月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「Mother of tears」

2008年06月24日 | ◆マ行

2007年制作のイタリア映画。オカルトスプラッター&ホラー映画。
主演は、この手の映画ではお馴染みのイタリアのアーシア・アルジェントという女優です。

黙っていると雰囲気のある女優なのですが、台詞を言わせるとダメなタイプというのが残念。でも、その雰囲気はホラー系映画では貴重で、だから、つい騙されて最後まで観てしまう・・・・

監督は、この手の映画では鬼才と呼ばれるかもしれないダリオ・アルジェントという監督で、ホラー系映画をご覧にならない方達のためにちょっとご紹介すると、昔のホラー映画としてタイトルくらいは記憶になるかもしれない「サスペリア」というホラー映画を作った監督です。「マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴」「フェノミナ」というのは、わたくしも結構好んで観たものですが、ホラーがダメという方にはおススメしません。それでもこの監督の「オペラ座の怪人」は良かったですよ!「オペラ座の怪人」のお好きな方はいくつもの「オペラ座の怪人」映画があるので、見比べてご覧になるのも一興かもしれませんが・・・・・残虐シーンはダメという方には、ちょっとおススメできないかも。クリスティーヌ役は、やはり同じくアーシア・アルジェントでした。ここで同じアジェントという姓に気が付かれた方もおられるでしょう。そう、監督と彼女は親子です。

このデヴィ夫人に似た女優は、ヴァレリア・カヴァッリというイタリアの女優です。ああ、見たことある!と思われる方も多いのではないでしょうか。よくいろんな映画に出ていますよね~

この映画では、主人公サラの亡き母エリーザの友人として登場。白魔女として戦って殺された母親のことをサラに知らせ彼女の導き役として登場しますが、殺され方が凄まじい。女性にとっては実におぞましい死に方をさせられますが・・・・史実として魔女狩りの時代、魔女として殺された女性の多くがそういう殺され方をしたようで、つくづく今の時代に生まれてよかったとわたくしなどは安堵してしまう次第です。

ウド・キアーというドイツの俳優で、ホラー映画には欠かせない俳優ですが、変わった映画にはよく出演していて、二コール・キッドマン主演の「ドッグヴィル」のような映画にも出ていたり、ビョーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のようなカトリーヌ・ド・ヌーヴなども出ている、国際色豊かなキャスティングの映画にお呼びがかかるのでしょう。ホラー映画の俳優や女優って存在感が独特なものがありますからね。本当にいろいろなところでお見かけします。
ウド・キアーといえば、「サスペリア」にも出ていますが、やっぱり「悪魔のはらわた」や「ドイツチェーンソー」などが印象的。
この映画では、神父だったか司祭だったか。

さて、この映画、

冒頭はあたかも、トム・ハンクス主演のハリウッド映画「ダ・ヴィンチ・コード」のイタリア版か!?と思ってしまうような導入と映像で始まるので、ついつい期待してしまいますけれど、ファンの方は別の見方をされるかもしれませんが、一般的には内容的にはどうということのないB級オカルト映画です。黒魔術と白魔術のいわば魔女同士の対決・・・・。主人公が白魔術の戦士だった亡き母親の霊に守られながらこの世に道徳の退廃と悪行と死をもたらす「涙の母」と戦うという内容ながら、イマイチ尻切れトンボで、アーシア・アルジェントは中途半端。

ただ、イタリアのモダンな駅なども出てはくるけれど、こうした古い石畳の街並みやローマ近郊でしょうか、こうした建造物などが出てくるたび、わくわくさせられました。

そう、この映画の楽しみ方は、いろいろ。
こちら(↓)のような絵画のようなイタリアの家屋の窓辺や、

イタリアのアンティークファンには嬉しくなるような、
以下のようなアパート内のインテリアや、
いい味わいの出ているイタリア家具が見られるので、
それが楽しみと言えば楽しみ。



このテーブル、素敵ですよね。

書斎にこうしたブロンズが置かれている!
この映画には、いくつかの書斎の場面が出てきますが、それぞれになかなか味わいがありました。



古代美術が専門だったか美術館に研究員として勤務しているという役柄上、アパート住まいでも本がなければ格好付かない。とはいえ、こうした書棚の設定が心憎いですね。
ドアの作りや、廊下や壁に掛けられている図柄も、「もっとゆっくり拡大して見せてっ!」と言いたいほど。



この図書館の書棚の無垢材や床の素晴らしさはどうでしょう!
思わず目がいってしまいました。

ところで、
ダリオ・アルジェントという監督は
私的関係にある女優を使いたがるクセがあるのか、
この映画でも、娘のアーシア・アルジェントだけじゃなく、

内縁関係だったダリア・二コラディをサラの亡くなった母親役として出演させています。が、霊なので写真に収めている暇がなく、ネットから彼女の画像を拝借。アルジェントの実の母親ですが、往年の彼女、存在感がありましたね~
この作品では、それほどではなかったです。

何といっても、存在感があったというか印象的だったのはこちら。
      ↓

JUN ICHIKAWAという日系の女優。(国籍がどうなっているのかが不明なので、そのようにご紹介させていただきます)バイオグラフィーによれば、日本生まれながら7歳以降はローマ在住。日本語もイタリア語もどちらも堪能らしいけれど、映画の中でいきなり語られる日本語はちょっとヘンでした。
彼女の画像(こんな化粧なしのお顔)を眺めていて、どこかで見た様な顔だなあと思ったら、ハリーポッターの中に出てくる「チョウ・チャン」という東洋人の女の子役で出演していました。
同じ魔女ながら随分違うので驚き!ですね。(苦笑)
http://www.imdb.com/name/nm1536634/

 


 

★ご参考までに。
http://movies.nytimes.com/2008/06/06/movies/06arge.html


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