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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

野いちご運動、嘉義にも拡大、15日に市民も加え大規模行動予定

2008-11-14 00:57:56 | 台湾社会運動
国民党政権の法律無視の弾圧に抗議し、「集会デモ法」を許可制から届出制への改正などを求めて座り込みを行っている学生たちの「野イチゴ運動」は1週間を超えたが、12日までに新たに嘉義市でも座り込みが始まった。
また、「野いちご」運動本部では週末の15日土曜日に、台北市自由広場周辺で市民も交えた大規模な抗議デモ開催を予定している。この行動は同時に中部、南部でも開かれる予定だが、具体的なスケジュールは未定。本来は13日夜には結論を出すはずだったが、慎重に検討を重ねているため、今のところ結論は出ていないようだ。

嘉義市が加わったことで、この座り込み行動は次の場所で行われていることになる。

台北市:(自由広場)
新竹市:(清華大学小吃部=購買部)
台中市:(市民広場)
台南市:(成功大学光復キャンパス)
嘉義市:(228公園)
高雄市:(城市光廊)

台中市については市当局、台南市については大学当局がきわめて協力的な模様。
新竹市、台中市、嘉義市は国民党市長だが、わりとリベラルなため大丈夫だ。そういう意味では桃園県でも始めればいいのに。

12日以降は、中学生や高校生も声援に訪れるようになっていて、若者の間で、少しずつ「格好いい」一種のブームになっていることがわかる。
ただ13日午後は見たところ、中間テストのピークだったこともあってか、人数は激減していた。ただ寒波が去って、気温も上がり、晴れ間も覗いたりしているので、屋外でも座り込みも寒波ピークの10-11日に比べてしのぎやすくなっている。
14日夕方には中間テストも終わるので、もっと多くの学生が出てくるだろう。

野いちご学生運動のマスコット登場

2008-11-12 02:40:44 | 台湾社会運動
9日夜「野いちご」と命名することを決議した「集会デモ法改正と馬英九らの謝罪」を求めて座り込みを続けている学生運動は、10日夕方シンボルとなるマスコット「野いちご」の風船を会場に掲げた。




国会で圧倒的多数を占める国民党は、口先だけは「集会デモを現在の許可制から、届出制に緩和する改正」に同意するとしているが、多数を占めているので、1日でできることをいまだに行っていない以上、誠意がないと見るべきだろう。馬英九が謝罪することもほとんどありえない。
そのため、学生たちは長期戦を想定している。
中間テストシーズンが事実上終わる今週金曜日夕方以降は、参加する学生が増えることが期待されている。

座り込みの学生運動、「野イチゴ」と命名

2008-11-10 01:02:29 | 台湾社会運動
民視ニュースによると、国家暴力に抗議して自由広場で座り込みを行っている学生は9日夜、自らの運動を1990年に国是会議を勝ち取った「野百合」にあやかって、「野草莓」(野いちご)と名づけることを決議した。また集会許可を申請しないことも決議している。

一方、学生たちに対する市民たちによる物資支援が続いており、座り込み開始時点ですでに水、菓子、カップめん、肉まん、柑橘類などの食糧のほか、テント、寝袋なども届けられている。

921大地震の後などもそうだったが、こういう「助け合い精神」って台湾市民社会の特徴で、いいなって思う。

政治や法制度はいまいちだけど、社会の温かさや市民精神は日本以上のものがあると思う。

新たな社会の力となるか 学生たちが国家権力の横暴に抗議する座り込み展開!

2008-11-09 23:24:39 | 台湾社会運動
6日昼総統府付近ではじまった「囲城」行動と時を同じくして、警察による過剰な取締に抗議して、人権と平和を訴える学生たちが、行政院前に集結してすわり込みを始めた。
要求は3点。馬英九と劉兆玄の謝罪、警政署長と国家安全局長の辞任、集会遊行(デモ)法改正。
しかし、抗議をひとつも許容しない反動政権は、7日午後4時47分から6時10分までの間に、警察が「柔性駆離」という、いわゆる「ごぼう抜き」を行う暴挙に出た。ただし、警察は学生たちを台湾大学正門まで送って解放した。この時点の学生は200人あまり。(なぜ、台湾大学正門?よくわからん行動だが、まあ警察としても、相手が学生だし、申請していない以外に違法行動もないので、処置に困って、なるべく穏便に済ませたのだろうか)
その後学生たちは、事前に申し合わせ、公告していたように、場所を自由広場に移して7日夜から座りこみをおこなっている。途中8日昼前からは寒気も入り、大雨も降っているが、学生たちの行動は続いている。入れ替わりもあるから総計では800人くらいはいるだろうが、常時いるのは100人強だ。
新竹市、台中市、彰化、台南市、高雄市でも、これに呼応した大学生らが数十人規模で座り込みを始めている。

ブログ http://action1106.blogspot.com/ ; http://1106protestcast.com

ライブ 
http://live.yahoo.com/wenli
台南のライブ http://live.yahoo.com/tainandirect

報道 苦勞網(左派系社会運動を網羅) http://www.coolloud.org.tw/ ; http://blackbeartw.pixnet.net/blog/post/21963907


人数的にはちょっとさびしい。しかし、これは時期的な問題もある。
というのも、週明けは多くの大学で中間テストの時期である。1990年3月にあった「野百合運動」は2週間前後にわたって、常時数千人の学生が座り込みを行ったが、それは春休みかあるいは学期初めで比較的に時間に余裕がある時期だったので、比較にならない。
だから、この運動も週明けて金曜までが山場である。これを乗りきれば、さらに多くの参加者が見込まれるだろう。

そもそも、1996年以降、抗議行動が最大限に許容されてきた台湾社会において、しかも純粋な学生という階層が行っている平和的抗議行動に対して、警察が排除行動に出たのは、市民社会の反発を呼び起こすにあまりあるものがあるのだ。
また、学生たちが指摘している現行集会デモ法の悪法性をいみじくも証明してしまった。
台湾の現行集会デモ法は、韓国の同類の法律と同じく、権威主義時代に作られたものが、そのまま残っており、警察による許可制となっていたり、主要政府機関や外国公館付近での集会デモを禁ずるなど、きわめて権威主義的な色彩の法律である。

