28日にあった立法委員台北市大安区補欠選挙の結果は、
蒋乃辛(中国国民党)4万6065票(得票率48.91%)
周柏雅(民主進歩党)3万6465票(38.72%)
姚立明(新党推薦)9868票(10.4%)
などとなり、事前の読み通り国民党の蒋乃辛が当選した。
これについて、台湾本土派のメディアは、同区が外省人系公務員の比率が高く、国民党の「鉄票区」と見られ、昨年1月の立法委員選挙では李慶安(国民党)66%、羅文嘉(民進党)32%となるなど、国民党が圧勝してきたことのに比べて、投票率も投票率は39.12%と異常に低く(つまり棄権が多かった)、国民党が得票率50%割れで、民進党と10ポイント差になったのは、同区の選挙史上初めてであることから、「国民党の失政に対する有権者の批判の表れ」と見る向きが多い。
しかし、そもそも補欠選挙になったのは、これまで同区で議席を占めてきた中国国民党所属の李慶安がダイアン・リーという名でアメリカ国籍を持っていることが発覚し、議員辞職したことに伴うものである。しかも李慶安が台北市議員時代から10数年にわたって有権者を騙して不当に議員として給与を受け取ってきたという詐欺行為があり、発覚してからも国民党が組織ぐるみで李を庇ってきたという重大な不当行為があった。さらに、今回選挙戦が始まったときには、郭冠英の台湾人侮辱発言事件も起こっていた。
にもかかわらず、国民党候補を勝たせてしまうという構図に、台湾社会の堕落が透けて見える。
私は別に民進党候補が絶対勝つべきだったといっているのではない。
ただ、今回民進党候補だった周柏雅はすごく生真面目で、腐敗とは程遠い人で、しかも理念も堅持しているのだから、陳水扁とリンクさせて拒否する謂れはない。
とはいえ、外省人が多い同区では、民進党への拒否感が多いだろう。だったら、国民党批判を展開していて、純粋な中国主義に立つ新党に入れるべきではなかったのか?(たとえ私は大中国主義には反対でも、国民党とは違って、新党が純粋に理念を追求して、利権とは程遠い点は、敵ながら尊敬できるものがある。というか、いまだに国民党に戻らず新党に残っている人は、人間的にはまともな人は多い)
ところが、蓋を開けてみれば、姚立明は10%程度。
周柏雅も民進党市議員の全面的な応援を得て得票率は伸ばしたものの、投票率が下がったとはいえ、前回の羅文嘉が得た4万8240票よりは少なかった。
つまり、米国籍事件と台湾人侮辱事件で、国民党の士気が上がらず国民党支持層が棄権に回ったにもかかわらず、民進党も結局支持者を投票に向かわせることができず、同じように棄権に回った人が1万人以上もいたということだ。前回の羅文嘉に入れた人が、今回もすべて入れていれば、周は勝てていたのに。
この結果について、自由時報3月29日付けコラム自由評論は「北風,太陽,烏雲!」と題して、国民党を北風、民進党を太陽に擬して「北風を嫌になってきてはいたが、太陽の強さが足りなかった」とわりと気の利いた比喩で情況分析していたが、まあ、私にいわせれば「太陽よりも北風を求めてしまう意思と知能薄弱な台湾人の問題」というべきだと思う。
蒋乃辛(中国国民党)4万6065票(得票率48.91%)
周柏雅(民主進歩党)3万6465票(38.72%)
姚立明(新党推薦)9868票(10.4%)
などとなり、事前の読み通り国民党の蒋乃辛が当選した。
これについて、台湾本土派のメディアは、同区が外省人系公務員の比率が高く、国民党の「鉄票区」と見られ、昨年1月の立法委員選挙では李慶安(国民党)66%、羅文嘉(民進党)32%となるなど、国民党が圧勝してきたことのに比べて、投票率も投票率は39.12%と異常に低く(つまり棄権が多かった)、国民党が得票率50%割れで、民進党と10ポイント差になったのは、同区の選挙史上初めてであることから、「国民党の失政に対する有権者の批判の表れ」と見る向きが多い。
しかし、そもそも補欠選挙になったのは、これまで同区で議席を占めてきた中国国民党所属の李慶安がダイアン・リーという名でアメリカ国籍を持っていることが発覚し、議員辞職したことに伴うものである。しかも李慶安が台北市議員時代から10数年にわたって有権者を騙して不当に議員として給与を受け取ってきたという詐欺行為があり、発覚してからも国民党が組織ぐるみで李を庇ってきたという重大な不当行為があった。さらに、今回選挙戦が始まったときには、郭冠英の台湾人侮辱発言事件も起こっていた。
にもかかわらず、国民党候補を勝たせてしまうという構図に、台湾社会の堕落が透けて見える。
私は別に民進党候補が絶対勝つべきだったといっているのではない。
ただ、今回民進党候補だった周柏雅はすごく生真面目で、腐敗とは程遠い人で、しかも理念も堅持しているのだから、陳水扁とリンクさせて拒否する謂れはない。
とはいえ、外省人が多い同区では、民進党への拒否感が多いだろう。だったら、国民党批判を展開していて、純粋な中国主義に立つ新党に入れるべきではなかったのか?(たとえ私は大中国主義には反対でも、国民党とは違って、新党が純粋に理念を追求して、利権とは程遠い点は、敵ながら尊敬できるものがある。というか、いまだに国民党に戻らず新党に残っている人は、人間的にはまともな人は多い)
ところが、蓋を開けてみれば、姚立明は10%程度。
周柏雅も民進党市議員の全面的な応援を得て得票率は伸ばしたものの、投票率が下がったとはいえ、前回の羅文嘉が得た4万8240票よりは少なかった。
つまり、米国籍事件と台湾人侮辱事件で、国民党の士気が上がらず国民党支持層が棄権に回ったにもかかわらず、民進党も結局支持者を投票に向かわせることができず、同じように棄権に回った人が1万人以上もいたということだ。前回の羅文嘉に入れた人が、今回もすべて入れていれば、周は勝てていたのに。
この結果について、自由時報3月29日付けコラム自由評論は「北風,太陽,烏雲!」と題して、国民党を北風、民進党を太陽に擬して「北風を嫌になってきてはいたが、太陽の強さが足りなかった」とわりと気の利いた比喩で情況分析していたが、まあ、私にいわせれば「太陽よりも北風を求めてしまう意思と知能薄弱な台湾人の問題」というべきだと思う。