阪田知樹 ピアノ・リサイタル

ショパン/24の前奏曲 op.28
リスト/『巡礼の年』第2年「イタリア」より
 第4曲、第5曲、第6曲、第7曲「ダンテを読んで」他
ピアノ:阪田知樹
(2023年8月12日 大賀ホール)

阪田知樹は、フランツ・リスト国際ピアノ・コンクール第1位など多くの受賞歴を持つ芸大出身のピアニスト。作曲・編曲なども行うという。
プログラムは、前半にショパンの前奏曲、後半にリストの代表曲を置くという意欲的なもの。このピアニストは、レパートリーは古典派から印象派まで広いようだが、日本では珍しいリストやラフマニノフを積極的に取り上げる中堅のヴィルトゥオーゾ・ピアニストだ。

まず前半のショパン。短い前奏曲を24の調性で書いて一まとめにするというのは、明らかにバッハの「24の前奏曲とフーガ」(平均律クラヴィア曲集)に範をとっている。ショパンはロマンチックである一方で数学的なまでの構成感を持っているから、終曲に向けての全体構成に関心が向かった。そしてその終曲はかなりの気迫で盛り上がった。
リストは、期待に違わぬ迫力ある演奏で、席から見たピアニストの後ろ姿を通じてのホールに響くピアノの大音響を楽しんだ。
アンコール3曲はどれも知らない曲だったが、ホールのページに、楽興の時第2番(ラフマニノフ)、魅惑のリズム(ガーシュウィン)、ここは素晴らしい処(ラフマニノフ/阪田知樹)と本人ページの引用が紹介されていた。ガーシュウィンは特にラグタイム風のリズムが楽しかった。

このホールはかつて中村紘子さんのリサイタルを聴いたのが最初だった。まずピアノの音が大きいのに本当に驚いたが、本人のトークが本当に楽しかった記憶がある。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )