月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「ワイルド チェイス」

2008年09月11日 | ◆ワ行

映画冒頭、連邦銀行を襲撃する黒尽くめの男たち。おお、クライムアクションかしらと期待して観始めたら、一人の男が銃で次から次と・・・・・
銃を使うなんて(人殺しをするなんて)約束が違うと叫んで逃走用の車で一人金塊を積んだ車で逃げてしまうのが、この男。


(冒頭の強盗団の一味として出てきて観客をリードしていくロバート・パストレリ、彼の遺言の意味は・・・・)

ロバート・パストレリという俳優ですが、なぜかいつも心臓麻痺で倒れる(振りをする)役柄が印象的なのは、シュワちゃんの映画『イレイザー』で孤軍奮闘することになったFBI捜査官シュワルツネッガーをたった一人応援することになるとぼけた味わいの、ピザの配達人を演じたときのイメージのせいでしょうか。この映画でもまたまた、取調べ中にFBI捜査官たちに死んだ真似しているのだと思われて結局死んでしまいます。残忍な誰かを恐れて刑務所に避難したというのに・・・

死を予感し、オレにもしものときは、と遺言を託したのが、同じ刑務所にいたこちらのジェイミー・フォックス演じる泥棒。

とぼけたときには限りなく間の抜けた顔になる主演のジェイミー・フォックスより、デヴィッド・モースが出ているので観ることにしたのですけれど、「動物園に行け」「我が家が一番」という遺言を妻に伝えてくれと言われたジェイミー・フォックス。
口の軽さと身軽さが身上の彼から、その遺言を聞き出したもの、そこには何もなく、FBIは捜査のために特別チームを編成し、ジェイミーの顎に超精密機器を埋め込んで、犯人が寄ってくる餌に利用する。囮として利用されていることも知らずに釈放されて喜ぶ彼。


(恋人役のキンバリー・エリス、まじめに働く黒人女性という意味ではお定まりの役柄ともいえますが、なかなか良かったです。)

2年ぶりに恋人を尋ねたら、何と息子が生まれていて、恋人に厳しく要求されて無責任男から離別すべく就職活動を始めるのですが、


(ジェイミー・フォックスの弟役のマイク・エップス。この兄にしてこの弟ありという仲のよさですが・・・・)

盗難車を転売する稼業の弟から、またいっしょにやろうと陽気に誘われちゃいます。ダメだダメだと言いつつも、まともな仕事に就いたことのないジェイミー・フォックスはあれよあれよという間に流されて危ない橋をわたる状況に。警察に逮捕されてしまったら、計画が水の泡になると焦ったデイヴィッド・モース(FBIの特別捜査チームの責任者)は、


(デイヴィッド・モース★http://www.davidmorse.org/)

ジェイミー・フォックスがヤバイことをして警察に捕まらないように部下たちに命じ、当座の生活費までいろいろな名分で渡すことになります。
襲われた銀行の防犯システムは国防のシステムと同じもの。そのセキュリティを突破した犯人がいる。国家の安全保障上捕らえるか、抹殺するしかないという危機感のため、ですが、
その部下の面々、なかなか好感度の高いチームで、盗聴によってジェイミー・フォックスの人となり(「こいつ、おっかしい!根はなかなかいい奴じゃないか・・・」的)に共感を覚え、一生懸命やってもなかなか雇用されない彼の環境を知っていくに連れて同情的になっていくのですが、ジェイミー・ケネディなどの若手もいい雰囲気を出しているのに、皆名無しの捜査官。(笑)

ジェイミー・ケネディ、コメディ映画で主演 
(ジェイミー・ケネディとカーク・アセヴェド、いい感じでした。)


(こちらもコミカルないい味を出していたミーガン・ドッズ)

こうした部下たちの中で唯一名前のある捜査官として出てくる部下がこちら。


(本作に何ともいえない味わいを加味していたデヴィッド・ペイマー)

上司の言うままによく動くけれど、人間味のあるウィリー捜査官を、デヴィッド・ペイマーがなかなか好演していました。
それがデイヴィッド・モースの持ち味とのギャップとなり、そのギャップが不思議な緊張感をかもし出していたように思います。

何だか身辺がおかしいということに、さすがの能天気のジェイミー・フォックスも気づくときがやってくる。

盗難車の転売の現場に警察が踏み込んだことを知り、訳のわからない男からの不気味なアプローチに、状況を呑み込むようになります。とぼけたときの表情が限りなく軽くて、どうにもならない俳優だと思ってしまうけれど、こういう表情のときには、持ち味がよく出てくるかなと。

何といっても、ジェイミー・フォックスというこの黒人俳優の魅せ場は、やはり、

こうしたときの表情における目でしょうか。
シリアスな映画向きの顔ですね。近作の映画『キングダム/見えざる敵』(原題「The Kingdom」2007年制作」で出演が印象的でした。

こうした主演のジェイミー・フォックスよりも、デヴィッド・モースが出ているので観ることにした本作ですが、

B級アクション映画では脇役専門で、特殊部隊員だったり元海兵隊の悪役だったりでパッとしない役ばっかりというイメージのデヴィッド・モースですが、(でした、と言うべきか)その頃からのファンです。もっと彼の魅力が全開する作品と出会えたらなあ、といつも惜しいなあ・・・と思ってしまいます。

さて、話を戻すと、彼らが懸命に追う犯人がこちら。

出てくるときは眼鏡をかけたこんな感じか、暗い部屋だったりしたせいか、よく顔を覚えていないのが残念。ただ、ちょっと軽かったかな~というのがさらに残念でした。まあ、シリアスなサスペンス映画じゃないので、『ブラックサイト』の青年のような役者では合わないと考えられたのでしょうか。この俳優、ジョニー・デップをかなり意識した歩き方をしていたように思います。ちなみに、誰?

他にも、コメディが得意な役者たちが揃っていたようにも思いますが、写真を撮るまもなく愉しんでしまいました。

あ、そうそう、そういえば、
チョイ役で台詞もなくチラッと出ていたこの黒人俳優、

誰だったかな~と。

 


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