学生の抗議に対して、明らかに中国人特権層という顔をしている国民党支持者の間には心無い罵倒を投げつけるものがいる。「合法的なものか」「通行の邪魔だ」など。自らが2006年に赤シャツ隊で道路を不法占拠してきたことを棚に上げて。法そのものがおかしいという運動で、しかもそもそも警察が許容しようとしなかったことに対する抗議に合法も何もないだろう。
しかも学生を支持する民衆に反論されると「われわれも言論の自由がある」と開き直る始末だ。他人の言論の自由を攻撃、妨害しようとして自らを自由だというのも、自由の意味を知らない反動分子の特徴だ。
自分と意見の異なる人間の行動にいちいち食ってかかるのは自由ではなく、単なる頑迷なだけである。

台湾が本当の意味での民主主義社会になるのは、いつの日であろうか。



6日午後11時30分過ぎ、行政院前、座り込み



>
7日午後3時20分過ぎ、行政院前、笠をかぶって座り込み



7日午後3日20分過ぎ、行政院前、警察側が「行為違法」の警告



7日午後3時20分過ぎ、行政院前、学生側が「警察違法」の指摘



7日午後10時50分過ぎ、自由広場に移って



8日午後4時40分過ぎ、自由広場、雨の中、「戒厳令の雰囲気をを再び感じる」

ネット社会を理解できない低脳国民党

2008-11-09 23:22:05 | 台湾社会運動
国民党所属立法委員・張碩文が抗議の座り込みをしている学生を「謝長廷選対本部の若者が先導しているから、民進党が操縦している」といい、新党所属の台北市議員の侯冠群が「デモで公共物が破壊されるため補償が必要だから、デモの主催団体には税金をかける法律改正が必要だ」などと主張している。
これは民進党だけがデモを煽動、主導できると思い込んでいて、ネット社会というものを知らない愚かな発言だ。
ネット社会では匿名性が原則であり、ある言説や運動が起こっても、誰が首謀者なのか、そして参加者と単なる見物人の区別もわからない。それがネット社会における市民運動の特徴なのだ。

「主催団体に税金をかける」というなら、5日のリージェントホテルの抗議行動は、一体誰に税金をかけるのか?
あの行動は、市民が勝手に集まったもので、民進党はまったく関知していないどころか、むしろ介入をためらうという不甲斐なさで、どこにも「主催団体」などありはしない。

数百人にのぼる学生の座り込みにしても、謝長廷選対本部に関わった若者や民進党員の若者はいるかもしれない。しかし、現場を見ればわかるが、明らかに民進党の影はないどころか、むしろ楽生院問題で民進党政権とも衝突した学生も多い。ネットで情報を知って集まっている。
言いだしっぺは、台湾大学社会学系助理教授の李明[王](ハーリー族の研究もしていて、私と相互に論文の引用した仲でもある)だが、だからといって、彼自身が集めたのはたかだか20名かそこらで、法的にいう「主催団体」には当てはまらない。

また、民進党が関わっているかどうかといえば、関わっている大人としては、台湾人権促進会、緑の党などがあるが、それらは台湾独立派ではあっても、むしろ政権時代の民進党にも批判の声を上げてきた団体である。
愛国同心会や中華統一促進党が深藍であっても、国民党主流とは明らかに違うように、緑の党やその他左派的社会運動団体、あるいは今回の学生は、確かに台湾独立派ではあるが、民進党とはまったく異なる。
台湾の政治社会の版図は、すでに藍か緑かで二分化できないほど多様化してしまっている、運動する学生たちはもちろん国民党には反対だが、必ずしも今の民進党に近いわけではない。いや、学生から見れば、民進党すら国民党と同じ保守の側にあるように見えるくらいなのだ。反動国民党側から見て、民進党が国民党よりも左にあるから、そのさらに左に位置する学生が民進党の別働隊に見えて仕方がなくても、それは単なる錯覚である。

何よりも、民進党が関知も主導もしていない運動が始まったのは、市民社会、市民運動が今の民進党に飽き足らず、民進党に失望しているからに他ならない。
それが可能になったのは、ネット社会の力でもあるのだ。

張碩文も侯冠群もネット社会というものを知らないのだろう。しかし今の時代に、ネット社会について知らないものが偉そうに発言する資格はない。

市民社会に乗り越えられた民進党の弱体と無能力

2008-11-09 23:21:17 | 台湾社会運動
今回の一連の抗議行動の主力は、いわば勝手に繰り出してきた「勝手連」の市民たちだった。国民党勢力はこれを民進党の策動だと非難しているが、実際現場を見ればわかることだが、姿・格好からみても、主力となったのは台北周辺の中産層・公務員で、おそらく1月と3月には国民党を支持した層である。その証拠に、抗議の現場では中華民国国旗を掲げる人も見かけられたし、欧米の基準から見れば手段もおとなしいものだった。
というか、大体、11月の平日の夜6時ごろから抗議に繰り出せる「ヒマ人」は、労働者や小規模商売人が多い民進党の支持層にそう多くはない。現場を見れば、明らかにあれは本来の国民党支持層が主力だったといえる。国民党支持層だって、多くは本土派であり、中国には不信感や反感を持っているのが、今の台湾の現実だ。
そういう意味で、馬政権は基盤から崩れつつあるのである。

それに、一連の抗議運動が本当に民進党が主導、策動していたというのは、現在の民進党に対する過大評価もいいところである。民進党にそこまでの力があるのであれば、現在の状況をうまく利用、操作して、馬政権はとっくにひっくり返されているだろう。

今の民進党には市民運動を主導するほどの力も知恵もない。民進党は発展した市民社会にとっくに乗り越えられてしまった。

しかもあろうことか、国民党勢力が6日の投石や火炎瓶をさして「民進党は暴力政党だ」などと中傷した際、民進党は「あれはヤクザが介入したものだ」と根拠もない反論を行ったり、「われわれの秩序維持部隊も不足があり、暴走した党員は処分する」などといっているのが、これは力の無さを暴露したものだ。

ヤクザが介入したかどうかは証拠はないし、ヤクザのすべてが悪いわけではない。民進党の著名政治家にもうヤクザがいる。日本の寅さんだってヤクザだ。歴史的に台湾で外来政権に抵抗してきた人たちも多くはヤクザかチンピラだ。
抗議行動の過程で、お祭り騒ぎで妙な人が入ってくるのは避けられない。それをつつかれていちいち狼狽しているようでは、運動などできない。

そもそも4日、5日、6日のホテル周辺の抗議運動は民進党が企画したものではないし、民進党の政治家の姿は5日と6日にはほとんど目立たず、現場にいた少数の民進党支持層も失望していたくらいである。

そうである以上、民進党は
(1)そもそもホテル周辺の抗議は、民進党が企画していないし、関知していない。
(2)しかし事前に警告したとおり、陳の来訪によって、市民の怒りが爆発し、不幸な結果を招くはずだ。そして、そのとおりになった。つまり、すべては国民党政権が来訪を急いだことによるものだ。
(3)市民の行動は民進党の指揮を超えるものだが、それは市民の怒りの大きさを示すものであり、国民党は市民の怒りをを正視すべきだ。
と反論すべきだったのである。

そして、きわめつけとして持ち出すべきなのは、1990年代までの民進党なら持ち出していた「人民の抵抗権」の概念である。
今回は国民党政権の官憲に脱法行為、過剰行動が目立ったし、やってきたのは世界で数少ない強権国家の高官である。だから、人民の抵抗権という反論をすべきだった。
まして、民主進歩党の党名における進歩とは、リベラル左派的な意味での進歩傾向を意味する。そうであるなら、なおさら「人民の抵抗権」「市民の不服従」「進歩的市民社会の不満の表出」といって正当化すべきだった。
また、進歩という単語のもうひとつの意味でも、民進党は進歩を怠っているというべきである。いや、むしろ1990年代よりも退歩すらしている。

もちろん、民進党の名誉のために付け加えるなら、民進党には民主は確実に存在する。その点は民主主義のミの字も知らない国民党よりも数倍はマシである。
しかし、残念ながら市民社会は民進党よりもはるかに先に進んでしまった。これが民進党の悲劇である。だから、最近、馬政権の失策で、国民党の評判も一気に低下しても、民進党がそれに反比例して浮揚することもできない。確かに最低水準は脱したが、2004年夏の最高潮には戻っていない。

そういう意味では、今必要なのは、市民社会から新たな政治の流れと動きが育つことである。それが民進党を飲み込むのもよし、別の政党をつくるのもよし。

いずれにしても、来年の台湾は、政界再編が起こるだろう。国民党ももはやボロボロ。民進党も脳死状態とあっては、巻きなおしは必至だ。中華民国体制も崩壊し、一から出直すことになるだろう。

国民党勢力の無知・愚鈍・反動と反民主性 そして市民的不服従の時代へ

2008-11-09 23:20:42 | 台湾社会運動
今回の陳雲林に対する抗議行動は、6日昼の「囲城」(総統府付近包囲運動)および同日夜の圓山ホテル周辺での抗議で最高潮に達した。
囲城では景福門付近では、警察が設けた鉄条網突破と投石、夜の台北美術館付近の抗議では角棒による警官隊への応戦や火炎瓶投擲が見られた。

台湾の国民党勢力とマスコミは、なぜかそうした世界の目を見ようとせず、しきりに「抗議行動は違法で、逸脱行為で、民主国家としてはあるまじき恥だ」などと書き立てた。
しかし一言でいって、これは台湾市民の中国および馬政権に対する怒りがそれだけ大きいこと、国会も独占状態の台湾の政治体制で体制内で浮かばれない多様な声が火炎瓶などの形で現れたからに他ならない。
実際には民主国家であればあるほど、強権に対する抗議行動は強く、激しくなるものだ。
WTOシアトル会議、ブッシュの各国訪問、米国のイラク侵略、聖火リレーなどに対する抗議行動は、いずれも鉄パイプや石や火炎瓶が乱舞する激しいものとなった。
それこそが民主主義の常態であり、憲法に先立つ自然権としての人民の抵抗権の発露なのである。
だから、本当に民主主義がわかっている欧米日のマスコミは、抗議を肯定的に取り上げたのである。

ゲリラや「過激な抗議」が起こるのは、社会の多様な意見や声が、体制内で表出され、解決されるチャネルを欠いている場合に起こることは、政治学や政治社会学では常識である。
南米でかつて左翼ゲリラが横行したのも、保守独占体制の中で、貧困層を代表する意見が抑圧されてきたから、左翼が急進化し、ゲリラや武装闘争の形で表出したものである。
中東におけるいわゆるイスラーム主義やイスラームテロと呼ばれる動きも、欧米のマスコミがイスラームを蔑視し、イスラームの人たちの「欧米キリスト教徒」とは異なる視点や考え方を一切抑圧してしまっているために起こっている。
60年代米国でもマルコムXらは過激な手段に訴えたが、それも白人の抑圧と蔑視がそれだけ強く、黒人の権益が守られなかったからである。

台湾では、少なくとも総統選挙が行われた1996年から、特にリベラルな民進党政権になった2000年以降、体制側は少数派や弱者も含めた多様な意見を尊重する姿勢を示してきた。まして抑圧されてきた側の民進党や独立派が政権を握ったこともあって、基本的に弱者は過激な手段に訴えなくてもよくなった。

しかし5月に馬英九が総統となり、国民党政権が復活して、事態は大きく変わった。
国会選挙でも総統選挙でも圧勝した国民党は、「選挙で勝ったのだから、われわれのやることはすべて正当だ」などという傲慢な論理を使って(これはヒトラーも使った論理だ)、多様な意見に一切耳をふさいだ。
選挙で馬と国民党を支持した人は、経済を良くするという一点のみ支持した人が多いのであって、対中傾斜を支持したわけではない。それどころか馬英九は選挙中にチベット弾圧に対する五輪ボイコットを示唆し、台湾住民自決論を叫んだのであって、対中傾斜などおくびにも出していないのだ。選挙で言わなかったことまで支持したという強弁は、ヒトラーと同じである。

多様な意見が抑圧されれば、鬱屈した不満と怒りは、より過激な手段で爆発する。

まして、別記する学生の座り込みという「平和的運動」すら、許可せず、排除してしまう以上、また民進党が当初申請した「囲城」デモも直前まで許可しなかった以上、国民党陣営が「平和的抗議ならよい」というのは、虚言でしかない。誰が平和的行動すら認めなかったのか。

ただ、それにしては、台湾人は根っからのお人よしと温厚さからか、手段は一般に想像されるほど過激ではなかった。
火炎瓶もたかだか数発だけ、そして投石と角棒だけ。
日本や欧米でよく見かけるヘルメットをかけて鉄パイプ、あるいはより殺傷力が高い凶器を持ち出すものは【いなかった】。
これで「暴力」などという国民党勢力は、それだけ民主主義がわかっていない、市民の抗議というものがわかっていない反動集団であることを暴露した。
そもそも暴力なのは、違法な取締りを実施した国民党政権なのである。

