moving(連想記)

雑文(連想するものを記述してみた)

性的「美」を中軸とした消費経済

2004-11-21 | エッセー(雑文)
理想を実現した最高の状態をいう「真善美」は、相互に関連し合った
統一的な価値とみられることもあり、英語ではtruth, goodness, and beauty
立証された明白な事実〔命題、原理〕正直、誠実、うそのないこと。
善良さ、有徳、美徳、親切、優しさ、寛容。
(精神的・感覚的)美、うるわしさ優美さ、気品(grace)、
魅力(charm)利点、とりえ(advantage)という多義的意味合いに広がる。
しかし、情報社会で真、善をつらぬくことは難しい。
もはや空虚な価値観でさえある。
価値観が異なる社会との交流が頻繁になるほど、
「立場違えば・・・というように」その善悪の様相を一変させ、
多義的あいまいになり、混乱さえ生じる。
さらに真、善は目に直接見えにくいため、共通の認識になりにくい。
(戦争やテロが絶えない最大の理由かもしれない。)
ところが、『美』は目に直接見える、耳に聞こえるため共通の認識になりやすい。
世界ミス~とかいう大会が親善交流に利用されてるのは、
分かり易いことが最大理由だろう。
美は良いという意味につながっていることもあって、性が積極的に取りこまれ、
さらに性的な魅惑と美が渾然となった現代の消費文化では、
女性の裸が「美」の中心的位置を占め、性的メッセージの中に、
商品購買欲をかき立てるように、仕組まれている。
女性の「美」を中軸に、真善美の真善を従者に従えた「美」の
価値観が、情報社会を支配してるような<観>さある。

経済に仕組まれた女性の性文化は古くから、特に美人の形容は多くみうけられる。

美人を形容する言葉「傾城、傾国、麗人、天色、国艶」
一笑が、千金にも値する美人【一笑千金】
ということばもあるくらい古くから、国と美人は等価交換の価値が
認められていたというのは面白い。
(文化人類学の初期の研究「クラ」とかいう
婚姻形態が経済交流の一部の機能を担っていたという)

美人の形容の認識もほとんど変わらないというのも
美が消費継続されてきたからということかもしれない。
眉系美人
青蛾、柳眉、双蛾、画眉
唇系美人
朱唇皓歯、桜桃、丹花・丹華、玉唇
ウェスト系美人
楚腰、柳腰、垂柳・枝垂柳、細腰
TV等の化粧品の商品と一致するポピュラーさ
その他の形容
紫筍・紫笋、沈魚落雁、佳人、小町、瓜実・瓜核、
明眸、上玉、麗人、麗質、品者、別品・別嬪、美君、
光一、紅玉、花瞼、姿人、上髱、器量好、淑人、玉腕、阿嬌

古来日本、中国では巨乳は美人の範疇になかったのかもしれないが
今や巨乳、爆乳、桃尻と必須アイテムのような感じだ。
(いわゆる欧米型美人の価値観が浸透してる。)
性的「美」を中軸とした消費経済に発展した文化が、個人をこれからどう変えていくのか興味津々。

ただ、《ことわざ》Beauty is but skin-deep.
美貌は皮一重;外見は美しくても内面の性格まではわからない.
ということを頭の片隅にとどめておこう。