き寝入りしろと言っているのだということが、お人好し?の私は . . . 本文を読む
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『レスラー』

2010-02-17 17:00:38 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その8。 元人気プロレスラー、今はスーパーでバイトをしながらリングに立つ主人公ランディ(ミッキー・ローク)の人物造形が何とも言えない。 プロレスラーとして思うままに生きてきたけれど、中年を過ぎかける今は、所謂常識や分別も身についた一人前の大人になっている。しかし、無名の一社会人として出直すことは、この人にはおそらくもう無理だろうということも、映画の早い段階から見て取れ . . . 本文を読む
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2009年に観た映画 (オフシアター日本映画編)

2010-02-15 12:29:29 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
先日、古くからの映画館(あたご劇場)での特別上映の際、挨拶をされた自主上映グループの方が「この前入院して、医者にあと2年の命だと言われました。そうとなったら、今自分が一番上映したい映画は何だろうと考えて、自分が最も尊敬する大塚和のプロデュースした作品を・・・」。あまりに明るい表情、声で言われるので、何と言っていいかわからない気持ちで聞いていた。その映画館が近々閉館するという噂もあったので、余計に私 . . . 本文を読む
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『重力ピエロ』

2010-02-15 12:24:30 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その7。 原作が果物だとしたら、それを搾って繊維その他は取り除いて、透明なジュースにしたような作品だと思った。 伊坂幸太郎さんの小説は好きで、機会があれば必ず読むけれど、映像化は難しい(原作より完成度が落ちてしまうんじゃないか?)と感じることが多い。 でもこの映画は、原作を読んでいても違和感がなく観られる、とても良く出来た作品だと思った。キャストがイメージに良く合っ . . . 本文を読む
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『小三治』

2010-02-14 18:51:29 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その6。 「ずっと自分探しをしている。」 「でも(自分のような)95点の答案を前に、どうして100点取れないって、ずーっと正座させられるような育ち方は、どんなにしても結局抜けないんじゃないかって、この歳になってわかった。」 「そういうのが本当に嫌で、もう駆け込み寺に駆け込むようにしてこの道に入ったのに・・・向いてない仕事に就いたモンだ。」 そんな言葉の一方で、どこ . . . 本文を読む
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『ひめゆり』

2010-02-14 18:41:26 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その5。 13年かけて、沖縄戦を生き延びた「ひめゆり学徒隊」22人に「現地」で語ってもらったインタビューと、その沖縄の風景と、米軍側の当時のフィルムで構成されたドキュメンタリー映画。「その時居た場所」ということにこだわったとのことで、戦後初めてそこに足を運んだ方もおられた。 語ることにある程度慣れた方も、そうでない方も、「現地」その「現場」で語るという行為は大変なこと . . . 本文を読む
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『パレスチナ1948 NAKBA』

2010-02-14 18:23:35 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その4。 チラシに「監督・撮影・写真:広河隆一」とある。本当に、広河さんの人生そのもののような映画なんだろうな・・・などと思った。映画に先立って講演を聴く機会があったけれど、映画の中の広河さんの方が、話し方も表情も講演の時よりずっと明るかったのが、何だか切なかった。 現在の広河さんは、健康状態も良くないのかもしれない。講演会では、「余命」を考えて活動の仕方を変えることに . . . 本文を読む
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2009年に観た映画 (オフシアター外国映画編)の続き

2010-02-07 18:42:32 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~
『シリアの花嫁』 メガホンを手に何人もの人たちが、「境界線」を挟んで、大声で近況を知らせあったり互いの都合を確認したりしている風景・・・以前にもシリア映画の特集で見たことがあったと思う。それが元々は同じ国(シリア)の人たち、多くは家族や知人友人同士であることに、今回も私は驚いた。中東戦争(1967年?)でゴラン高原の名前はよく耳にしたけれど、まさかそこに住む人たちが(イスラエルに占領されてシリア . . . 本文を読む
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