台湾はこの5ヶ月で、一挙に時代が逆行した。
これは、中華民国体制の後進性に由来するものだ。民主化も中華民国体制に制限され、選挙の過程だけの民主化にとどまり、国民党自身の民主化、三権分立の確立、すべての権力機構と構成員の民主化はまだまだなのだ。
たまたまこれまで台湾は民主主義を確立したように見えたのは、たまたまこれまでの選択が李登輝と陳水扁という僥倖さに由来するもので、結局は人治でしかなかったのだ。
つまり、指導者の思想が民主的なら民主主義は実行されるが、権威主義なら民主主義は保障されない。
民進党系が指摘するように「戒厳令時代に戻った」というのは大げさにしても、体制側の頑迷さと非寛容さは、1993年ごろのレベルに逆戻りしたといえるだろう。
しかし、台湾は着実に進歩している。国民党は1930年代から反動腐敗頑迷という体質は変わっていないが、台湾市民社会は賢くなっている。国民党の妄想は通用しない。
しかも、国民党や馬英九には、明らかに彼らが望んでいる独裁を実行するほどの能力はない。

筆者は以前、台湾では市民社会が成熟しているから、無能な政治家でも関知しない、と指摘したが、この1週間で馬政権が見せたものは、市民社会に適した無能さなどではなくて、明らかに頭の中は権威主義を残しているという点である。
これは危険である。
そして、このような馬鹿げた反動政権には、台湾の市民社会は服従しないであろう。
陳雲林から総統とも、指導者とも呼んでもらえなかった馬英九は、誰も尊敬しない。
総統や政府の権威や権力というのは、国民がそれを信頼して承認するから生まれる、つまり幻想の上に成り立っている脆いものなのだ。
もし、台湾市民が政府を政府と認知せず、総統を総統と認知しなければ、政府も総統も成り立たない。
これからは市民的不服従が始まる。そして、馬政権は自己崩壊するのだ。

中国に台湾市民社会の怒りが爆発 6時間足止めの快挙 国民党内部にも意見対立か

2008-11-09 23:18:38 | 台湾社会運動
いやあ、興奮の5日間だった。

陳雲林の台湾訪問では、日頃中国の台湾に対する高圧的な対応に対してこれまで鬱積した台湾市民の不満が大爆発したという感じだ。
これまで台湾に中国側から高官が訪問することもなかったから、中国に対する抗議、あるいはチベット独立への支援などの行動は、直接の対象が見出せなかった。今回は抗議すべき対象がわざわざのこのこやってきたのだから、これは絶好の機会であった。そして、実際台湾人民は世界初の快挙を成し遂げたのだ。
それは5日夜、晶華飯店(リージェントホテル)で開かれた国民党主席呉伯雄と陳雲林との会談で、陳らが会談が終わってから7時間以上もホテルに足止めされたということだ。

これはおそらく前代未聞の事態で、独裁体制になれた陳雲林は肝をつぶしたことだろう。
そして、おそらくこの背後には、国民党内部にも、陳雲林の来訪と中国の日頃の対応を快しとしない勢力があって、意図的に抗議行動の制圧に待ったをかけ、馬英九と陳のメンツをつぶそうとしたものと思われる。
実際、国民党内部でも、今回の来訪には反対意見も強く、市民の間でも「9月にメラミン問題が起こってその補償もされていない」として現時点での来訪は反対の声が多かった。
それなのに来訪が強行された背景には、中国共産党側は馬英九政権が長く持たないと見てできるだけ早く協定を結んで台湾を縛り付けておく必要を感じたこと、そして馬政権もそれをうすうす気づいていて(実際、独立派元老の辜寛敏が前週に馬にあった話を8日になって暴露したところでは「この機会を逃すと永遠に機会はない」と馬は言ったという)急いだものと思われる。
しかも「両岸和解」を世界に向けて喧伝したいはずなのに、わざわざ米大統領選挙という世界的に注目されない時期に設定したのは、よほど急いでいたに違いない。

ともかく、陳の来訪は、拙速であるという見方は台湾社会では強かった。
案の定、台湾では対中国としては世界でも最も人数が多く、最も強い部類に属する市民の抗議の声があげられたのである。

ホテル前は夕方から抗議の民衆が詰め掛けていたが、午後6時ごろホテル正門から呉と陳が入った。
私自身は6時半に現場に向かったが、不思議なことに警官のほとんどは遠巻きに見ているだけで、積極的に民衆を排除したりはしなかった。これは、おそらく前日4日にこのホテルと国賓飯店(アンバサダーホテル)周辺で起こった抗議行動に対する警察の過剰制圧行動が、社会から大きな批判を呼び起こしたことが大きく作用したと思われる。
正門前ではチベット人と支援グループが風刺劇を行っていて、緑の台湾人旗を振って中国に抗議する人が多かった。
同ホテルは車の出入り口が4箇所あるが、最初は正門前だけ群衆が集まっていたが、後で人も増えるにつれて分散、4箇所とも包囲した。
ところが、普通は夜の宴会が終わる8時あるいは9時になっても抗議対象らしきものは現れない。一部ではもう去ったのではという声もあったが、抗議の人波は収まらなかった。
私自身は翌朝早くに取材予定が入っていたので、11時には引き上げた。しかし実際には帰宅しても興奮していたので、現場にいればよかったと思う。

家でテレビを見ていたら、実際には午前2時10分過ぎまで、陳は足止めを食らわされていたようだ。警官たちも積極的な排除行動を行わず、ようやく午前2時過ぎになって本格的な排除を行い、陳らはホテルを脱することができたようだ。
つまり、普通の終了時間8時を基点として、6時間強にわたってホテルに足止めを食らわされたことになる。陳は恐怖しただろう。
しかし、これが自由な市民社会・台湾なのである。中国のように、幹部が特権ですべての道を何の障害もなく通行できる社会とは異なるのだ。

