moving(連想記)

雑文(連想するものを記述してみた)

ヒッキー2

2004-09-06 | エッセー(雑文)
歴史心理学とか歴史分析とかいう分野では
過去の人物をそれぞれの理論で分析してみせる。
いわばプロファイル的分析のさきがけをやってみせた
面白い心理学の分野だった。
最近は大学の講義ではみかけないようだ。

適応障害とかいって社会的活動の一線から離れる女性が過去にも
何人かいた。日本では律令制がはじまったあたりに有名な
スキャンダルネタとして語られてた道鏡と考謙(称徳)天皇の関係
(病を治療し政僧になった)を歴史で学んだりした人も多いだろう。
いろんな説があるが今でいう鬱病のような症状だったらしい。
しかし、この事例の前に玄肪という政僧と藤原不等人の娘の宮子
(文武天皇夫人)の病における治療関係があった。
この病も鬱系の適応障害と思われてるようだ。
この病のため聖武天皇はほとんど母である宮子に会えない状態、
つまり宮子は何十年も隔離状態のままだったらしい。
ここに留学僧であった玄肪が接近し政治へ僧呂がかかわる時代に
変わっていったようだ。
平凡な日常性から非日常的社会的立場へ追い込まれると、
通常その自我は自己を引き裂かれ統一的人格を維持できなくなり、
相反する価値観の狭間で苦悩し動けなくなる傾向が強い。
まだカウンセラーも精神分析理論もない時代に仏教の普遍観は
自己同一性の障害に大きく治療効果を果たしたことだろう。
現代でも不安にさいなまれる若者が宗教に傾倒してしまうのは
ここに原因があると思われる。
精神的支柱を与えられないカウンセラー達は、結局は精神科医の
指導(配下)のもとに薬漬け治療の一躍を担う。
仏教がもつ政治的カテゴリーの被害(過激な政治的活動)よりは
引きこもりで行動の規制しやすい状態が好ましいから、
社会適応可能とおもわれる薬により、個人の行動を規制する治療に
向かわざるえないのかもしれない。

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