犬のバイク便

渋谷から南へ行く大きな幹線道路。
初老のおじさんがバイクに
大きな荷物を積んで急カーブも
スイスイ行く。
なんと後の荷台に載っているのは、
ワンちゃん。
そうです。売られていくのです。

狭い鳥カゴのような檻に
目隠しされて某所のペットショップへ
売られていく途中。
カーブの度に右へ左へ傾く。
小さな子犬は、不安そうにすき間から
人間世界を覗いている。
このおじさんのバイクに乗ったところから
親から引き離されてはじまる商品としての生活。
わかっていながら、胸が痛んだ。
どうかあの子らがいいひとに出会えますように、と。