だから、AP通信はこう書いたらしい。「台湾と中国は国が違うばかりでなく、宇宙さえも違うようだ」。


5日午後7時20分ごろ、リージェントホテル正門前、チベット人の風刺劇


5日午後9時50分過ぎ、リージェントホテル裏門

40万人を超えたデモ、台北地区を中心に中間派や国民党系も参加、無能な馬政権に不満爆発

2008-10-26 18:57:47 | 台湾社会運動
■張銘清転倒事件が起爆剤に
25日台北市で行われた「反中国、反馬政権」デモは、前日の雨も上がり、天候に恵まれる中、台北市を中心に40万人を超える(主催者発表では60万人、警察発表で20万人)市民が集まり、馬政権の下で進む、対中傾斜、経済悪化、貧富格差増大に対する市民の強い不満が示された。
事前に台南で中国の台湾問題当局の幹部でもある張銘清が中国に抗議する群衆に取り囲まれてもみ合いの中で転倒する事件が発生、さらにスキャンダルの渦中にある陳水扁前総統が参加するということもあって、民進党など反政権勢力を何が何でも中傷したい統一派メディアや国民党保守派は、「暴力事件があったので、デモの気勢は弱まった。しかも陳水扁が参加するので、デモは深緑=民進党急進派の一部だけにとどまるだろう」という印象操作を行ったのだが、フタを開いてみると、深緑「だけ」どころか、中間派や浅藍=弱い国民党支持層も含む広範な市民が参加した。
要するにこれは市民の勝利である。統一派メディアによる情報操作など利かないことが明らかになったのだから。
(ちなみに、張銘清事件で、暴力があったのでデモの気勢がそがれるだろうみたいなことを書いた産経の長谷川記者の記事は完全に間違っていたことも明らかになった。やはり中国仕込みの長谷川記者には、台湾の民意は理解できないのだろう)

■陳水扁も過去の人と気にせず国民党系も参加
特に、中間層や国民党支持層が参加したのは、台北市東部そごう近くを出発した第一隊列。しかもこの隊列は陳水扁が率い、陳の熱狂的支持層もいたわけだから、もはや国民党系がいくら陳水扁の問題を持ち出して民進党叩きをやろうとしても、国民党自身の無能、失政、凋落を覆い隠せるものではないことが明らかになったのだ。(これは私も失敗した。陳を見るのが嫌なので、社会運動団体も集まっている第二隊列に向かったのだが、これなら第一隊列に参加するんだった)
陳水扁の問題で怒っていたり意識しているのは、むしろ長年の民進党支持層であって、陳を盲目的に支持する一部の深緑は別として、実は浅緑や中間派や浅藍は陳水扁なんて気にしていない、というか、もはや過去の人となったということだ。
しかも国民党が制定した現行法制度では、陳の選挙余剰金着服も海外送金も、違法にならないのだから、この問題で国民党系が騒げば騒ぐほど、実は公金横領やマネロンをやりたい放題にしてきた国民党が自分の首を締めることになるだろう。
国民党系の中天などは「陳水扁大復権」などとせめてもの抵抗を見せているが、実はデモの成功が悔しいのだろう。

■あまりの気勢にたじろぎ、好意的報道をする国民党系メディア
そういえば、台湾の国民党系メディアも現金なもので、中国時報などは一面に大きく群衆が総統府前広場に集結した写真を掲げたのをはじめ、聯合報もデモにわりと好意的な記事を載せているなど、デモの成功に驚愕し、狼狽し、そして新たに形成されつつある大きなうねりに阿ろうとする必死の様子がうかがえる。
それに対して、張銘清事件のころからおかしいリンゴ日報は、こうした大規模デモの時の慣行になっているように、本紙を包み込む形で特集版4面で報道しているが、トップ見出しはなんと夜の集会で焼身自殺を図ったか放火を図ったのかわからないが、とにかく下半身火達磨になった男が出現した話を持ってきている。何とか集会を矮小化、醜悪化させたい意図がミエミエ。
狼狽といえば、通例ならデモ参加者数をすぐに発表する警察が、遅々として発表せずに、やっと午後9時半になって「20万人」と発表する有様だった。
ただ警察や国家安全系統を通じて、国民党支持層も多く参加したという情報が伝わったのだろう、わざわざデモを避けるようにして新竹に逃げていた馬英九や南部に逃げていた劉兆玄は「施政に不十分な点があった」と初めて誤りを認めた。しかも南部に逃げていた劉は、やはり市民から「辞めろ」と抗議を受ける始末だった。
民進党政権の8年を経た台湾は、すっかり市民の力が強くなったことを示している。まだまだ「独裁を復活させて中国と統一を進めたい」という古臭い思想モードにある馬政権は、もはや狼狽を隠せなくなっている。こんな状態では、政権を投げ出すのは時間の問題だろう。

■聯合報とリンゴ日報の立場が逆転?
そういえば面白かったのは、26日付けの聯合報の投書で、ある教員が日本で「空気を読む」という言葉があることを取り上げて安倍首相がKY首相と呼ばれて退陣を余儀なくされたことをあげて、馬英九に対しても「空気を読め」と訴えている(馬總統 請「閲讀空氣」)。
これ、馬英九が個人的に憎悪している日本を例に出しているところも皮肉が利いていて、GJといったところ。しかも聯合報がこういうのを載せるのも、それこそ聯合報の編集者が社会の空気を読んでいる証拠だ。というか、10月以降に関していえば、聯合報と聯合晩報は悪くない。経済問題に関して馬政権の失政をよく指摘しているし、むしろ逆に中間派を気取ってきたリンゴ日報が深藍化というか紅化の本性をむき出しにしつつあるのと比べて、聯合報は割りとまとも。中国時報は社説と投書欄はまずまずだが、最近記事を読むところがない。自由時報は情報が一方的なんだけど、これだけ馬政権の無能と媚中ぶりが明らかになっている時期だから、一番説得力はあるわな。だからコンビニでも自由時報が最近一番早く売り切れる。

■つまらなかった夜の集会と現在の民進党の限界
とはいえ、盛り上がったのは、昼間のデモだけ。午後4時から総統府前広場で開かれた集会は、総統府前広場が入りきれず、めちゃ混みになっていたこともあって、徐々に人が離れていったのだが、集会のプログラムがつまらなかったので、さらに人の引きかたに拍車がかかっていった。午後8時を超えるころには広場の人は数千人規模になり、一部はいきなり立法院前に移って、国民投票法の改正を求めて勝手に座り込みを始める、という始末だった。
集会のプログラムがつまらないというのは、民進党の政治家が出てきて演説をするという、をいをい、何年前のパターンだよ?と問いたくなるほどアナクロなパターンだったからだ。
しかも、どうせ政治家を出すなら、張銘清事件の英雄、王定宇を出せばいいのに、そんなことをしないで、統一派から罵倒されることを気にしているのは、意気地がないというか、本当の意味で民意がわかっていない証拠だろう。
それに欲をいえば、民視か三立の討論番組を公開番組としてやれば、もっと盛り上がったはずだ。
張銘清事件で、台湾人の多くは内心では快哉を叫んでいるのである。リンゴ日報などにかかるとそれを歪曲するから、文字を読むのが大好きなインテリ主体の指導部は、リンゴ日報を信じこみ、王定宇や大話新聞を避けたのだろう。
馬英九政権の対中傾斜、および国民党全体の無能ぶりに愛想を尽かしている市民は多いのに、民進党がいまひとつそれを掬いきれず、支持率がドラスティックに上がっているわけではないのは、妙に嗅覚が鈍い点にある。
国民党が90年代前半の思考から、民進党もまた2000-04年の成功体験から離脱できていないというところか。
問題は現在新潮流が党本部を牛耳っていて、広範な社会運動や市民勢力との連携が出てきてない点にあるのだろう。口先では市民社会と連携を強めるといっているが、インテリ層主体の現行指導体制では難しい。

それだけ台湾の市民社会の発展は急速なのである。民主化主導勢力の民進党もいつの間にか市民に乗り越えられてしまった。

■馬を打倒して自分が総統にと夢想するより制度を変えるべし
そもそも現在の問題は、半大統領制という政治体制そのものに起因している。半大統領制は韓国もそうであるように、冷戦反共権威主義体制で、軍事と経済建設に総動員が必要だった時代の歴史的遺物なのだ。確かに総統民選は民主的な制度のように見えるが、行政権を務める首相をおいて、大統領は三権に超然とする形になっている半大統領制ははっきりいって単なる独裁の制度なのである。だから、エジプトと旧ソ連(バルト三国を除く)などを見ればわかるように、半大統領制は独裁と表裏一体なのである。だから、欧州の成熟した民主国家(フィンランド、アイスランド、アイルランド、オーストリア)は、本来の制度設計では大統領民選の半大統領制であっても、いつの間にか責任内閣制、議院内閣制に移行している。
ところが、現在の民進党と国民党本土派も含めた反馬派の問題は、馬を引きずりおろしていずれは自分が権限の強い大統領になろうという野望を抱いている点にある。だから、ダメなんだろう。

デモと集会では、陳水扁や蔡英文や民進党所属県市長らが「馬英九辞任」を叫んだが、こないだまで政権にあった勢力がこれを叫ぶのは本来なら妙なことだ。特に前総統が現総統に辞めろというのは異常である。もちろん、私も馬はやめるべき、あるいは任期をまっとうできずに辞めるだろうと思っているし、そもそも「ダメな総統は任期途中でも辞めるべき」というのは、2006年に赤シャツ隊が陳水扁辞任を叫んだ意趣返しであり、赤シャツ隊が前例をつくったわけだから、もともと国民党に非があるわけだが、問題はその後をどうするかにある。
馬辞任を叫んだ民進党の上層部は、馬が辞めて自分が総統になる、と夢想しているとしか思えない。しかし、それなら、どうせここ数年は良くなるはずがない経済状況の中で、次に総統になった人が引き摺り下ろされるだけなのである。
問題は今の台湾市民社会の発展ぶりにはもはや適していない、時代や社会の動きの速さについていけない(任期が4年というのは明らかに長すぎる)半大統領制にあるのだから、馬を辞めさせるためにも、その問題も考えておかないといけないはずである。
そして議院内閣制にするならするで、体制内でのチェックバランスは必要になるので、二院制にするとか、比例代表部分の比率を多く、定数も増やす必要も出てくるだろう。

反馬勢力のひとつである国民党本土派も一つにまとまった勢力ではないうえ、結局、民進党が強くならないと浮上できない情けない連中だから、民進党がインテリ主体で市民社会と遊離している現状では、国民党本土派も力を持てない。
ただし、民進党が広範な反馬勢力をまとめあげる求心力になりきれない状態も来年までには解決されるだろう。というのも、台湾経済は年末から来年春にかけてのっぴきならない状態になるだろうからである。そうなると民進党もガラガラポンにならざるをえない。
それまで政権側も凋落の一途だが、受け皿の民進党も受け皿になりきれないどっちづかずが続くだろう。

25日土曜日に、毒ミルク撒き散らす中国、新自由主義の馬政権への抗議行動

2008-10-24 00:09:15 | 台湾社会運動
25日には、民主進歩党、21世紀憲改聯盟、台湾環境保護聯盟、台湾社など、台湾派および進歩派の団体が結集して、毒ミルクなど有毒物質を撒き散らす中国とそれを従容する無能な馬英九政権に抗議し、台湾の主権と市民生活の確保を訴える大規模なデモ・集会が開かれる。
活動時間は午後2時から10時まで。だが、反中感情と政権批判が高まっている中だけに、午後10時を過ぎても市民による自発的集会が引き続き開かれる可能性が高い。

デモ隊列は5つの出発点に分かれて午後3時に行進を始め、午後4時から5時までに総統府前広場に集結、集会を開く。
5つの隊列のテーマ、主な参加団体、出発点、ルートは次の通り:

1.「反心商品(有毒食品反対)」:忠孝東路そごう近く出発、忠孝東路、建国南路、仁愛路を通る3.9キロ。台湾南社、客社、台湾独立建国聯盟、世界台湾人大会、台湾国家聯盟、民進党台北市。

2.「反一中教育(中国と一体化する教育政策への反対)」:台湾大学本部キャンパス正門前を出発、、中山南路を通る3.4キロ。台湾教授協会、21世紀憲改連盟、台湾環境保護聯盟、台湾基督長老教会、民進党高雄地区・中部。

3.「反掏空主權(主権の空洞化に反対する)」:龍山寺を出発し、桂林路、中華路、漢口街、重慶南路、襄陽路、常徳路、公園路、中山南路を通る3.8キロ。台湾団結聯盟、台湾心会、民進党嘉義・宜蘭地区。

4.「反一中市場(中国との市場統合に反対する)」:中山サッカー場(民族西路・中山北路)を出発し、中山北路、市民大道、林森南北路、青島東路中山南路を通る4.2キロ。台湾北社、東社、民進党台南地区。

