ニュー・イヤー・コンサート2024

ソプラノ:ベアーテ・リッター
テノール:メルツァード・モンタゼーリ
指揮:グイド・マンクージ
ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
バレエ・アンサンブルSOVOPウィーン
(2024.1.2 サントリーホール)

ウィーンには、有名な国立歌劇場のほかにもう一つ歌劇場がある。それは格調高く多くの外国人観光客を集める国立歌劇場(シュターツオーパー)に対し、ウィーンの市民のためにある国民歌劇場(フォルクスオーパー)だ。この国民歌劇場はオペラを毎日上演しているから、オケは何組か出来るだけの奏者を擁している。それで、国立歌劇場管弦楽団(ウィーン・フィル)が元旦にニューイヤーコンサートを行うのと並行して、日本で毎年1月1日~3日までニューイヤーコンサートを上演している(コロナで休みになった時もあるが)。私はこれまでに何回か聴いていて、今年も2日の公演に行ってきた。
このオケに対して密かな楽しみがある。それはここのフルートを聴くことだ。かつてウォルフガング・シュルツがここのフルート奏者をしていて、それから間もなくしてウィーンフィルに移った。だからここの首席奏者(女性だ)もかなりいいから、ぜひ将来はとの夢を描いたりする。シュルツが引退してから(それから間もなくして亡くなった)、寂しくなったウィーンフィルに華を添えて欲しいと思ったりしている。

プログラムは、本家のニューイヤーコンサートが次第に有名曲が少なくなったのに並行して、有名曲は少なくなった。冒頭のスッペのオペレッタ「美しきガラテア」こそ知られているが、あとはあまり聴いたことがない曲が並ぶ。しかし、オケの水準はこんなに上手かったろうかと思うほど本格的なものだ。変わったところでは、指揮をしたグイド・マンクージは作曲家でもあるようで、彼の作品が2曲あったことだ。「新幹線ポルカ」など、新幹線が東京駅に着いたときに流れるメロディーが織り込まれていたりする。様式的にはシュトラウスの時代のもので、それが新作として出て来るのは不思議な気分だ。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )