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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

10年後 労働力は410万人減・・・ ヘルパーも・・・

2005-07-14 21:15:17 | 福祉雑記録
このまま少子化が進み、出産後の女性の職場復帰が難しい現状がこのまま続くと、10年後の労働人口が約410万人減るとの推計が厚生労働省の雇用政策研究会の報告で明らかになった。それに伴い、経済成長率も年率0.7%程度下がっていくという。

来年か再来年をピークに日本の人口は減少に向かっていく。少子化、高齢化、人口減少・・・ 当然労働力も減少し、経済も活性化せず社会保障のシステムも根本からの変化を迫られる。「人口減少社会」はもうそこまで来ていることを改めて感じさせる数字である。
研究会はその対策として、フリーターやニートの常勤雇用化や、出産・育児による離職者への再雇用の強化などいくつかの提言をしている。どれもが私たちがこれから直面しなければいけない課題である。

この労働力減少には、当然ヘルパーを含め福祉の現場で働く人も含まれている。ある試算では、日本の後期高齢者(75歳以上)が2千万人を超える2025年に、全国のホームヘルパーが12万人(パート換算)不足するという。現在115万人の訪問介護利用者に対してのヘルパーの人数は34万人(パート換算)。それが20年後には、利用者が156万人になり、必要なヘルパーが12万人増加するという。

大幅な人手不足が心配される背景には、介護事業者が安く人手を確保しようとするため、仕事としての魅力がない、という事情がある。現在、介護に携わるヘルパーの大半は、仕事ができる時間を事前に登録して、介護事業者から派遣の紹介を受ける「登録ヘルパー」だが、毎月の労働時間は短く給与も安定していない。労働力が社会全体で不足している20年後に、何人の人が収入の不安定な登録ヘルパーを選ぶだろうか。
パートのヘルパーにしたところで、現状の時給(平均1200円)のままでは、12万人を増やすのは難しいだろう。この試算では、40代から50代の女性をターゲットに絞って分析したところ、時給を1500円に引き上げれば12万人の雇用が新たに生まれるとみている。しかし、給料を25%アップするためには、毎月91億2千万円が新たに必要だとされている。
しかも、これは賃金の面からしかみておらす、ヘルパーという仕事をやってみたいという意欲や資質はまた別の問題でもある。単純に労働力が確保されたからといって、質がそれに伴うとは限らない。そして、福祉分野全体で見ると、さらに大きな労働力不足が懸念されるのである。すでに、現在フィリピンからの看護師や介護士の受け入れも始まっている。厳しい条件をクリアしたフィリピンからの人材は、否応なく必要とされる時代が来ているのである。今後は、フィリピンだけに限らず、さまざまな国から労働力を受け入れる状況になるかもしれない。私たちは近い将来、もしくはすでに現在、大きな課題に直面することになるのである。