5.「反無能政府」:三重市側中興大橋(成功路)を出発し、康定路を通り、第3チームと合流して、漢口街、重慶南路、襄陽路、常徳路、公園路、中山南路を通る4.8キロ。民進党台北県。

主催団体の予想を上回る盛況となった8・30馬英九失政抗議デモ

2008-08-31 03:40:05 | 台湾社会運動
8月30日は、台湾本土派知識人団体の「台湾社」などが主催する、馬英九の失政に抗議するデモが台北市で行われた。27日で成立100日目となった馬英九政権だが、たった100日で失政続きで、経済は悪化する一方。8月中旬には、台湾社などが従来支持してきた陳水扁の不正蓄財疑惑が明るみになったため、10万人と設定した規模が縮小する恐れもあったが、結果的には陳水扁要因はまったく利かなかったようだ。
というのも、この時期にあわせて陳水扁のスキャンダルが明るみになるのは、どうみても馬英九政権によるこの日の活動を押さえつけ、自らの無能を隠蔽しようという政治目的がミエミエだったのと、そもそも緑陣営の多くも陳水扁は過去の人という意識が強く、陳水扁のスキャンダルはまったく打撃にならなかった。いや、むしろ馬英九政権の姑息な政治目的に反発した人が多かったのか、逆に国民党支持層の参加も呼び込んでしまったような感じがした。

国民党系メディアは「陳水扁擁護の集会」などと矮小化に躍起となっていたが、私が見て回ったり、参加者に話しかけたりした感じでは、実際にはまったくそんなことはなかった。少なくとも私が見た限りでは、陳水扁を弁護する人間はいなかった。もちろん陳の違法性は証拠が出てきていないし、国民党系メディアの「暴露」や政治目的には懐疑的な人は多いのだが、陳の行為は台湾や支持者を裏切るもので愚かなものである、というのが、参加者の多くに共有されていたようだった。

参加者は主催者発表で30万人、国民党系メディアは4万人だったが、私が現場を見て回った感触としては、10-15万人といったところだろう。台湾社が公式に予測していた10万人を確実に超えていた。2003年9月6日の「正名運動」の15万人前後と同等の規模だ。普通、参加者規模は主催者発表と警察など敵対陣営の発表との等比中項が真実と言われているが、その通りになった。

ところが、デモの終点で集会が開かれた総統府前広場=ケタガラン通り周辺の会場設計を見うると、台湾社はあまり自信がなくて、5万人程度しか集まらないと思っていたのではないか?というのも、舞台活動を伝える中継画面はケタガランの中央に1台だけで、張栄発基金会(旧国民党本部)なども人で溢れていたのに、画面を設置することなく、ほとんどの参加者が舞台で何をやっているのか、わからない状態だったからだ。
今回、民進党は参加を呼びかけただけで、準備、設営、進行には積極的に関わっておらず、台湾社の中の北社が中心となって行ったからか、会場設計の面での不慣れが目立った。

とはいえ、単なる民間団体の呼びかけで、成立わずか100日の政権に対して、これだけ多くの抗議、不満運動が起こったことは、驚くべきことである。しかも、どうも与党国民党内でも本土派に属する人も参加したようである。

もちろん、参加者の思いは一人一人違っていただろう。しかし、少なくとも馬英九政権の無能と失政に対する批判が広がっていることは、明らかになったといえる。
もちろん、これで馬英九政権が反省して目覚めて、政策ややり方を改善するとは思えない。そんな能力すらないからだ。だが、そのほうが都合が良い。
もともと中華民国とか国民党というのは、そういう集団だからだ。だからこそ中国大陸でも自滅に向かい、中国人民にも唾棄されたのである。国民党は「のらくろ」に出てくる山猿の軍よろしく、自ら仕掛けた罠に引っかかる性質は、昔から変わっていないようだw。

聖火リレー、台湾も受け入れとけばよかったかも

2008-04-26 23:52:06 | 台湾社会運動
聖火リレー、昨年春の段階では台湾も通過する予定だったが、「台湾は中国の一部」という誤ったイメージを振りまきたい中国に反発して陳水扁政権が拒否したという経緯がある。
しかもこのときは国民党系メディアの一部もリレー拒否に同調した。

しかし今から考えれば、受け入れておけばよかったのかもしれない、と思う。
これはあくまでも後だしジャンケンの結果論に過ぎないのだが、受け入れておけば、「聖火リレー最後の民主主義国家」として、チベット支援、独立した台湾を訴える市民団体による五輪および聖火への抗議活動が活発に行われ、むしろ台湾の独自性と民主主義を世界に示す機会になれたかもしれない。

もちろん昨年の時点では、中国によるチベット弾圧という突発事態までは想定できなかったのだろうが、つくづく陳水扁の戦とか決定って、国連加盟のレファレンダムといい、立法委員選挙応援といい、蒋介石バッシングといい、裏目に出てばかりいるんだよなあw。

実際、4月23日付けの蘋果日報の投稿欄で、次のような指摘があった。
「今となってみれば、むしろ聖火を受け入れていたら、国際的な抗議運動と陳水扁政府が一体となって、対中交流を推進している馬英九の鼻をあかそうとしたかもしれない。そういう意味では皮肉なことに、聖火拒否した陳水扁に馬と中国は感謝すべきかも知れないのだ」
如果奧運聖火過境台灣(杜念中)
http://1-apple.com.tw/index.cfm?Fuseaction=Article&art_id=30480064&issueid=20080423

16日の活動に向け手気勢があがる謝長廷陣営

2008-03-15 22:11:15 | 台湾社会運動
3月16日に「百万人でハイタッチ!逆転勝利」活動開催へ

(謝長廷選対本部公式サイト:http://vivataiwan.tv/jp/renews0301b.html から、一部修正)

民進党と謝長廷選対本部は、3月16日午後「百万人でハイタッチ(互いに手のひらをたたきあう)!逆転勝利」と名づけた大規模集会を台湾各地で一斉に行う。
2月28日の「逆風行脚」と夜の集会が、予想をはるかに超える人出と盛り上がりを見せたことから、選挙戦最後の日曜日にあたる3月16日に国民党一党独占国会に対する危機意識をさらに盛り上げ、逆転勝利を目指す。

