moving(連想記)

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妖怪大戦争<使役されるもの・・・労働機械>

2005-08-17 | エッセー(雑文)

妖怪大戦争<使役されるもの・・・労働機械>
最近、夏休み映画として「妖怪大戦争」が公開された。
今回は加藤保憲が敵であり、陰陽大戦の印象が強い。
世界崩壊を目論む加藤保憲が、妖怪を、ただ手下にするのではなく
「機械化」するというところがキーワードとして理解される。
それは労働機械化された市民という問題が、「今日・現実」という
逼迫した感覚として、一部の作家達に印象づけられているからなんだろう。
その漫画的デフォルムにより、機械化された存在は醜い=否定されている。

陰陽士の存在により、「超自然的力をもちい鬼神に労役を課す」という発想が、
律令体制時にうまれたということを、この子供向けの映画で、
伝えようとしているのかもしれない。
律令体制とは法治国家の雛形であり、労働者と資本家との
乖離の極端な体制であったと見ることも可能だろう。

権力構造の支配階層にいるものにとって、低賃金労働者は「低級妖怪」であり
その加藤保憲は、権力志向の強い中産階級に落ちた「没落貴族」である。
彼が起業した会社は極端な「機械化」システムを雇用労働者に強いる。
その方法は、女性の色気「性の商品化」に集約されている。
この技法が無力なのは「子供」であるから、当然勇者に選ばれることになる。

商工会レベルの中小企業の社長が、吸収合併を中心とする企業に
抵抗するため、新しい発想のできる来たるべき社会のにないて「少年」に
その戦いのすべてを任せようとするのは、当然だろう。
こういう象徴劇が昔から日本映画産業は得意なのだから、この方向性を、
世界にむけた娯楽映画として、制作配信すれば面白いのだろうが・・・。
今回も日本的すぎて、他民族社会の子供にうけるだろうか?
方向性として「アイロボット」のようなつくりか
アニメ「ロボッツ」のようなつくりを選択すべきだろう。
ジャパニメの制作技術からすれば、単純な絵の構成は子供向け過ぎる
アメリカのアニメだろうが、そのわかりやすさの中には、他民族のコードに
規制された表現が練られているということを、見逃してはいけないだろう。

加藤保憲が加茂保憲のもじりで、体制側の権力者に安倍晴明という、
加茂氏安倍氏の権力闘争劇があったかのような、物語(シナリオ)は、
手垢がついていて、個人的には興ざめだが、実際は親戚姻戚関係にあるわけで
二家による「いえ」制度という支配体制を創立した企業家たちなのであるw。
この特異な日本的「商売」のモデルが、物語として、世界に理解されにくい
のではないだろうか?そろそろこのシナリオの設定をズラすべきだろう。








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