むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台湾人はパンダに興味がない

2006-01-09 03:10:51 | 台湾その他の話題
日本のメディアは台湾については、中国との関係が絡む話題か、絡まなくてもわざと絡めることで報道することが多い。そのため、日本の新聞しか読んでいない日本人の多くは、台湾が中国と関係を深めているという錯覚を起こすことが多いが、それは間違いである。
とくに昨年、連戦・国民党主席(当時)訪中で中国側が台湾にパンダを贈ることを提案し、国民党首長の台北市などの動物園が受け入れを表明したことから、台湾というとパンダ受け入れだと思っている人が多いようだが、はっきりいっておこう、台湾人の多くはパンダに関心はない。
台湾人はそもそも動物を愛玩の対象とみていない。多少関心があるのはペンギンのように動作が面白いものとか、象のように特徴的な鼻を持っているものであって、パンダのようにいってみればたんなる熊のくせに、色もツートンカラーで面白くなく、図体がでかいだけで動作が緩慢なものは、台湾人の趣味にあわないし、琴線に触れないのである。
 だから、最近中国がまたぞろ台湾に贈呈するパンダを選定したと発表したことが台湾でも報じられたが、街の人がパンダに関心を持つわけではない。
本当に関心があるなら、パンダが選定されて受け入れを表明している動物園がある今の時点で、商売熱心な台湾人が「パンダ」に関するグッズを販売して、一大市場を作りそうなものである。ところが、そんなものは見ない。台湾人がパンダに興味がない証拠である。
 パンダを受け入れると「中国の一部」だと認めたことになるので、陳政権は許可を出さないだろう。そもそも誰も関心がないから、許可を出せという圧力もない。国民党が圧力をかけようとしているが、民意の基盤がないから、そのうち騒がなくなるだろう。
しかも、粗忽な台湾人のことだから、もしパンダを受け入れたとしても、何気なく1ヶ月くらいで死なせてしまいそうで、こわい。
 パンダ贈呈で騒いでいるのは、パンダをみて「かわいい」と感じてしまう日本人のほうであって、台湾人はパンダには興味がない。
ここに、台中関係をめぐる日本の報道(人の感性)と台湾人の感性との落差がある。
昨年の連戦訪中のときも日本の報道は「60年ぶりの国共合作」と歴史のロマンを過剰に感情移入する形式の報道が目立ったが、そもそも台湾人はかつて「国共合作」があったことなど知らないし、興味もない。
台湾は中国という大国との相関関係で報道せざるを得ないという事情は理解できるとしても、日本人の一方的な感情移入だけで、台中関係を見るのはいい加減にやめてほしい。


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