■昼間の集会と行進
16日午後2時から3時14分に集会:
台北市、国父紀念館集合、謝長廷総統候補が指揮
台北県 板橋市にある台北県選対本部集合、蘇貞昌副総統候補が指揮
高雄市 愛河河岸(光榮碼頭)
台中市 復興路・文心南路(スーパー「愛買」近く)
基隆市 基隆市文化中心
桃園市 中山路939號、あるいは朝陽公園、あるいは民族公園
新竹市 新竹市站前廣場(駅前広場)
雲林県 西螺鎮・濁水渓西螺大橋雲林県側
嘉義市 嘉義火車站前站(駅表の駅前広場)
嘉義県 水上郷北回帰線記念塔
屏東県 佳冬郷・石光見中山玉光路口(西部活動集結地点最南端)
台南市 台南市気象局(公園路21号)
花蓮県 吉安郷・花蓮縣長昌競選總部(自強路280号)
台東県 太麻里郷・太麻里車站対面(駅向かい側)(東部活動集結地点最南端)

全国各地計253箇所に設けられた集結地点でも同時に集会

2時50分から3時過ぎまでそれぞれ来賓らの挨拶3時5分から3時14分(中国反分裂法成立の3月14日を示し、中国覇権主義反対を意味する)出発儀式
*スローガンを叫ぶ:
・「要制衡(ai3 che3-heng5 アイ・ツェーヘン)、反対一党独大(hoan2-tui it-tong2 tok8-toa8ファントゥイ・イットン・トッkトア)」(チェックバランスが必要、一党独占に反対)
・「要入聯(ai3 jip8-lian5 アイ・ジッレン)、反対中国覇権(hoan2-tui Tiong-kok pa3-khoan5ファントゥイ・ティオンコッk・パークアン)」(国連加盟が必要、中国覇権主義に反対)
・「顧飯碗(kou3 png7-oaN2 コー・プンウア)、反対一中市場(hoan2-tui3 it-Tiong chhi7-tiuN5 ファントゥイ・イッティオン・チーティウ)」(生活経済を守り、一つの中国市場に反対)
*帽子を逆向き(ひさしを後頭部に向ける)にかぶり直して「逆転勝利」を示す
*親指を上向きに突き出し当選(tong3-soan2トンスアン)を叫ぶ(親指を上向きに突き出すと1番、良いという意味になり、謝長廷候補の番号1番当選の意味にもなる)

■3時14分からハイタッチ行進:

3時14分に全国各地253箇所に設けられた集結地点から行進隊が反時計周り(逆周り、逆転勝利を意味する)に行進。
沿道には、それを激励する1列以上の民衆が立つ。
行進する人たちは、沿道の人たちが作る「?掌加油線(ハイタッチライン)」の人たちとハイタッチをしながら次のポイントまで行進する。平均距離は5キロほど(場所によって2-10キロ)。

行進方法:
普通に行進、自転車、二人三脚、ムカデリレー、神輿担ぎ、獅子舞、仮装行列、スケートボードなど自由に創意工夫を組み合わせる。

計画図:
http://bp1.blogger.com/__iCzE1uuVQM/R9Kod21Kk8I/AAAAAAAAAs0/MLW4Hyt_HAA/s1600-h/316%E6%B5%B7%E5%A0%B10307%E7%89%883.jpg


■台中市での夜の集会

夜7時から9時まで台中市の干城公園(台中市自由路・進一街、台鉄台中駅近く)で大規模な集会。謝長廷候補と蘇貞昌候補が演説。

2・28記念日、謝長廷陣営行進と集会盛り上がりを見せる 3月16日にも百万人集会計画

2008-03-04 00:28:54 | 台湾社会運動
2・28事件記念日の2月28日、謝長廷陣営が企画した台北市内行進と集会は、緑陣営支持層の危機意識が出てきたからか、久しぶりの盛り上がりを見せた。行進と集会でのべ10万人が出たとみられる。また、緑陣営の集会としては久しく見られなかった若者の姿も多く見られた(3分の1くらい?)。
この日は10日から始まった「逆風前進行脚」の最終日でもある。この日は午後2時半すぎ板橋市にある謝長廷台北県選対本部を出発、南部の屏東を出発して500キロあまり歩いた若者たちに加えて、台北県の民衆も合流、さらに台北市に入り、より多くの民衆が加わって盛況となり、沿道の人たちの反応も良いものだった。
中山サッカースタジアムで開かれた夜の集会ではFreddyが主軸となり、実際Freddy登場の際には、観衆の歓声と拍手が大きかった。ただし、このときFreddyが歌ったのは、自分たちのバンド「閃霊」のヘビメタ曲ではなく、「濁水渓」のものだったと思う。まあ、中年以上の人も多かったから、ヘビメタは避けたのは正解。
           *    *   *           
ところで、謝長廷陣営では3月16日にも、大規模なデモと集会を予定している。台湾各地で総計100万人を動員する。「(14日に記念日となる中国反国家分裂法など)中国の脅威と抑圧に反対し、国民党一党独占状況に対して民主主義の台湾を守る」ことをテーマとするもの。16日といえば投票直前の最後の日曜日で、投票6日前。謝長廷陣営はこれで最後の盛り上がりをはかり、必勝を期すようだ。

逆風前進行脚に苗栗県で参加

2008-02-25 15:24:22 | 台湾社会運動
23日土曜日は週末だったので、謝長廷選対本部の青年団が主催している逆風前進行脚に参加することにした。ネットに出ていた時間表では朝出発して12時半に造橋駅に途中休憩するとなっていたので、12時半直前に到着する電車で台北から向かった。到着してから、知り合いの民進党役員の客家人に電話したところ、「時間が遅くなって、今はまだ苗栗市にいて、造橋駅には3時ごろの予定」だという。
★写真は造橋駅に午後3時半に集結休憩したときのもの
ほかにも待ち合わせの人が10人ほどいたのでそれを伝えると、一部の人は歩くのはそれまで待つという。幸い車で苗栗まで送ってくれる人がいたので、数人でそれに同乗して、途中苗栗市で歩いている行脚団に合流。苗栗市から後龍の一部、造橋、そして頭[イ分]と、ほとんど客家人地区15キロほどを歩いた。
生憎雨が降り、風も強く、まさに「逆風」の中の行進だったが、ひさしぶりに生の客家語も堪能できたし、国民党の金城湯池とされている苗栗県の客家地区でも沿道の家々や店からかなり声援も飛び交ったし、悪くはなかった。
参加者数は私が加入したときには100人あまりだったが、後で次々と合流した人もいて最終的には300人くらいになっただろう。
単に歩くというだけで、これだけ参加者がいて、さらに沿道からも声援があったので良かったと思う。