カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

ライ麦畑でつかまえて

2007年06月09日 | 写真コラム
駅のホームで人が落ちないように
気をつけて、見張りをする仕事。
毎日やっていると
自殺しそうなひとの動きがわかるという。
重松清の「送り火」の一編にそんな出世しないで
駅のホームに立ち続ける駅員の話がある。
イジメにあっている少年が落ちないように
見守る。サリンジャーのThe catcher in the ryeを引用して。
やっぱり「ライ麦畑の捕まえ手」より「ライ麦畑でつかまえて」
の方がいい。訳者は、すばらしい。二つの意味が込められている。
いつ落ちるかわからない高い崖の上に広がる青々としたライ麦畑
で不安に走りまわる子供は、つかまえてほしい。
子供を救う捕まえ手になりたい主人公ホールデンも、本当は捕まえてほしい。
かくいう駅員もつかまえてほしい時だってある。
加害者、被害者、いつだって入れ替わってしまうのが現代ではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする